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忘れたく無い記憶  作者: 柊海音


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第七章 フレンズ

昨日からの引き続き今朝も天気は曇り空

ちょっと肌寒いかなとふたばはパーカーを羽織る

そして今日も出勤する為に仕度をする

ローズはと言うと外へは出る様だが天気を察してか直ぐ家の中へ

楓は母に高校まで送迎して貰うようだ

楓は時間が無いのか地団駄を踏んでいる

ふたば「お母さん、楓の送迎間に合うの?」

澪花「お弁当がね、一品足りないって思ってね…」

澪花はアスパラ巻きを焼いている

澪花「楓お弁当持って来て、ほら、こっちだと見映え良いでしょう。じゃあ出発するわよ」

それを見たふたばは安心して自宅を出て職場へ出勤する。


ふたば「おはようございます」

田崎「おはようございます。七瀬さん、今日チームよろしくね。」

ふたば「よろしくお願いします。」

田崎「 七瀬さん、この間ICUに入った身元不明の女性は退院して貰ったって!」

ふたば「えっ?身元不明って?」

ふたばは部屋を覗くとたしかにベッドが1台空いている

ふたば「白根さんですよね。ミヨリさん身元不明者だったんですか?」

田崎「名前は違うって。あの人は自分でもどこの誰なのかわからないって混乱した様子で病室から飛び出し出て行ってしまったのよ」

ふたば「それって問題じゃ無いですか!!」

田崎「警察も動いてくれたんだけど、証拠も何も無ければ捜査は難しいって」

ふたば「カルテや処方箋を見れば分かりますよね?」

田崎「元々、カルテは無かったし今思えば居なかったようにも感じるし…もしかして幽霊だったりして」

ふたば「先輩、変な事言わないでくださいよ。ミヨリさんはいましたよ。そんな事言ってるの田崎先輩だけですよ。」

田崎「その言葉七瀬さんにお返しするわ。さぁ…今日もよろしくね!」

ふたば(ミヨリさんが行方不明?そもそも存在していないなんてあり得ない)

その後、他の同僚へも確認しても首を傾げこの子何言ってるんだろうのような表情をされたのだった

そして、午後になり急患が入ると病棟内も緊張が入りバタバタしている様子だ

外来の看護師より男性が入院と

市内にある窪川の川沿いから転げ落ちたそうだ

軽く頭をぶつけたが意識は晴明、右腕は骨折していた

手術予定となるらしい

岩田アオト27歳男性 職業警察官

個室へ入院となった

田崎「七瀬さん、305号室の岩田さん、入院のアナムネ取って来てくれる?」

ふたば「分かりました」

ふたば(休憩がぁ…はぁ~忙しい)

ふたば「失礼します」

岩田「はい」

ふたば「本日担当となりました。七瀬です。まず…お名前と生年月日を教えてください」

岩田「岩田アオト99年の5月8日」

ふたば「本日入院された経緯を簡単で良いので教えてくださいますか?」

岩田「まず…看護師さん!信じてくれますか?」

ふたば「はい、信じていますよ」

岩田「これは、外来の職員さんには話さ無かったんだけど…勿論医者にもね。でも、話た方が良いのかなって思って…でも信じてくれるのか分からないから…」

少し困惑している様子でふたばを見つめる」

ふたば「聴いた情報は外部には漏らさないので。遭ったことお聞かせください」

岩田「実は…非番で帰り道いつも通ら無い川沿いでジョギングしていると、川の中に入り込む女性の姿を見かけて、服を着たまま浸かっているからもしかして自殺?!だと思って咄嗟に川まで下りたんです…そしたら途中て滑って川に落ちてしまって腕と頭をぶつけてしまって…そして立ち上がって女性を探すと既に居なくて…」

ふたば「それは大変でしたね。見かけた女性はどんな感じの方でしたか?」

岩田「後ろ姿しか見て無いからよく判らなかったけど、腰が少し曲がっている様な感じで髪は縛らず肩ぐらいで白髪の方でした」

ふたば「やや高齢の女性でしょうか…」

ふたば(ミヨリさん?)ふたばはミヨリの姿を思い浮かべた。

ふたば「服装はどんな感じでしたか?」

岩田「紫のカーディガンにシルバーのスカートだったかなぁ…。看護師さん、信じてくれるの?」

ふたば(ミヨリさんが入院時に着ていた服かもしれない)

ふたばは数秒黙り込み考える…

岩田「看護師さん、聞いてます?」

ふたば「すみません、ちょっと考えてしまって…。今朝退院した患者さんの様に思えてしまって。ただ確信は無いんですが…」

岩田「あぁ、看護師さん信じてくれる人で良かった」

ふたば「私にも信じられ無い事が最近重なってあるので…」

ふたば(ミヨリさんが投身自殺…?)

