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忘れたく無い記憶  作者: 柊海音


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14/28

第十五章 ラーメンはチャーシュー多め

一泊旅行から帰宅した七瀬一家

時計は15時を回っていた

車を駐車する前にローズは簡易テントから出て来る

そして玄関で待つ

車窓からふたばはローズを確認出来た為安心した

こちらも天気には悩まされ無かった様だ。

澪花「お父さん、運転ありがとう!お疲れさま〜」

ふたば、楓、楓太「お疲れさま〜」

勇人「うん、あ~楽しかったなぁ…また行こうな」

澪花「ほら、皆洗濯物出して、洗濯するから」

ふたば、楓、楓太「はーい」

ふたばは洗濯物を洗濯機へ入れるとローズにご飯を作り外へ出てテントの片付けをし始めた

楓太「僕夕飯要らないから」

澪花「分かった、分かった、バイトでしょ?」

楓太「違うよ、旅行明けも休み貰ったしー。ラーメン祭り行って来ようと思ってね!」

楓「良いなぁ〜楓も行きたい」

澪花「楓は明日から学校でしょ?中間テスト控えてるんだから家で勉強なさい」

楓「えーっ旅行の次の日だって休みだい、ブー」

勇人「楓太気をつけてな。楓には父さん特製のあさり入りちゃんぽんでどうかな?」

楓「うん、うん!じゃあ、餃子も付けてね」

勇人「了〜解」

ふたば「テントに小さい虫が居たよ〜沢山」

楓「今日おとー特製のあさりちゃんぽんだって」

ふたば「おー、いいね〜ちょっとお姉ちゃんね」

楓の耳元で

ふたば(タイムカプセルの手紙ね)

楓(分かった。楓も書くよ)

ふたば「夕飯まで時間あるからお父さん達もゆっくり休んだら良いよ」

勇人「そうだな、休むか。ふたばは明日は?」

ふたば「夜勤だよ」

勇人「そうか‥無理するなよ」

ふたば「分かってる、部屋に行ってるね」

ふたばと楓は2階へそれぞれの部屋で過ごす

ふたば(そうそう、友希は昨夜は家に来たのかな?LINE無いし…タイムカプセルの事伝え無くちゃ)

ふたばは友希にLINEを入れた

ふたば(忙しくて出れ無いかな…まあ焦ら無くても良いか…そうだ、岩田さんから着信来てたんだった!)

岩田アオトは2日前に退院していた

退院前にアオトはふたばにどうしても連絡先を交換したいと粘り粘り続け、漸くふたばから番号を教えて貰う事に成功したのだった

ふたばが粘り強く交渉を受けたのも、ミヨリらしき人物が居たと言う河川敷にも行きたいと考えていたからでもあったのだ

ふたば(今電話掛け直したら失礼かな…?)と思いながら電話を掛ける

プルルル…

岩田アオト「もしもーし」

ふたば「はい、もしもし」

アオト「ふたばちゃん、こんにちは」

ふたば「岩田さんこんにちは」

ふたば「…」

アオト「…」

アオト「あっ、昨日の着信の事?ふたばちゃんの声が聞きたくなったんだ。今何してるんかな?仕事じゃ無ければよいなって思ったり。」

ふたば「あっそうだったんですね!昨日は家族旅行してさっき帰って来たんです。そうそう、痛みは大丈夫?」

アオト「そうだったんだね、旅行良いね。処方して貰った鎮痛薬が効いてるから大丈夫。仕事は休職にして貰ってるからね。自宅でPC作業したり、勉強したり…ふたばちゃんは今は何してるの?」

