第二十二章 ストレス対策
ふたばはアラームを設定せず、眠っていた
ガタガタガタガタ
プー、プー、プー、プーと
音が鳴り響いている
その音で目が覚める
ふたば「んっ!?今何時?煩いんだけど」
愛猫ローズがドアをガリガリしている
時計を見ると10時半になっている
ふたば「もうこんな時間」
ふたばは2階の窓から外を眺める
すると
荒野が鉄板で覆われている
家の2階から除けば中の様子が眺められる
ふたば「昨日、そういや車が停まっていたっけ?」
荒野の3分の2以上は雑草の伐採が済んでいる
そして奥の方は伐採を続ける耕起と大型ダンプが出入りしている
ふたば「トラックが出入り出来る程の道があったんだな。双眼鏡双眼鏡…」
ふたばは部屋に戻り双眼鏡を取りに行く
再び確認すると、どうやら小学校と剛角神社の間のフェンスを外し道を開通している様子だった
ローズは2階の窓の縁に立ちふたばの視界を遮る
ふたば「ふふーん、ローズが元気無いのが分かったよ。鉄板で固められたらそりゃあ行け無くなるわね」
ローズ「にゃーん」
ふたば「今更買い手が見つかったのかな?大幅工事でこんな音出されたら近所の人達も迷惑がられるだろう」
ふたばは歯磨きをして顔を洗う
リビングのソファで七瀬澪花がテレビを観ている
ふたば「お母さんおはよう」
澪花「あぁふたばおはよう。眠れたの?」
ふたば「うん…でもなんか工事が始まったの?煩くて何か出来るの?」
澪花「何だかそうみたい。あっ、そうそう、この間回覧板で資料貰ったのよ。どこにやったかな〜」
澪花「あ〜これこれ」
澪花はふたばに「NEWCITY計画始まります」という資料を見せた
澪花「買い手が見つかったらしいのよ。そこの空き地ね…気になってたけど漸く何か出来るのね…楽しみだね」
ふたば「そうだね…でもずっと煩いの?こんな音立ててたら近所の人達迷惑だよね?」
澪花「一応9時から16時までご迷惑おかけしますって書いてあるけど…後は音で不快やストレスを感じた人は無償で公共施設を利用出来ますって書いてあるわ」
ふたば「そうなんだ!お母さん、この音イライラしない?」
澪花「ん〜言われてみるとね…ずっと聞いてたら余計疲れるわね」
ふたば「だよね?じゃあさ、せっかくの休みだしその公共施設って場所へ行ってみようか?」
澪花「そうね、観て来るだけでもね〜その前にふたば、朝食食べて無いでしょ。準備してあるから食べてから行きましょ」
ふたば「うん…じゃあ頂きます」
ふたばは資料を読みながら朝食を食べ始める
よく見ると公共施設へのペット同伴可
小動物はキャリーバッグへ入れる事と書いてある
ふたば「ペット同伴可って書いてあるから、ローズも連れて行こうか。ローズだってこんな場所じゃゆっくり過ごせ無いでしょ?」
澪花「ローズ、お出かけする?」
ローズ「にゃ〜ん」
ふたば「ローズも同じ気持らしいね」
公共施設の地図が載っている。家から2キロ先の様だ
ふたば「2キロ先にあるみたい。」
澪花「楓太や楓にもLINE入れておくわ。お父さんにも」
ふたば「この音に耐えられないって気持の人達私達以外でも沢山居そうだよね?」
澪花「まあ、満車だったら仕方無い。その時は何処かでゆっくり過ごそう」
ふたば「うん、じゃあ着替えて来るね」
澪花「じゃあ、お母さんは戸締まりをしてくるわ」
ふたばは私服へ着替えるとキャリーバッグへ入れたローズを抱えながら、澪花の車の後部座席へ座り込む
澪花「玄関の鍵掛けたし洗濯物も込んでおいたわ」
ふたば「うん、私が道案内するから、お母さん言われた通りに進んでね」
澪花「はいはい」
近所は閑散としておりやはり皆外出している様だ
2キロ先は市街地となっている
向かうと直ぐ★マーク地点へ到着する
澪花「あら、ここ数年間に閉店したパチンコ屋さんね」
ふたば「あぁ、このパチンコ屋さん行った事あるよ」
澪花「ふたば、パチンコしてたの?」
ふたば「今は行か無いけど…以前はたまに行ってたよ」
澪花「あら、そう。」
ふたば「降りて見て来ようか、車も停まってるし」
澪花「そうだね」
駐車場の空きが少ないぐらい車は駐まっており、駐輪場にも沢山自転車は停まっている
