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おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

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第93話 悟空の技名

「亀之助の技名は決まったから、次は悟空の技名だな」


「ゴリ」


 悟空の技……というよりも能力は、白銀に輝く体毛を赤く耀かせる力。その状態になると、悟空は通常時からは想像できないレベルの膂力を発揮し、防御力もかなり上昇する。


「いつものあれを見せてくれないか?」


「ゴリ!」


 白銀に輝いていた体毛が、赤き耀きへと変わる。

 悟空は赤くなった体毛を自慢するかのように、ボディビルダーを想起させるポージングを取っていた。


「カッコいいな」


「カッコいいですね」


「可愛らしいね」


 悟空はカッコいいと言われたことが自信に繋がったようで、ポージングを変える頻度を速めた。

 唯一まいちゃんだけは可愛らしいと褒めていたが、悟空が気にしている様子はない。


「これが悟空の力の一つだ」


「どんな名前が良いでしょうか……」


「うーん……」


 二人とも名前を考えることに集中してしまい、部屋の中で沈黙が流れる。俺だけは、未だに自分の力を見せつけて来ている悟空の身体を褒め続けていた。

 

 そして二人は良い技名が思いついたのか、俯き気味だった顔を上げ、俺の目をまっすぐ見つめて来た。


「では私から案を出しますね。“赫鎧(かくがい)”とかどうでしょうか?」


「なるほど、赤くなっているところと能力が上昇しているところから、“赫”という字を使ったのか。じゃあまいちゃんはどんな名前を考えたんだ?」


「りりちゃんの後だと、だいぶ見劣りする名前になっちゃうけど、“灼猛”って考えてみたんだけど」


「なるほど、光り輝くに近い意味を持つ“灼”に強いイメージがある“猛”、それに音が(もう)と同じだから、体毛が赤くなるこの力に適した名前だな」


「まあね」


 二人とも良い案だ。

 少なくとも、俺のセンスだと一生思いつかないような言葉だろうな。


「……悟空はどっちがいいとかあるか?」


「ゴリ?」


 自分が呼ばれると思っていなかったのか、悟空は首を傾げながら、不思議そうな表情で、こちらを見つめて来る。


「……ゴリ!」


 悟空は凜々花とまいちゃん、二人の方を指さした。


「どういう意味だ……なるほど、そういうことか。二人の名前を合わせたものが良いってことだな?」


「ゴリ!」


 悟空が両腕を上げて、二人のことを指さした意味、それは二人の技名を合わせて使うことだった。

 つまり凜々花の考えた“赫鎧”とまいちゃんの考えた“灼猛”を、一つの技名にして、悟空の体毛を赤く耀かせる力の技名にするということだ。


「“赫鎧”と“灼猛”……」


「私のと、まいちゃんのを合わせる……」


「私のと、りりちゃんのを合わせる……」


 俺も考える必要があるため、この部屋は完全な沈黙となった。

 既に技名を付け終えているゴン太やたぬ吉、タマや亀之助といった面々は、この部屋から退出している。残っている竜馬は身体を小さく丸めて、眠そうにこちらの動きを観察していた。


 つまり俺たち三人の内の誰かが、良い感じに合わせた技名を口にしない限り、この部屋には沈黙が流れ続けるというわけだ。


「……“赫猛(かくもう)”でどうでしょうか?」


 凜々花が自信なさげに技名を口にし、恐る恐る悟空の顔を見ていた。

 釣られて俺も悟空の方に目線が移る。


 そこに居た悟空は、悩んでいるかのように、少し俯いている。顔が下に向いているため、表情を詳しく読み取ることはできないが、嫌そうにしている雰囲気は感じられない。


「……ゴリ!」


 顔を上げた悟空は、満面の笑みを浮かべながらのサムズアップを行った。つまり、悟空の体毛を赤く耀かせる技は、“赫猛(かくもう)”という技名にきまったということだ。


「じゃあ後はドラミングだな」


「ゴリ!」


 悟空のドラミングは、【十聖】のエイムズと戦った際に、タマの“線斬(せんざん)”の性質を変えるために使った技で、本来の役目は縄張りを作り出して、敵の接近を防ぐことだ。

 格下、同格までにしか通用しない技だが、同格の魔物の群れと遭遇した際には、かなり役に立つ力だろうな。


「ドラミングですよね……」


「ドラミングかぁ……」


 凜々花とまいちゃんが再び無言になる。

 そして俺は未だにポージングを続ける悟空のことを褒め続けた。


「“音張結界(おんちょうけっかい)”とか?」


「“音張結界”か……」


 まいちゃんが考えた技名は、あまりピンとこなかった。悟空も俺と同じ意見のようで、首を傾げている。


「残念」


 まいちゃんは口ではそう言っているものの、あまり残念そうではない。ダメもとで出した意見なのだろう。


「じゃあ後は頼んだよ、りりちゃん」


「は、はい。頑張ります!」


 そう言い残して、まいちゃんは部屋から出て行ってしまった。

 急に名付けをお願いされたから、もう疲れていたんだろうな。


「で、では“爆音縄張(ばくおんじょうちょう)”とかはどうでしょうか?」


「爆音と縄張りを合わせて、読み方を変えたというわけか」


「はい!」


「どうだ、悟空?」


「……」


 悟空は再び俯いた。

 沈黙が流れる部屋に、凜々花の唾を呑んだ音が響く。


「ゴリ!」


 顔を上げた悟空は、先刻と同じように満面の笑みを浮かべながらサムズアップを行う。その行動を目にして、凜々花は安心したようで、口から息が漏れていた。


「気に入ってもらえたようで、よかったです」


 あとは竜馬の技名だけだな。



次回、竜馬の技名というよりも、力が判明します


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