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おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

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第90話 タマの技

 風呂を入り終えた俺は、岡崎遠征用の準備を行い、夜ご飯を食べるためにリビングへと来ていた。


「あっ、悟さん。夜ご飯を作ったので、食べますか?」


「ああ、ちょうど何か食べたくて来たからな」


「今日は麻婆豆腐を作りました」


「おー、美味しそうだな」


 俺と凜々花は席に着き、いただきますを言ってから食べ始めた。

 口に入れた瞬間、一気に辛味が口の中に広がるが、あとから隠れた甘味が広がってきたため、辛さが後を引くことがない。


「やっぱり凜々花の料理は美味いな」


「良かったです。麻婆豆腐なんて滅多に作らないので、美味しくできるのか不安でしたけど、美味しくできていたなら良かったです」


 遅れてやって来た麗華とまいちゃんも席に座ると、四人で麻婆豆腐を存分に味わった。

 食事の時間も終わり、各々が自室に戻って行く。俺も自室へと戻ると、ゴン太たちが待ってましたと言わんばかりに近付いて来る。


「【岡崎城ダンジョン】に向けての会議をするぞ」


「コン!」


 ゴン太たちは近付いて来るのを止め、その場で礼儀正しく座る。

 かなり大きい悟空と竜馬がいて部屋がだいぶ狭く感じるが、まだ余裕はあるため、そのまま話を続ける。


「ゴン太とたぬ吉は能力に対する技名を付けているが、それ以降のタマたちには付けられていない。だから技名を付けようと思う」


「ニャン!」


 ゴン太とたぬ吉の次に古株であるタマからの鳴き声が返って来た。

 するとゴン太とたぬ吉は座るのを止め、部屋から出て行ってしまう。


「何処に行くんだ」


 ゴン太たちは俺が言葉を言い終えるより早く、部屋から出て行ってしまい、疑問だけが残ってしまった。


「……まあゴン太たちの技名は決まっているし、最悪居なくても構わないか」


 なるべく全員で決めるつもりだったが、自ら部屋から出て行ったということは、何か理由があるのだろう。


「じゃあまずはタマからだな」


「ニャン!」


「――たんですか?」


 廊下から聞こえてきたのは、困惑していそうな凜々花の声だ。

 そして部屋の扉が開かれると、そこには未だに困惑している凜々花の姿と、その腕を引っ張るゴン太とたぬ吉の姿があった。


「どうしたんだ凜々花?」


「それは私も同じ気持ちです。どうしたんですか、ゴン太くん、たぬ吉くん?」


「コン!」


「ポン!」


 ゴン太とたぬ吉はこちらに説明を求めるような鳴き声をあげる。

 どうしてこれから技名を付けることを、凜々花に説明しないといけないのか分からないが、凜々花が連れて来られた以上、説明するのは必要なことだよな。


「【岡崎城ダンジョン】踏破に向けて、タマたちの技名を付けようと思っていたんだ」


「なるほど……なら私が呼ばれたのは納得ですね」


「……どういう意味だ?」


「じゃあ考えていきましょうか!」


 なぜだろう。

 直接的な悪口なんか言われていないはずなのに、心がズキリと痛む。


 とまあ凜々花の反応で心にダメージを受けたが、彼女のネーミングセンスは、認めたくはないが俺を超えている。そのことを知っているゴン太たちは、だから凜々花を呼びに行ったんだな。

 凜々花に無視されたことは忘れ、タマたちの技名を付けることに移る。


「まずはタマからだな」


「タマちゃんと言えば、三味線ですよね」


「ニャン!」


 するとタマは三味線を、相変わらず何処から取り出したのか分からない場所から取り出した。

 そして三味線を奏でようとする。


「ちょっ!?」


 斬撃が出ると思ったであろう凜々花が止めに入るが、既に音は鳴らされた。


「あれ?」


「タマの音の斬撃は任意だ。発生させようと思わなければ、斬撃は発生しない」


「それならそうと、早く言ってくださいよ。新しい家が斬撃で刻まれちゃうって焦りましたよ!」


「前の家で初めてタマが弾き出した時は、俺も焦っていたから、同じ気持ちを味わって欲しかったんだ」


 前の家で弾いたと言っても、一、二回しか弾かせられていないけどな。タマの三味線はかなりの音が出るし、家の壁は薄かったため、家の中で弾かせてあげることはできなかった。だがこの家であれば、自由に弾かせてあげることができる。


「こうやって音楽だと思って聞いてみると、良い音ですね」


「ニャーン」


 褒められたタマがとても嬉しそうにして、三味線を弾く手を止めない。

 本人も交えて技名の話し合いを進めたかったが、これだけノリノリだと止めるのも悪いし、俺と凜々花で考えるか。


「じゃあタマの音の斬撃の技名を考えるか」


「そうですね……」


「俺は音の斬撃で慣れて来てるし、そのまま“音の斬撃”でも良いと思っているんだが、凜々花はどう思う?」


「“音の斬撃”だとちょっと味気なくないですか?」


「確かにそうかもな……」


 タマが弾く三味線の音を耳にしながら、“音の斬撃”の技名を考える。

 しかし俺の頭に思いつく名称は、どれも“音の斬撃”に勝ることはなく、凜々花頼りになってしまった。


「では“線斬(せんざん)”とかどうですか? 三味線の“線”と斬撃の“斬”で“線斬”です」


「なるほど、相手に悟られにくい技名でいいな。タマは“線斬”でいいか?」


「ニャン!」


 タマから返って来たのは肯定の鳴き声だ。

 これでタマのメインウェポンに技名を付け終わったが、他にできることはあるのか? ゴン太には“陽炎”、たぬ吉には“幸福茶”のサブウェポンとまではいかないが、特殊な効果を持つ技があったが、タマのは見たことがない。


「タマ、他にできることはあるか?」


 もしなかった場合、タマを傷付けることになってしまうかもしれないが、できることを知っておくのは必要なため、恐る恐る聞いてみた。


「にゃーん」


 何かあるみたいだ。

 タマが他の力を持っていたようで、俺は安堵していた。


 そしてタマが行ったのは、二股に分かれる尻尾を妖艶に揺らすこと。やり始めたばかりの時は、それがどんな力を有しているのか理解できなかったが、時間が経つにつれてその力の全貌が明らかになった。


「なるほど……これがタマの力か」


「にゃーん」


 一度立って考えようと、立ち上がろうとしたら、足がふらついて立つことができなかった。

 つまりタマの力は二股の尻尾を揺らしている姿を一定時間見せつけることによって、相手を軽い催眠状態にするということだ。


「解いてくれ」


「にゃ~ん?」


 タマは首を傾げている。

 つまり自分では解けず、時間経過によって解けるのを待つしかないってことか……まあ俺たちには最強のヒーラーであるまいちゃんが居るから、関係ないけどな。


「凜々花、まいちゃんを呼んできてくれ」


「はい!」


 凜々花が居なくなったため、この催眠の力に対して技名を付けるのは、後回しとなった。


「凜々花が居ない内に、亀之助と悟空、竜馬の力も知っておくか。特に竜馬に関しては何も分からないしな」


「ヒヒーン!」



次回も技名回です


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