ふたば「特にですね。ちょっと今身の周辺で奇妙な事ばかり起こっていたりするんです‥」

アオト「そうなんだ。出来たらその奇妙な話を教えてくれないかな?ふたばちゃんに会いたいっていうのもあるけど…」

ふたば「私も話を聞いて欲しいです」

アオト「ここで電話で話すのもあれだし…不自由なギプス生活の僕が言うのも馴れ馴れしい話だけど僕の家まで来てくれないかな?あっ家じゃなくても良いよ」

ふたば「カットサロンスタジオ岩田でしたっけ?」

アオト「そうそう、"実家"なんだけどお店の駐車場に駐めたら叔父さんが色々と煩いからね、近所に市営運動場があるからそこの駐車場で待ち合わせでどうかな?」

ふたば「大丈夫です。今からだと4時過ぎるかな…」

アオト「ゆっくりで大丈夫だよ!気をつけて来てね」

ふたばから終了ボタンを押す

ふたば(何だろう…胸が高鳴ってる)

ナオヤとは別れて1ヶ月経つ。ナオヤは特別押しが強い訳では無い。デートもふたばから誘う事が多かった

話題も特別無く、会っても映画や漫喫に行くぐらい。ふたばの話を聴きたいって真剣になってくれる存在のアオトに出会えてふたばは心底嬉しかった

ふたばは着替えてメイクを直した

部屋から出ると楓の部屋をノックする

楓「なーに?」

ふたば「お姉ちゃん出かけて来るから」

楓「え〜良いなぁ楓も連れてって」

ふたば「大人同士の話合いがあるから」

楓「わけワカんなぁ~」

ふたば「じゃね~おやすみ〜」

そして階段を掛け下りる

階段の足音でローズはふたばに気付いて近寄る

ふたば「ローズちゃん、良い子にしてるんだよ」

ローズ「ニャ~」

ふたば「お父さん、お母さん、出かけて来る。急用!」

勇人「家でゆっくり過ごしなさいと言いたいけど・・急用かぁ~分かった。今日中には帰って来なさい」

澪花「気をつけて行きなさい」

ふたば「は~い、行って来ます」

ふたばは車を発進させた

夕方の道路はやや混んでいたが、スムーズに市営運動場の駐車場まで着いた

アオトを直ぐ見つけられた

ギプスを着けているが、格好はオシャレだ

ただ背中を向けてスマホを見ている

駐車場に車を駐めるとふたばは電話を掛けた

プルル…

アオト「もし…あぁ、ふたばちゃん」

ふたばに気付いて手を振るアオト

それを見て安心したふたばも小走りで近寄った

アオト「何だかこの間会ったのが随分前の様に感じたよ」

ふたば「もしかして…私だけじゃ無かったり?」

アオト「…ってどういう事?」

ふたば「誘い文句が慣れてる様に感じて」

アオト「そう思う?ふたばちゃんだけだよ。神に誓うよ」

ふたば「冗談です。さあどこで話ましょうか?散歩しながらでも良いですよ。」

アオト「せっかくだからさ、安路賀市でラーメン祭りがやってるんだけど・・ふたばちゃんはラーメン好きかな?」

ふたば「ラーメン大好きですよ!」

アオト「じゃあ決まり!好きなラーメン食べようぜ」

ふたば「道案内よろしくお願いします」

アオト「了〜解」

ふたばはアオトに安心感があった。心にポカンと穴が開いてしまった感があったが、アオトはそれを解消してくれたのだった

助手席にアオトは乗り込む

ふたばは緊張しながらも車を走り出した

アオト「ふたばちゃんは誕生日はいつ?」

ふたば「重要でしょうか?」

アオト「僕の個人情報は丸わかりなんだから、教えてくれたって良いでしょう?」

ふたば「8月の28です」

アオト「そうなんだね!でさ…何かあったの?奇妙な事って聞かせて欲しいんだけど…」

ふたばは、躊躇いながらも失念島へ向かった話から始めた…

アオト「うん、うん…あっここ左ね、そして真っ直ぐ…」

ふたば「ナビ入れますよ。ちょっとコンビニへ寄りますね」

アオト「それが良いね!僕が登録するよ」

その後ナビを登録しラーメン祭り会場へと到着する

ふたば「ちゃんと話聞いてました?」

アオト「聞いてたけど…ふたばちゃんの親友のお兄さんの記憶って親友さん家族は覚えてるのかな?」

ふたば「そう言われてみるとどうだろう?友希と1週間は会って無いし…LINEでも話題にはならないし…」

アオト「ゆきちゃんって言うんだね。現地点ではふたばちゃんもゆきちゃんもお兄さんの存在は消えて無いって言うのが謎だね…」

ふたば「そうですね。あっ、あそこの駐車スペースが空いてるから駐めますね!」

アオト「着いたね〜!夜だと一層混んでるね〜」

駐車場から出て200メートル先にラーメン屋台が並んで居る

辺りもすっかり暗くなっているが、ラーメン屋台の灯りで音楽が流れ賑やかである

帰る客とラーメン屋に向かう客で混雑している

アオト「逸れないように僕の手握ってて」

ふたば(付き合ってもいないのに恥ずかしい)

ふたばはアオトの服の裾を掴んで歩く

アオト「色々あるね〜ふたばちゃんは何系が良い?」

ふたば「うーん、醤油ベースでチャーシュー多めかなぁ…」

ふたば(ついつい食べたいの言ってしまった…チャーシュー多めなんて言って引かなかったかな?)

