第二十九章 相関図
ガチャ
ドアが開いた音に耳を傾ける
臆病なふたばはドキドキしながらゆっくりと振り向く
アオト「ただいま〜ちょっと小雨が降って来たみたい。これかな?持って来たよ〜」
ふたば「ありがと〜、うん、これだよ!雨降って来たんだ…さぁ、お腹空いた!カップ麺食べて良いの?」
アオト「あっ…!」
ふたば「ん?どうしたの?」
アオト「いや…ふたばちゃん、このカップ麺を見てなんとも思わ無かった?」
ふたば「言われて見るとえっ?カップ麺?って思ったけど…それは一瞬思っただけで」
アオト「そっかぁ…そのリアクションが見たかったけど、予想通りにはいかなかったね、ちょっと座って待ってて」
アオトはキッチンへ戻ると、棚から器を取り出し
ラーメンの準備を始める
鍋をもう一度点火すると沸騰したのを待ち麺を入れている
ふたば「ここで待ってるのも悪いから私もお手伝い出来る事あれば…あっ!砂時計」
アオト「うん、ふたばちゃんから貰った砂時計で料理をしてるんだよ」
ふたば「へぇ~ありがと〜ちゃんと使ってくれてるんだぁ」
アオト「うん、じゃあ早速冷蔵庫からチャーシューと味玉とネギを出してくれない?」
ふたば「はい、分かりました」
ふたばは冷蔵庫からタッパを取り出す
ふたば「味卵やチャーシューはお手製なの?」
アオト「そうだよ!それじゃないと手作り感沸かないでしょ?」
ふたば「へぇ~凄いじゃん」
アオト「さあ、麺が茹で上がるから、スープの素をお湯で溶かして、あっ、そこのポットね」
ふたば「はい、はい」
器に熱湯を注ぎスープの素を溶かす
そして茹で上がった麺を湯切りし器へとよそる
アオト「そしたら麺をハシで解して」
ふたば「はい」
アオト「じゃあ盛り付けるね」
アオトはチャーシュー、味玉、ネギを添えると
棚から海苔も取り出し添える
アオト「あっちゃー、シナチク忘れた〜」
ふたば「いや、充分、充分」
アオト「後はふたばちゃん座ってて」
ふたば「はーい」
ふたば「あっ、そうそう、さっきアオ君に持って来て貰ったそこのお菓子とパンはアオ君食べてね」
アオト「来てくれただけで良いのにさ、ありがと。さあさ出来たよ」
アオトはラーメンをテーブルへ運ぶ、そして割り箸と胡椒を持参する
アオト「後ね、それだけじゃ足りないからね、ご飯は食べれる?」
ふたば「うん、今日は小盛りで」
アオト「了解!」
その後すぐ器に入ったチャーシュー丼2個が運ばれた
ふたば「うわー美味しそう」
アオト「さあさ、食べましょう」
2人「頂きます」
ふたば「美味しい〜。チャーシューがスープに絡んで更に旨味が口の中に広がる〜」
アオト「味玉ラーメンに乗せちゃったけど、チャーシュー丼と一緒に食べるのが良いかも」
ふたば「分かった、味玉、避難さーせよ」
アオト「チャーシューはまだあるからおかわり出来るからね」
ふたば「沢山作ったんだね!もし私がお誘い断ってたらどうしてた?」
アオト「ん〜チャーシューは冷凍に入れる事出来るし、味玉もアレンジして食べれるからね、でも何だか来てくれると思ってたし」
ふたば「そっかぁ、願い叶ったね!!今日ね、扶美子さんに会ったよ」
アオト「えっ、やっと会えたんだ、元気だった?」
ふたば「うん、歩行練習も順調そうで退院したらパーティーしてくれるんだって!」
アオト「えっ?パーティーしてくれるの?本来は逆じゃ無い?」
ふたば「そう、私も言ったんだけど、扶美子さんはもてなし上手だから、サプライズされるよりもする方のが良いみたい。アオト君ももてなし上手だけどね」
アオト「僕も時間と暇があったらね、行きたいのは山々だけどね…今月末に試験があるんだ」
ふたば「そっかー…試験優先して。扶美子さんの退院はいつになるか分からないけど、アオ君はアオ君で頑張!」
アオト「そうそう、食べたらさ、ちょっと見て貰いたい物があるんだけど…食後のお楽しみ」
ふたば「えっ、気になるけど…そうだね、今はゆっくり食べよ」
2人は暫くゆっくり食事を楽しんだ
ふたば「美味しかったぁ〜、ご馳走様でした!私片付けるよ」
アオト「大丈夫、ゆっくりしてて」
ふたば「そうそう、ビールやデザートも買って来てるんだったぁ〜!冷やさないと美味しく無いね、失敗したぁ、」
アオト「じゃあ、冷やして後でデザート食べよう。ビールはいつでも飲めるから」
ふたば「了解」
ふたば「食器拭くの手作います」
アオト「じゃあ、よろしくお願いします」
ふたば「あれ?よくみたらこの器アウトレットで買ったやつじゃん」
アオト「うん、そうだよ!やーっと気付いた」
ふたば「ラーメンが美味し過ぎて気付かなかったよ」
アオト「あれから会って無かったからね…でも信じて。この食器は今日初めて出したから」
ふたば「信じるも何も…」
アオト「そしたらまたテレビでも観てて」
ふたば「はーい」
アオトとの共同生活に幸せを感じるふたばであった