外を出ると、流石に工事の音は聴こえず
行き交う車の音がするぐらい
入り口の自動ドアから入る。すると、受付の職員が2名座っていた
澪花「こんにちは」
受付の女性「こんにちは、ご利用ですか?本日はすみません。混み合っていまして‥」
澪花「そうなんですね。では、せっかくなのでちょっと見学させて頂け無いでしょうか?」
受付の女性「良いですよ、ではこちらのバッヂを持って居てください。入館証です」
澪花はバッヂを受け取る
受付から離れたソファーテーブルに座るふたば
ローズを入れたキャリーバッグも持っている
澪花がふたばの方へ戻って来る
ふたば「受付出来たの?」
澪花「うん、でも今日は混んでて施設の利用は出来無いみたい。で、入館証貰って来た」
ふたば「えっ?バッヂ?」
バッヂを見たふたば。まるで島で受け取った時のようなバッヂの様だった
澪花「今日は見学は出来るみたいよ。ちょっと見て来よう!どんな感じか」
ふたば「うん…」
受付の横に自動ドアがある。パチンコ屋さんの時はジャラジャラ音が鳴って居ただろうと思うが、全く別の印象を与えている様だ
自動ドアから入ると簡易的に作られた個室が連なっている。2畳の和室であったり、洋室の大部屋だったり
利用時の人数により席が指定される様だ
ドアには数字が書いてある
通路は割と広く、大人4人横に並んでも余裕があるぐらい
利用している人が多いのか賑わっている
数字の並ぶ部屋の先にトイレが設置されている。更に先へ進むと
自動販売機が10台並んでおり、上には大型テレビが設置されている
そして椅子やテーブルも設置されており、こちらで飲食は可能と立て看板が書いてある
分別する様にゴミ箱も置いてある
そしてまた先を行くと個室の部屋が並んでいる
突き当たりを右に周ると本が並んでいる空間がある
勿論椅子とテーブルもある
そこには管理人が居た。学校の図書室の様な雰囲気を醸し出している
ふたば「裏口の自動ドアから出てみよう」
すると、円卓のテーブルでランチをしている老夫婦、
子連れの夫婦が居る。和洋中食べられると。メニューが書いてあるが500円ランチと書いてある
澪花「ここで500円でランチが食べれるんだ。良いね」
ふたば「無料って書いてあったけど、お金は取るんだね」
食事の摂れる施設の先にはドッグラン、小動物を預かりますと書かれた場所がある
そこへ澪花とふたばは入ってみる
するとそこにも管理人が
管理人「ペットお預けでしょうか?2時間500円になります。1時間毎に200円、最大料金は2000円です」
澪花「あっ、いえいえ今日は見学に来ただけなので」
管理人「あっ、そうでしたか、またのご利用お待ちしております」
ふたば「いや、ここでもお金とるなんて」
澪花「まあまあ、実質ルーム代とトイレはただ何だからね」
再び裏口の自動ドアから中に入る
そしてまた先に進むとトイレがあり、
トレーニングルームと書いてあるジムも見られる
ジムは2時間300円と書いてある。ここで1日を過ごすにはちょっとお金がかかるよなとふたばは思っていた
ふたば「たまにだったら利用したって良いけどさ、毎日利用してたらたまったもんじゃ無く無い?」
澪花「それは人それぞれの考え方によるんじゃ無いの?」
ふたば「そうそう、建設現場に面している小学校って騒音の中でも授業あるのかな?」
澪花「小学校はね、それも広報に載っていたけど暫く中学校の一室を借りて授業するらしいよ」
ふたば「そうなんだ。登校が大変だよね。きっと」
澪花「まあ、期間中小学生用のバスが無料で運営されてるみたいだからね」
ふたば「へぇ〜そうなんだ。近所の人から苦情の話は無かったの?」
澪花「何だかね、NEWCITY計画って企画に皆賛同されてるみたいよ。使われていなかった空き地を建設するに当たって楽しみにしてる人多いみたい」
ふたば「そうなんだ」
澪花「そしたらまた右に行ってみましょう」
右へ曲がると再び個室が連なっている
部屋は50部屋あるらしい。1日限定50人と言うわけか…とふたばは考える。
連なった部屋を抜けるとまた別のテレビと自動販売機のある場所があり。そして受付へ繋がった。
