第二十七章 秘密基地
鏡太郎「では、そろそろ帰ります」
澪花「あら…もう少しゆっくり過ごしても良いのに」
沙苗「ご馳走様でした。美味しかったです」
澪花「奥さん、育児に困ったら私が話を聴くからいつでも言ってね、あっ、平日はパートで居ないけど」
沙苗「ありがとうございます」
マミカ「パァァァ」
ふたば「マミカちゃん可愛い過ぎ」
楓「うん、うん、きっと楓の様になるね、絶対」
鏡太郎夫婦とマミカを玄関まで送り出す3人
ふたば「ビックリしたぁ~でもお隣さん良い人達で良かったね〜」
楓「ねぇ~ね、寝ようと思ったけど目が覚めちゃった。休みなら何処か連れてって」
ふたば「何処か…」
楓「タイムカプセル埋めに行こうよ」
ふたば「あっ、そうだね!用意は出来てるの?」
楓「もう前から出来てるよ!ただねぇ~ねと暫く合わなかったからさ、話も出来無くて」
ふたば「どこに埋めようか?楓は目星付いてる?私はバラの木の下が良いかなって思うけど…」
楓「えっ?家の庭に?それは嫌だなぁ。だって彼氏の名前とか読まれたく無い内容を書いてるからさ…出来たら遠くが良い」
ふたば「じゃあさ、楓は覚えて無いかもしれないけど…お婆ちゃん家の後ろの田んぼの先にさ高台の山があったの覚えてない?」
楓「う〜んと小学生の時だよね……あっ思い出した!高台の山に廃工場があったよね?」
ふたば「そう、そこで小さい頃友達とよく缶蹴りやかくれんぼしてたっけ?楓とも何度もそこには行っていたけどさ」
楓「廃工場なんて不気味じゃ無い?そもそももうそこってどうなってるんだろう?」
ふたば「言葉足らずだったね、廃工場の先に木造のロッヂがあるんだけど、お婆ちゃんが建てたんだよ。野鳥を観るのが好きだったお婆ちゃんが建てたお家で
一時期叔父さんがお婆ちゃんと言い合いしてる時があって見かねたお父さんが連れてってくれたんだよね。もう10年以上その場所には行って無いけど…楓覚えて無い?夜木造の家でキャンプした事」
楓「あ〜…思い出したかも?あれって旅行先で泊まったって記憶になってたけど…お婆ちゃんのお家だったのね。お爺ちゃんじゃ無いんだ?」
ふたば「うん、お爺ちゃんは居なかったよね…そしてそこのロッヂを秘密基地だって言って私は1人でも行ってた事あったんだ」
楓「そこに埋めるの?友希ちゃんは分からない場所だに…」
ふたば「あぁ、そうよね…私と楓だけの問題じゃ無かった。皆が分かる場所の方が良いね。」
楓「うん、タイムカプセルってメンバー全員が分かる場所にしないと意味無くない?」
ふたば「そうだわね…」
澪花「何話てるの?お母さんはこれからちょっとお買い物してくるから」
ふたば「お母さん、お婆ちゃん家の裏山の高台のロッヂってさ、今はどうなってるんだろうね?」
澪花「あのロッヂは最近は使いたい人達に貸してあげてるみたいね、お姐さんが前に言ってたけど…ふたば、もしかして行こうと考えてるの?それはダメ!」
ふたば「えっ?なんで?」
澪花「お義兄さんの姿を見かけて無いし…お父さんだって言って良いなんて言わ無いよ。行きたいならお父さんに連れてって貰って」
楓「叔父さんの事と何の関係があるの?」
ふたば「そうそう、お母さん考え過ぎ」
澪花「でも2人で今から行こうなんて考え無いで!」
突然癇癪を起こす澪花にビックリする2人だった…
…
ふたば「お母さんがそこまで思い詰まって言うのなら行くのは止める。でもほとぼり冷めたら連れてってよ」
澪花「貴方達を守る為に引っ越ししたのよ。それだけは覚えといて」
澪花はバッグを持ち家から飛び出す様に出て行ってしまった。
ふたば「さあ…どうしよっか?」
楓「薔薇の木の傍で良いよ…でもはやとちりして見ようとしないでよ」
ふたば「了解!じゃあ今から作業開始〜」
3時間かけてふたばと楓は、庭の薔薇の木の傍の土を掘り出し仲間達の手紙が入った菓子缶を入れて埋め込んだ
3時間経っても澪花は買い物から帰る様子が無い