またテレビ前に座ってみる
しかし…ニュースぐらいしか普段から観る事の無いふたばは、スマホから動画の配信ばかりを観ており、何を観て良いのか分からず…チャンネルを回し続けているのであった
アオト「観るの無いの?」
ふたば「うん…私さ、夜勤やってるでしょ?ドラマも見逃す事多いし、最近は動画配信ばかり観ちゃってて」
アオト「あっそっか〜そう言われると僕も観て無いなぁ〜。もうちょっとで洗い物終わるから待ってて」
その後アオトはデスクの引き出しからA3サイズの紙を出した
ふたば「ん?何なに?」
アオト「これね、相関図、良くドラマのキャラクターの関係図って目にする機会あると思うんだけど、ふたばちゃんの関わりのある人物を教えて貰いたいんだよね…」
ふたば「へぇ~なんだか面白いね、興味深いけど、もう結構埋まってるじゃん、それに私達が中心で恋人&婚約者なんて書いて」
アオト「えっ?僕達の関係そうじゃ無いの?悲しいなぁ」
ふたば「いや、そうじゃ無いよ!」
アオト「そっか、この関係は変わら無いから。誰か追加する人居るかな?」
ふたば「私の方は家族や友希や友希の両親ワッチさん、阿佐田扶美子さん、花陽さん、夫さん。剛角神社の神主さん、奥さん、2人の子ども、近所のおじさん…、カフェリターン」
アオト「これはふたばちゃんが話てくれたり、会わせてくれた人を書き写してみたの。所々首を傾げてるのはどうしてかな?」
ふたば「ごめん、何だか記憶がハッキリしている所とそうじゃ無いのがあってね…あっ、でもアオ君の事は分かるよ!」
アオト「そっか〜前にもそんな事言ってたかもしれないね。」
ふたば「ここに追加するとしたら、井田さん夫婦、鏡太郎さんと沙苗さんとマミカちゃんかな?」
アオト「あぁ、島で会ったって人ね、じゃあ島の人も追加しておこう。島で会ったお婆ちゃんは覚えてる?」
ふたば「うーん、それがね名前すら忘れてしまって…あっでも神主さんのお母さんって言うのは覚えてる。で、鏡太郎さんは家の隣に最近越して来たんだよね」
アオト「えっ?それは初耳!島に居た人が何故こっちに?まさかのふたばちゃん家の隣だなんて」
ふたば「それも分からないんだけど…なんとさ、鏡太郎さんには妹が居たの。それも高校時代の同級生鞠花で」
アオト「そんな奇跡な繋がりってあるんだね!って事はミヨリさんの娘って事かな?今は会って無いの?」
ふたば「アオト君には言って無いかもしれないけど…鞠花は高校時代に亡くなってしまったの…」
アオト「亡くなったって?」
ふたば「山中で遺体になって発見されたの。事件、事故の両方で警察は調べてくれたんだけどまだ未解決なんだぁ」
アオト「そうだったんだ。鏡太郎さん夫婦とは面識はあるの?」
ふたば「うん、最近家に来たり、外で話たりしてフレンドリーになってる」
アオト「その、鞠花さんの事は鏡太郎さん知ってるの?」
ふたば「うん、知ってて今度友希と鞠花の思い出話をする事になってる」
アオト「そうなんだね、友希ちゃんのお兄さんの名前真守さんって聞いたけど忘れちゃったかな?」
ふたば「友希にお兄さんが居たのって今更何だけど…忘れた〜」
アオト「ふたばちゃんが所々覚えて無いってどうしてだろう?」
ふたば「うん、私もそれが最近恐くて…もしアオト君や友希や家族の事忘れてしまったらどうしようってたまに1人で寝てると涙が溢れる事もあるんよ」
アオト「辛い時は言って。僕が守るから。2人の時間をもっと沢山築こうよ」
ふたば「う、うん、ありがと。アオ君勉強で忙しい時に考えてくれてありがとうね。大好きだよ」
アオト「僕もふたばが大好き」
ふたば「そうそう、アオ君のお部屋ってきっちりしてるよね。変な意味では無いけど…」
アオト「ん、あぁちょっとした遊び道具は叔父さん家にあるからね。最近また1人暮らしに戻ったでしょ、今は勉強って思って必要外の物は置いて来てあるんだ。あっ、ふたばに見せたい物があるんだよね…
馴れ馴れしいかな?突然ふたばって」
ふたば「えっ?そうでも無いよ。寧ろ嬉しい」
アオト「ちょっと待ってね」
アオトはドレッサーを開けて箱を抱えてふたばの元に持って来た
アオト「これね、家族写真。唯一の形見なんだけど見る?」
ふたば「うん、うんみたい」
アオト「じゃあ見せるね」
アオトはふたばに両親と写る写真を見せる
ふたば「アオ君可愛い。お父さんに似てるね、あっ、これはアオ君家?」
アオト「うん、この家が実家であって何れ2人で住もうと思ってる場所なんだけど…」
ふたば「あっ、そうなんだ。2人で住むには大きいね今度落ち着いたら連れてって」
アオト「うん、気にいってくれると良いな」
ふたば「今日は泊まっちゃおっかな」
アオト「僕は嬉しいけど、お父さん達には大丈夫?」
ふたば「うん、大丈夫、大丈夫」
その夜2人は寄り添い合って朝を迎えるのであった




