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君の理想になるまで  作者: ずらいお
あらすじと2週間前の出来事
10/17

8話 初ジムの輝き

あれから一週間経った。


オリマジのライバー彼氏彼女選抜まであと三日しかない今日。


現在オリマジの意見質問箱には


「応募して頑張る!みんなも頑張ろう(マッスルマーク)」


「俺には無理だ、公式配信だけで観戦するのが吉」


「俺は漆黒の魔剣を持つ男、周りの奴らなど消し去ってくれるわ!」


「本気で付き合えると思ってるの?夢見すぎw」


「そんなことよりラーメン食いに行こうよ」


「いいね、ハンバーグライス多めででいい?」


などの多種多様なコメントで溢れかえっている。


僕はそんなコメントを見てぼーっとしている


この一週間、僕は相変わらず何をするでもない日常を過ごしていた。


水浴びして普通に学校にいって、帰ったらご飯食べて、配信みて、お風呂入って寝て


ルーティンっていうのは本当に怖くって、朝から晩まで今までやってきたことが染みついちゃって生活が固定化されてしまう。


気が付いたときには選抜まであと3日


このままではだめな気がして焦ってはいるものの、何をすればいいのかが分からない。


それで結局何もできない。


このままじゃ彼氏なんて夢のまた夢、ないものねだり、僕の頭は夢物語だよ。


やるせない気持ちでプリントや教科書の転がる部屋を転がる。


三周した辺りで、くるぶしにポールハンガーがぶつかる。


「ゴン」 と鈍い音がしてハンガーがプレスするかのように僕の背中に襲いかかる。


ボコンと音を立てて枝部分が体を突く。


あっ一てぇ(痛ってぇ)


倒れてきたハンガーをどかし、抜け出す。


背中をさすりながら立ち上がると、いつも持ち歩く鞄からポーチが出ているのが見えた。


そうだ、「このポーチには色々お得になる魔法のチケットが入っているんだ。」


今この瞬間ポーチの存在に気づいたのは、この日まで全く外に出ていなかったからである。


ルンルンで勉強机の上にあるペンなどを引き出しに押し込み、チケットを広げる。


飲食や旅行券以外で自分ができるもの、例えばジムとか、習い事とか、そんなチケットないかなぁ


一枚一枚丁寧にみていくと、丁度中盤にさしかかった辺りでジムの優待券をみつけた。


この市にある3つのジムの1つ「グランツジム」


初心者から高齢者まで、幅広く己を輝かす事ができると評判のジムだ。(goggles調べ)


同じクラスの子はこのジムに入っているとは聞かないけど、きっと学校と正反対の南側にあるから使い勝手が悪いのだろう。


そんなグランツジムが30回無料で使えるといった内容のお得商品券


黒をベースに金色で文字が書かれている


凄く高そうなチケット、使うのが勿体ないとまで思う


しかし、僕はここで妥協しても意味ないなと、ひと思いに行ってみることにした。


現在の時刻は2時30分


ここから信号に引っかからなくても40分はかかる距離なので、3時には出よう。


そう心に決めて、準備を始める。


とは言ったものの、このままの格好で行ったら間違いなく場違いになる。


灰色のルームウェアに黒のズボン 靴下はそこら辺に転がっているはず…あれだ、醜い布きれに見えるやつ。


受付の人に嫌な顔をされないためにも、準備は万全にしておかなゃ


持ち物は財布とタオル、飲み物は買えばいいや

そしてリュック、もし何かあったときのために容量は多い方が良いという判断だ。


着替え終わり、鏡を見る。


平らなショートカットに黒いパーカー、有名スポーツブランドのロゴと白線の入った黒いジャージにリュックをしょった眠そうな目のじぶんが立っている。


今できる僕の最大限のおしゃれ


「これでいいスタートが切れるね」


そう思い、ニコニコ顔でリビングにいるお父さんとお母さんにジムに行ってくると伝え、玄関を飛び出した。


鍵を開けて自転車にまたがる。


キックスタンドを蹴って勢いよく家を飛び出し、僕はグランツジムに向かった。


「グランツジム」

ドイツ語で栄光を表すその名の通り

ここは初心者から高齢者まで、自分の輝きを手に入れてほしいというからこの名前が着いている。

上半身から下まですべてを鍛えられて、お風呂やサウナ付きの完全自主型のそのジムは、初心者歓迎と歌って入るが、会場の空気はぽっと出の人が来れる空気ではない。

顔ぶれは変わらず、2.3年通う身内同士のグループが出来ていて、基本初心者は浮いてしまう。


時刻は3時半を過ぎた辺り


僕はグランツジムまでやってきた。


外観は新しで磨かれた漆黒と金色の看板が目立つジム。


電飾で大きく「GLANZ」と書かれていて、凄く目立っている。


屋根のある横の駐輪スペースに自転車を止めて、自動ドアをくぐり中に入る。


黒い大理石と光る燭台の高級感あふれる雰囲気のジム


カウンターにはバナナを食べ、ぼーっとしているツーブロックと尖ったパーマに黒いインナーを着た男性が座っている。


「あの、すいません」


「あ、いらしゃい」


やる気の感じられない乾いた挨拶


「えっと、このチケットで入りたいのですが」


そう言って鞄から取り出すと、あまりいい顔をせず黙り込み、しばらくして


「おっけーです」


そう言ってバーコードをスキャナーで読み取り、その場で返してくれた。


「あと29回ね、それ以上は普通にお金払って貰うことになるからそこだけ、ウォーターサーバーは各階に3カ所あるから、適当に使ってね。」


「わ、分かりました」


意外とあっさり通れた。何か言われるかもと内心びびっていた分、驚きが強い。


見た感じ

左のフロアパーティションの奥のVIPルーム

右のスペースの温浴施設

2階が有酸素トレーニングフロア

3階が筋力トレーニングフロア

といった構成になっているっぽい。


僕はとりあえず二階のトレーニングフロアに行ってみることにした。


入ってすぐ、ロッカールームがあり、奥に施設を利用している人が見える。


僕はリュックからタオルを取り出してそのほか貴重品はすべて閉まった。


鍵をポケットに入れ、初めて入るジムにドキドキしながらトレーニングルームの中に入っていった。













グランツジムのほかにある残り2つのジムは後々出てくるので、楽しみにしていて下さい

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