ふたばは澪花にメールを入れてみたが既読が付かない
ふたば「お母さん、大丈夫かなぁ~何処行ってるんだろ?」
楓「お友達とお買い物かな?ママもたまには息抜きしたいんじゃ無い?」
窓際でローズは2人の様子を眺めて居るのであった
楓「よし、終わったね〜!ねぇ~ねお昼食べに行こうよ!」
ふたば「うん、びっしょり汗もかいちゃったし着替えてスーパー銭湯にでも行って焼き肉でも食べよっか?」
楓「うん、銭湯で焼き肉〜!ワーイそれ良いね〜!ねぇ~様に肖らさせて頂きます」
ふたば「勿論!そうと決まればね!あっ、でもまず友希へ埋めた場所LINEしておか無くちゃ」
楓「そうして」
澪花は買い物前に勇人の姉に会いに行く事に決めていた
子ども達2人は行動に移すかもしれないと考えると気が気じゃ無かったからだ
勇人の姉は、勇人の実家より1キロも無い場所にある事前に澪花は姉に連絡する事にしたのだ
そして到着する
縁側に座って居る女性が居る
七瀬ヒロ子「澪花ちゃん、ここだよ。久しぶりだね突然どうしたの?」
澪花「お姐さんお久しぶりです。あっこちらどうぞ日が持た無いので早めに食べてください」
澪花は生菓子を渡す
ヒロ子「あら、ありがとう!冷蔵庫へ入れておくわ!さぁ家に上って上って」
澪花「はい、お言葉に甘えます。お邪魔します」
七瀬ヒロ子は勇人の姉である
夫と農家を営んでおり、息子達は成人しているが、1人は農家を嫁ぎ、1人は都会で働いている
リビングで座る様ヒロ子は声掛ける
ヒロ子「ちょっとここで座って待っててね」
澪花「はい…」
ヒロ子「澪花ちゃん…お昼食べた?」
澪花「まだ食べて無いです。お姐さんは?」
ヒロ子「そう、私もまだ食べて無いの。そうだと思ってね、澪花ちゃんが大好物な味噌田楽を作ってみたの。後トウモロコシも茹でたし食べる?」
澪花「味噌田楽ですか〜大好きです。作ってくれたのですね!嬉しいです」
ヒロ子「うん、ちょっと待っててね〜」
数分後、ヒロ子はお皿に茹で卵と大根とこんにゃくの入った味噌田楽と、トウモロコシとおにぎりをテーブルへ運ぶ
ヒロ子「さあ、いっぱい食べてね」
澪花「ありがとうございます。頂きます」
…
…
澪花「うわぁ~懐かしい味。美味しい。お姐さんの作る味噌の味が中々作れ無くて家では全く食べ無いんです。」
ヒロ子「良かった〜、澪花ちゃんから連絡来たから奮発とは言え無かったけど喜んでくれて良かった!
最近どう?ふたばは?」
澪花「好奇心旺盛ですね…特に夜遅くまで遊びに行ってるから心配で心配で…」
ヒロ子「澪花ちゃんが心配する気持は分からなくは無いよ…まあ色々とあったからね…」
〜18年前〜
ピーンポーンパンポーン
「八雲役場よりお伝えします…本日午後1時頃、七瀬利治さん、孫ふたばちゃんが八雲山中へ登ってから帰って来て居ないと八雲警察署より通報がありました。2人を見かけた方は八雲警察署0041...までご連絡下さい」
勇人「自宅待機なんて…我慢出来無い。2人を探しに行って来る!」
由恵「勇人、捜査隊の人達が探してくれてる。勇人も居なくなったら元も子もない」
澪花「私が悪いの。ふたばが山頂の雲を触りたいって言うのを止めなかったから…ふたば〜、お父さん…ごめんなさい」
早朝より七瀬利治とふたばは自宅より3キロ先に佇む八雲山への登山に向かっていた
その日は快晴で1日晴れ予報であった
夕方になっても帰ら無い2人を心配して、澪花は、勇人の勤める会社へ連絡後、警察署へ連絡したのであった
その後複数名の捜査隊が山中へと向かう
勇人も家へ帰り、探しへ向かおうとするのを
捜査隊に足止めされてしまっていた
そして17時を過ぎた所であった
プルルルルル
プルルルルル
家の電話が鳴る
由恵「はい、七瀬です…はい、はい、はい、見つかったんですね!ありがとうございます!」
勇人「見つかった!良かった!母さん、電話代わって」
澪花「良かった…」