澪花は受付へバッヂを返却した
受付の女性「どうでしたか?」
ふたば「飲食店やペットルームは受付しないと利用出来無いんでしょうか?」
受付の女性「レストランは受付しなくてもご利用出来ますよ。ペットルームはお預かりの定数もありますので、空いている時はご利用出来ますよ」
澪花「そうなんですね。ありがとうございます」
ふたば「工事がいつまで続くんだろうね。私夜勤明けて寝てらんないよ」
澪花「それはね…」
ふたば(アオト君に相談してみようかな)
ローズ「にゃ〜」
ふたば「あっローズがお腹空いたみたいな声してる。一旦家へ帰ろうか?」
澪花「まあそうね。さあ車に乗りましょう」
ふたば達は再び自宅へと戻った
澪花「今の時間はそこまで煩くは無いみたいね」
ふたば「ちょっと2階から覗いてみよう」
ふたばは階段を駆け上がった。そして小窓を開けて眺める
中央に穴が空いている。直径20メートルぐらいありそうだ
そして四方はコンクリートで固めている
ふたば「何だか中央に大きな穴を開けてるよ!何が出来るんだろう?」
澪花「何だろうね?温泉でも掘ってるのかしら」
ふたば「温泉が湧いて来る?あら、ローズはバラの木の下で寝てるわ」
澪花「ローズは音には余り気にして無いかもしれないわね」
ピンポーン
ピンポーン
澪花「あら、誰か来た」
澪花「はい、どちら様でしょうか?」
「あっ、はい、向かいの家に越して来る事になりましたので…挨拶に周っているのです」
澪花「そうでしたか。ちょっとお待ちくださいね」
「始めまして、今日から住む事になりました。井田と申します。生後6ヶ月の娘と3人で住みますので何卒よろしくお願いします」
澪花「七瀬です。よろしくお願いします。あら可愛い娘さんだこと」
井田「お近づきの記しでこちらをお配りしてるのでどうか受け取ってください」
有名メーカーの箱入りクッキーであった
澪花「あらあら、こんな高価な物…」
井田「ちょっと引っ越しと言う物が初めてだった物で…こんな物ですみません」
澪花「いえいえお気になさらずに。」
井田「それでは、今後ともよろしくお願いします」
階段を降りるふたば
ふたば「お隣さん引っ越して来るって?」
澪花「そうなのよ〜暫く空家だったからね。買い手が見つかって良かったね〜」
ふたば(暫くというより最近じゃ無い?ああそうか、おじさんの事忘れてるからか)
澪花「生後6ヶ月の娘さんと夫婦で3人暮らしだって、初々しい事」
ふたば「こんな工事で騒音がある中、良く越して来ようと思ったね〜」
澪花「まあそうね…私だったら赤ちゃんに落ち着いた環境でスクスク育てたいって思うけど…ふたばはもう、直ぐ深く考えるんだから。ねぇ、このクッキー頂いたのよ!皆揃ったら、お父さんにコーヒー淹れて貰って食べましょう」
ふたば「これ、超有名なやつじゃん。前に会社で頂いたけどサクサクで美味しいんだよね」
澪花「じゃあふたば、また夕飯の買い出しへ行こう」
ふたば「はい、はい分かりました〜」
ふたばの持っていたスマホからLINEが届く
気付いたふたばは直ぐ確認する
アオトからだ
アオト(ふたばちゃん、今日はゆっくり過ごせてるかな?さっき病院行ってギプス外れたよ!これでまた自由になれるよ!仕事は1週間後から復帰する事にしたから)
(それと、帰りに病院の玄関を出たら、花陽さん夫婦に出会わせたから挨拶したら、挨拶してくれた。昨夜はありがとうございましたって。面会出来て、扶美子さんの意識が戻ったんだって)
ふたば(アオト君おめでとう!良かった!自由だね!)
(そう、花陽さん夫婦が、扶美子さんの意識が戻って良かった!)
アオト(でも花陽さんの表情が冴えない感じだったから何だか心配だけどね…バスの時間が迫ってたから立ち話は出来なかった…でも今度はこっちの車でふたばちゃんのお迎えが出来るから楽しみにしてて)
ふたば(花陽さん思い詰めちゃったのかな?5年間の空白を埋めて欲しいね)
(良かった!今度はアオト君の送迎で出かけられるんだね!楽しみ)
澪花「ふたば、行くわよ!ほら、車に乗って」
ふたば「あ〜分かった分かったよ!ローズまた出かけて来るよ」
ローズ「にゃ〜ん」




