3話 学校にて
授業のチャイムが鳴り響く学校
丁度三時間目が終わり、生徒達は一斉に自分たちの教室へと戻っていく。
「だるかったー」
「あの問題答えわかった、あれはね‥」
様々な会話が混合して何を言っているのかはっきり聞き取ることの出来ない渡り廊下
皆、早く教室に戻ってお昼のお弁当を食べようとずんずん歩いて行くのに対して勇太と健也はゆっくり歩いていた。
「何から始めればいいかがわからないって」
健也が勇太の質問に驚いた様子で答える。
「そりゃあ、履歴書だったり顔写真だったり必要なものを用意したり勝負服を選んだり、やれることは沢山あると思うけど」
勇太自身やらなくてはいけないことは何回も確認したし分かってはいるのだ。
しかし勇太と言う覇気のある名前を授かったにも関わらず性格は心配性を拗らせて優柔不断となってしまっている
「少なくとも何もしないで悩んでるよりさ、こういう時間を有効に使って放課後や休みを余すことなく準備に使う方がいいと思うけどね。」
それはごもっともだ。
何もしないより何かをした方がいい
頭では理解している。
しかし「そうだね」と受け入れる言葉が中々口から出せない。
沈黙が続く廊下
健也はハッと思い出したかのようにこう言った。
そういえば今日って水曜だよね
購買限定30食のあじフライサンド早くしないと売り切れちゃうじゃん
じゃあ、また教室でね
あっ
声にならない声が自分の脳で木霊する。
タンタンとなるスニーカーの音が遠のいていく。
健也が角を曲がって見えなくなっても勇太は動けずにいた。
ぽつんと一人廊下に立つ自分
僕は健也みたいにスポーツもダメだし勉強も出来ない。
「僕って何も出来ないのかな‥」
一人の時間が長い勇太はよく自分のことを考えてしまう
もし履歴書を発行しに行ったとき、笑われたらどうしよう。
酒の肴に僕が出るなんて想像もしたくない。
もし書いている姿を家族に見られたらどうやってごまかせばいいんだろう。
会計でおつりを落としたらきっと迷惑かかるだろうな‥
もし‥もし‥
不安が募り積もる中、時間は無常に過ぎていく。
彼を現実に引き戻したのは昼休みの終わりを告げるチャイムだった。
手と顔が乾燥して冷たくなっているのを感じる
「もうこんな時間か、次の授業は数学だっけ」
「面倒くさいな、でもやるしかないかぁ」
とぼとぼとやる気のない後ろ姿
そこには木枯らしがひゅうひゅうと吹くだけだった。
毎日コツコツ7時投稿頑張ります。
それでは
今日も一日頑張りましょう!