勇人「ありがとうございます!…えっ!はい…ええ…はい…分かりました。今から向かいます」
澪花「見つかって良かった!思い詰めた顔してどうしたの?」
勇人「ふたばが足を怪我した親父を介抱していたらクマが現れたそうだ。クマから逃げる為に親父と隠れていたらしい。動け無い親父にどうしたら良いのかを悩んだ挙句ふたばは川へ向かって水を汲みへ行くとその場を離れたふたばは帰って来なくて、捜査隊が親父を見つけた後崖から転落したふたばを発見したらしい」
澪花「て、転落…ふたばは!」
勇人「今の所意識が無いらしい…澪花、病院へ行くぞ!母さんは家で待機してて」
由恵「何かあれば直ぐ連絡してよ」
勇人と澪花は車に乗り込み病院へと向かった
早速病院へ着いた2人は救急室へ
利治「勇人、澪花ちゃん、ごめんな、」
2人に気付いた利治はベットから起き上がるも、点滴をしてる為大きくは動け無い
勇人「ふたばが無事なら、それで良いよ」
隣の寝台で酸素と点滴をして眠っている様子のふたば
澪花「お義父さん、ふたばは意識が無いのでしょうか?ふたば、ふたば」
澪花はふたばに歩み寄る
腕には包帯が巻かれている
利治「山から落ちた時に怪我したらしい。擦り傷だと言っていた。骨は折れとんかって良かった。ごめんな…」
医師「本日お二人は入院となります。これから個室のお部屋へ移動となりますね。必要な物などは事務員と看護師が説明しますのでこちらでお待ち下さい」
そして、入院の手続きを終えた2人
その日の夜はふたばが目を開けるまでずっと傍で手を握りしめている澪花だった…
そして翌朝ふたばは目を覚ます
そしてクマに遭った事や山から転落した事をフラッシュバックして悲鳴をあげるのであった
ふたば「キャー!」
澪花「ふたば、お母さんはここに居るから大丈夫だよ、顔見て、」
ふたばは震えている様だ
勇人「ふたばは相当ショックだったのかもしれない」
澪花「ふたば、今はお母さん達がずっと傍に付いてるから大丈夫、大丈夫」
ヒロ子「おはよう」
澪花「お姐さん」
ヒロ子「大変だったね。お母さんから聞いた。ふたばちゃん大丈夫?」
勇人「お父さんは足を骨折してるって。手術するから暫く入院みたい。」
澪花「ふたばは脱水症状と擦り傷があるけど…これからストレスを抱えてしまう子になるかもしれないです」
ヒロ子「そう…澪花ちゃん。私の知り合いのお父さんが記憶を消してくれる先生らしいんだけど、辛い思いをふたばちゃんがこれから抱えるのは姉の私から見ても辛い…だから相談してみようか?」
澪花「それって占い師?催眠術師?」
ヒロ子「そうでは無いみたいだけど‥どうする?」
澪花「勇人…このままふたばがこの思い出を抱えてしまうのであれば…先生に頼ってみるのも良いかもしれないよね?」
勇人「姉貴、ふたばには危険は及ば無いんだよな?」
ヒロ子「うん、それは保証出来るよ。ただ私達の住む八雲町からは車で3時間の場所に先生は住んでるのよ。」
勇人「ちょっともう少し様子見てから先生に相談してみようか?ね、澪花」
澪花「うん、環境の変化で変わるかもしれない…ちょっと様子みてみよう」
……
回想はここまで
澪花「お姐さんがあの時言ってくれ無かったらきっとふたばはPTSDになっていたかもしれないです。おかげ様で今は思い出す事も無く…ですが、今日ふたばは楓と此処に来る話をしていたので来て思い出してしまったらと思うと気が気じゃ無かったんです」
ヒロ子「そうね、澪花ちゃんや勇人が子ども達を連れて戻りたく無いって気持は私達にも重々分かってる」
澪花「お義兄さんが行方不明というのは本当でしょうか?」
ヒロ子「それは、そうみたい…お母さんと2人暮らしは相性は良く無かったみたいで。お母さんの事は私と麻紀姉で何とかするから心配しないでね」
澪花「ご心配おかけして申し訳ありません」
ヒロ子「いえいえ、もしふたばちゃん達が此処に来たとしても私達はふたばちゃんの事守ってあげられるから」
澪花「はい…」