ふたばはアオトの顔色をみるが特別何も気にして居ない様だった。

ふたば「あっ、このラーメン屋さんが良い!」

ふたばは指を向ける

アオト「このラーメン屋さんはグランプリ1位だってね、混んでるけどふたばちゃんとなら何時間でも待てる」

ふたば「ねぇねぇ、受付で食券を購入するみたいだよ!彼処に受付があるね!」

アオト「そうなんだね!ふたばちゃん並んでて、僕買って来るから!」

アオトは列から一旦離れる

そして数分後戻って来た

アオト「一応5千円分購入して来たけど、足りなかったらまた買ってこれば良いし…」

食券は500円が10枚分であった

ふたば「えっ、そんなに買って来なくても間に合うよ。半分出すよ。」

アオト「いや、車も出して貰っててふたばちゃんも来てくれたしここは好きな物何でも頼んで、そのつもりだったし」

ふたば「うん…ありがとう」

ふたばはアオトの優しさに心をすっかり奪われたのだった

この列に並んでいる瞬間を遅いとも何も思えずこの瞬間の時が止まって欲しいと思える程だった

そして待ち合う客がどんどん減って行くと、店員からメニューを配られた

店員「お待たせしました。2名様ですね。ご注文お決まりでしたらどうぞ」

アオト「こってり醤油ラーメンにトッピングでチャーシュー5枚付けて下さい。後餃子5枚入り2枚と…ふたばちゃんドリンクは?」

ふたば「黒烏龍茶」

アオト「黒烏龍茶と生ビールジョッキで」

店員「4500円になります」

アオトは500円券を9枚渡した

店員「お席に着いてお待ちください。出来たらこのベルでお知らせします」

ふたばは屋台が並ぶ手前にテーブル、椅子が置いてある場所を見つけると

早速屋台から一番近い場所の席を確保したのだった

ふたば「ここに座って待ちましょう」

近くには敢えてお客さんが居ない場所を考慮したのだった。

アオト「夜だけどちょっと暑いね〜」

ふたば「ラーメン食べればもっと暑くなるけどね」

ピピピピピピピピ

ふたば「あっ、ベルが鳴ったから取りに行って来るね」

アオト「あぁ、僕が…って言いたい所だったけどごめん…」

ふたば「大丈夫」

ふたばは往復が必要だと思ったが、面倒では無かった

まず、烏龍茶とビールを運ぶ

アオト「ありがと」

そして、再び戻りチャーシューラーメンと餃子を運ぶのだった

ふたば「結構重い…気をつけよう」

?「アネキ?アネキ!!」

ふたばは振り返る

すると、さっきまで一緒にいた楓真がそこにいたのだった。

ふたば「何でふぅがここに居るの!?」

楓太「その言葉アネキにそのままお返ししたいけど」

楓太の友達「こんにちは」

ふたば「こんにちは!いつも弟がお世話になっています。では…」

楓太「アネキ、デート?誰と来てるん?」

ふたば「詮索しないでよ!」

楓太「あ~わかった、わかった楽しんでね〜」

ふたば「はーいじゃあね〜」

ふたばは少し早歩きでテーブルへ向かう

アオト「ありがとう、重かったでしょ?」

ふたば「ううん、大丈夫」

アオト「美味しそうだね、」

ふたば「さあ食べましょう」

2人「頂きます」

