第二十八章 お誘い
阿佐田扶美子が入院してから3週間が経つ
ふたばは患者をリハビリ室へ誘導すると、扶美子がリハビリをしている姿を見かけ、咄嗟に近付く
ふたば「扶美子さん」
扶美子「あらふたばちゃん」
ふたば「中々顔出せずごめんなさい…調子はどうですか?」
扶美子「謝らないで、ふふ、ふたばちゃん、ユニフォーム似合ってるよね、花陽が毎日連絡して来るようになったの。」
ふたば「花陽さんも携帯を持ち始めたんですね。花陽さんが戻って来たってビックリしていましたが、あれからどうしたのかなって思って…」
扶美子「花陽はね毎日メールをしてくれるようになったの。鉄工所の後を継ぐ事を考えてくれてるみたいだけど身重って聞いてたから無理はしないで欲しいのよね」
ふたば「身重って花陽さん妊娠してるんですか?」
扶美子「そう、そうなの!だからね、私も寝てばかりはいられないから頑張らなくちゃっ!」
ふたば「扶美子さんお元気そうで良かったぁ」
扶美子「昨日もね、2人で面会に来てくれたのよ!会う度に花陽は私に謝ってばかり…良いのよ、大丈夫だからって何度も言ってるんだけどね…」
ふたば「後どのくらい入院なんですか?」
扶美子「速くて来週って言ってたかな…退院したらお弁当屋さんにも復帰する予定だからね!楽しみにしててね!」
ふたば「はい、扶美子さんのお弁当待ち遠しいので、楽しみに待ってますね〜」
扶美子「あっそうそう、退院して落ち着いたら友希ちゃんも誘ってパーティーしようか?」
ふたば「パーティーですか!私達が本来お祝いするもんだと思いますが…」
扶美子「良いのよ、もしふたばちゃん達に出会わ無かったら元気で居られ無かったし、花陽にも会えなかったかもしれない…お2人が花陽を連れて来てくれたような感じもしちゃうのよ」
ふたば「それはそれは…」
プルルルル〜
病院のPHSが鳴る
ふたば「扶美子さん、すみません‥仕事してるの忘れてました…戻りますね!リハビリ頑張ってくださいね!」
扶美子「ありがとう、退院したら連絡するからね!またね〜」
扶美子は微笑み手を振り続けていた
そして仕事が終わりふたばは着替えて駐車場へ
ほっとしスマホを取り出す
アオトからメールが入っていた
アオト(ラーメン食べたい)
数分前のメールであった
すかさずアオトへ電話を掛けた
ふたば「あっ、もしもし、今仕事終わった所だけどラーメン食べ行く?」
アオト「ふたばちゃん、メール見てくれたんだね!家ラーしようとね、既に準備中なんだけど」
ふたば「家ラー?暖簾立てて待っててくれるの?」
アオト「もちろん!」
ふたば「私アオ君のアパート行った事無いじゃん…」
アオト「あっ…そうだったね!来てくれる?」
ふたば「うん…行くよ!お母さんには連絡しておかなくちゃ」
アオト「そうだね!場所はねふたばちゃんの職場から5分ぐらいだし、目印はスーパーヒマワリでナビすればそこから直ぐだから、まずそこを目印にして欲しいかな」
ふたば「はーい、分かったよ〜」
アオト「着いたら連絡してね」
まさかアオトと会えるとは思ってもみなかった
ふたばは澪花へ電話をした
澪花「もしもし、お母さん今お魚焼いててね、手が離せ無いんだけど、どうしたの?」
ふたば「お母さん、今日夕飯いらないから。」
澪花「あら…そう。分かった。遅くなるの?」
ふたば「うーんどうだろ?」
澪花「まあ何かあったら直ぐ連絡しなさい」
ふたば「はーい」
ふたばは受話器を押す
ふたば(お母さんの心配症うるさいし)
そう思ったふたばであった
ふたば(ヒマワリスーパーっと)
ナビで登録する
ふたば(スーパーに立ち寄って飲み物やお菓子を買ってってあげよう。アオト君のアパートあの辺だった、んだな)
そしてスーパーに到着すると飲み物やお菓子等を購入し駐車場で電話を掛けるのであった
プップップップッ
プルルル
アオト「着いた?」
ふたば「着いてスーパーの駐車場に居るよ」
アオト「じゃ、ちょっと待っててね…」
数分後、アオトはふたばの車を見つけて向かって来る
アオト「ふたばちゃんお疲れさま、アパートの駐車場空けておいたから駐め直して」
ふたば「うん、分かった!アオ君乗って」
アオト「うん」
アオトの誘導でアパートの駐車場に入る
ふたば「スーパーから直ぐなんだね!」
アオト「ここは便利なんだよ」
ふたば「あっ、そうそう、アオ君の車何処にあるの?」
アオト「駅のパーキングに置いてあるよ」
ふたば「えっ?大丈夫なの?」
アオト「直ぐ近くだからね!さあ、2階だからついて来て」
ふたば「はーい」
アパートは2階建ての鉄筋コンクリート
3方向に階段がある作りになっており、中央の階段から上がって行く
アオト「ここね」
カードキーを通すとドアが開く
そしてアオトの後に中へ入る
ふたば「お邪魔します」
入ると直ぐキッチンがある
ふたば「既に良い匂いだね」
アオト「うん、後は麺茹でるだけだから」
ふたば「準備万端だね!あっ!買い物してたのうっかり車に忘れて来ちゃった」
アオト「そっか、何買ったの?」
ふたば「お菓子やビールとかパンかな…アオ君が食べられそうな物買ったんだけど」
アオト「ん〜、じゃあ取りに行って来るよ。鍵貸して」
ふたば「ごめ〜ん、分かった」
アオト「座ってたり、寛いでいて良いよ。そこのドア開けると部屋で向かい側はトイレね」
ふたば「了解」
ドアを開けるとシングルベットに勉強デスクがある
本棚には難しい本が並んである
そしてベットの横にはカーペットが敷いてあり、小さめのテーブルの上にはカップ麺が2個置いてある
ふたば「えっ?カップラーメン?」
アオトはお手製ラーメンと言いながらカップ麺で済まそうとしているのか…ふたばはショックに感じてしまった
ふたば「まあいっか。気にしない気にしない」
壁に掛けるタイプのテレビがある
テーブルにリモコンがあり付けた
足を伸ばす、そして背伸びをする
人の家に呼ばれるのは緊張する、何だかソワソワしてしまうがアオトが戻れば安心するだろう…
1人暮らしの空間ってこんな感じなのかな…
憧れはあるけど…何だろう無償に不安になる
でもアオ君は早い時期から1人になって
この生活にきっと慣れてるんだろうな