ふたばは数秒黙り込む

岩田「看護師さん、聞いてます?」

ふたば「その現場は窪川のどの辺りですか?」

岩田「まさか…看護師さんその場所へ行こうと思ってるんですか?それは危険ですよ」

ふたば「何故か入院されていた患者さんの名前も記憶も私以外全員忘れてしまっていて今朝退院されたので心配で…」

岩田「それは大変だ。何故病院側は退院させたのか?そもそも入院してた患者の身元も何も無いってどういう事ですかね?」

ふたば「それが謎なんですよ…」

岩田「早速その現場へは同僚に捜索して貰っている所ですが、何か発見された物など無いと…」

ふたば「そうなんですね、心配です」

岩田「看護師さんだけだよ。信じてくれるのは。同僚達には信じて貰え無くて…看護師さんとは気が合いそうだ」

ふたば「岩田さん、女性を見かけたと言う情報は伏せておきますね。明日は手術なので日程をご説明します…」

岩田アオトが見た人物は白根ミヨリなのか。もしくは幻なのか。どちらにせよふたばには岩田アオトの言った事が幻では無く本当だと確信していた。

仕事を終えふたばは家へ帰り友希へ電話する。そしてミヨリが退院した事、川で投身自殺をしたかもしれないと言う事をこっそり友希へ話してしまった。

友希は初めてふたばに依頼した人物だという事を思い出し、驚きを隠せずにいた。

ふたばから電話があった後、友希は車から降りて家の玄関へ入る。鍵をバッグから取りだそうとしていると

ガサガサガサと音がし音がした方を振り返った。すると足を引きずる様子で向かって来る2人の影

「ゆ、きちゃん?」

声がしたが、友希は恐くなり家の中へ

すかさず鍵をかける

友希「ママー!」

八潮美雪「友希〜おかえり。どしたん。蒼い顔して」

友希「玄関前で遠くからゆきって呼ぶ声がして逃げて来たの」

(ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン)

友希「ほらほら追って来たよ〜、恐いよ〜」

八潮美雪「大丈夫、モニター越しから聞いてみるから」

八潮美雪「はいはい、どちら様ですか?」

?「は、はい、八潮真守さんの家族の方ですか?僕は皆橋と申します」

八潮美雪「はい、皆橋さん、真守は私の息子です。息子の顔を見せて下さい。真守が…どうかしたんでしょうか?」

ワタル「は、はい、真守さんを連れて来ました!見えますか?どうか、開けて貰え無いでしょうか?」

八潮美雪は玄関の上鍵を掛けたままゆっくり開ける。

八潮美雪「真守!」

友希「えっ、お兄ちゃん!」

友希は母、美雪の声を聞いて走って玄関へ

上鍵を開けドアを開けるとぐったりした真守がワタルに抱えられ現れた。

友希「お兄ちゃん、お兄ちゃん」

真守「……」

ワタル「こちらへ戻る途中に、コンビニへ寄って出た途端、途中で倒れ込み呼んでも全く反応してくれ無かったんで、コンビニから2kmの距離を歩いて来たんです。八潮さん宅へは以前真守から教えて貰っていたので来られましたが…」

八潮美雪「それはそれはありがとうございます。真守からはボランティア活動をしていると聞いていたものですから音信不通で心配でした。真守を連れて来てくださってありがとうございます。どうぞ、中にお入りください」

リビングのソファへ3人で真守を運んで行く

美雪は真守の体を触った途端熱さを感じていたが、熱を測ると40.2度もあった。

美雪「友希、真守を部屋のベッドまで連れてってあげて。氷枕作って持って行くから」

友希「はーい」

ワタル「僕も手伝います」

友希とワタルは真守を部屋へ連れて行く

友希「お兄ちゃんとはどこで会ったんですか?」

ワタル「話は長くなってしまいますが…僕は元々真守と会社の同僚だったんですが、真守は友希ちゃんの事心配してましたよ。まだ島に居て捕らわれてるのでは無いか…もしくはもっと最悪なじたいに巻き込まれてるのでは無いかと…」

友希「島…、皆橋さんは島をご存知なんですね!」

美雪が階段を上って来る

友希「この話は後で…ママとパパには話ていないから、2人には話さ無いで」

美雪「よっぽど疲れちゃったのかもしれないね。皆橋さん、真守を連れて来てくれてありがとう。今日はこちらで泊まって行ってください。客室に布団敷いておいたので…」

ワタル「お言葉に甘えたいですが、コンビニにバイクを置いて来たままなので…」

美雪「2km先にあるコンビニはエブリィマートですよね?」

ワタル「あっ、はいそうです」

美雪「主人が既に手配してるから大丈夫。主人に早速連絡がついて帰り道だったから」

友希「ママ素敵」

ワタル「何から何まですみません」

美雪「お腹空いて無い?」

ワタル「ペコペコです」

友希「友希もペコペコだぁい」

美雪「これから夕食を拵えるから待っててね」

友希「はーい、待ってまーす」

美雪「真守をそっと寝かせておいてあげてね」

友希「はーい、皆橋さん、ビール飲みますか?リビングで飲みませんか?」

ワタル「あぁ嬉しいです、ありがとうございます」

友希とワタルはリビングへ向いワタルへ缶ビールを渡した

友希「カンパーイ、って言っても私は麦茶だったり、ハハッ」

ワタル「あ〜ビール美味しいです。沁みます…久しぶりな感じです」

友希「しー、静かに話ましょう。皆橋さんは島はどうやって向かったんですか?」

ワタル「それはですね…」

ワタルは友希へ島へ渡った経緯、そして島での真守の様子、島からここまで向かった経緯を小声で友希へ説明した。

美雪「友希〜そろそろご飯よ。ほら、食器並べて」

友希「はーい」

八潮誠斗まこと「ただいまー」

友希「パパ〜おかえり」

美雪「おかえりパパ」

八潮誠斗「ただいま。あぁ、真守のお友達の…バイクは駐車場に置いてあるからね。真守を連れて来てくれてありがとう」

ワタル「あ、バイクありがとうございます。皆さんに良くして頂けて…うっうっ」

友希「皆橋さん泣かないで」

美雪「ほらほら、夕飯食べましょう。ハンバーグとポテトサラダね。ご飯も沢山おかわりしてね」

友希「ハンバーグやったー」

ワタル「頂きます…久しぶりで美味しいです。家族の団欒って幸せですね」

暫し団欒をする4人

ワタルは思わぬおもてなしを受けて終始感動していた


そんな時‥真守は2階のベッドで寝込みながらうなされていた

真守「キンザンカ…キンザンカ…釣らないと」







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