ふたば「スープがあっさりしてるけどチャーシューはジューシーで細麺と合うね〜餃子もタレ付け無くても普通に美味しい」

アオト「うん、うん、美味しい」

2人は暫く食事を楽しんでいた

楓太「アーネキ」

楓太が2人の所へ近づいて来た!

ふたば「何でふぅはこっちへ来るのよ!」

楓太「こんばんは、いつもアネキがお世話になっています。アネキの弟です。」

アオト「ん?あぁ!こんばんは〜まさかふたばちゃんの弟さんに会えるのは偶然というか必然なのかなぁ〜、これから仲良くしてなぁ」

ふたば「んもう!あっち行っててよ!」

アオト「あの弟くん、チケットが500円分一枚あるけど使わ無い?後、少ないけど2千円で…」

アオトは楓太にチケットの残りとお金を手渡した

ふたば「そんな事しなくて良いんですよ!」

楓太「えっ、良いんですか?すみません…とても嬉しいです。僕はアネキとの交際反対しませんよ!寧ろ応援してますので」

アオト「ありがとう!温かく見守ってくれな!」

楓太「この出会いに感謝、では楽しんで」

アオト「弟さんに会えるなんてついてるなぁ」

ふたば「ただ図々しいだけですよ!」

アオト「何だかお姉さん思いの優しそうな弟さんだね」

ふたば「そうかな?」

アオト「僕には兄弟は居なかったから…」

ふたば「そうなんだね」

アオト「僕の両親は…中学生の頃交通事故で亡くなって、叔母さんがね…僕を引き取ってくれて。僕の本籍は愛知なんだけどそこに両親のお墓があるんだよ。

叔母さん家とは僕が小さい頃から親交があって、叔母さんの子どもも男2人だからね。僕が2人の兄代わりしていたら、いつの間にか3兄弟って言われるようになってね。叔父さんも分け隔てなく育ててくれて。

3人とも親元を離れたけど今回事故を起こしてしまったからね…今は"実家"に住んでるけど・・」

ふたば「じゃあ、アオト君は他にも家があるの?」

アオト「愛知の両親の遺した家は残っているけどね。そこは愛知の叔父さんが管理してくれてて僕が住める様にって遺してくれてるんだ。後は近くにアパートがあるよ!1Kだけどね。今度ふたばちゃん遊びにおいでよ!」

ふたば「アオト君の両親の話は知らなかったよ。両親が交通事故に巻き込まれるなんて…辛かったよね…叔父さんが岩田姓だったから違和感無くて」

アオト「叔母さんの姓を貰ったから岩田なんだよ。あっ、僕の話は良いから、そうそう、もっと話を聞かせて」

ふたば「いや、アオト君の話もっと聴きたい。私どこまで話たっけ?」

アオト「どの話でも聞くから」

ラーメン祭りは20時で終了となったが、それでも2人の話は尽きず警備員が2人の前にやって来たのだった

警備員「そろそろ会場閉めますよ〜」

アオト「あっはい、失礼します」

2人は駐車場まで向かって行く…ふたばにとってアオトは好きな人に変わっていたのも間違いでは無かった

駐車場まで向かう2人はいつの間にか手を繋いで歩いていたのだった




















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