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おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

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第88話 寝不足と寝てる人

「目の下のクマが凄いですけど、大丈夫ですか?」


「ああ、ちょっと寝れなかっただけだ」


 テントから出て直ぐ、既に起きていた凜々花に心配されてしまった。

 従魔たちに揉まれながら眠りについたため、その眠りは極端に浅く、目の下にクマができることに繋がってしまったようだ。


 それにしても、クマができるなんていつぶりだろうか。

 社畜時代はクマがない日なんてないってレベルでクマができていたが、懲戒解雇されて以降は、隈ができたのなんて凜々花が起きなくなった時くらいだから……思ったより時間は経っていなかったみたいだ。


「ああ、確かにその数は狭いですよね」


「まあ次来るときは、もっと大きなのを買って行こうと思うくらいには狭かったな」


 凜々花は、未だに俺のテントでぎゅうぎゅう詰めの状態で眠っているゴン太たちの姿を見て、クマができていることに納得したようだ。


「そうですね、きっと次も新しい従魔が増えると思うので、余裕を持って大きめなテントを買っておきましょう」


「凜々花も言うのか? そう簡単に従魔なんて増えないだろ。今までが上振れていただけで、次からはただのキャンプを楽しめるはずだ」


「……そうですね」


 凜々花から何処か諦めているような雰囲気を感じ取ったが、俺は気にせず話を進めた。


「そういえば、あの鎧ってどうだったんだろうな?」


「確かに、まいちゃんがギルドに持って行ったはずですけど、鑑定結果は聞いてませんね」


 【ジャスケダンジョン】を踏破した際に手に入れた鎧。

 踏破後の俺たちは酷く疲労していたため、比較的疲労が少なかったまいちゃんが、報告も兼ねてギルドへと持って行ってくれたはずなのだが、それ以降話題に出ていない。それどころか鎧の姿すらも見ていない。


「まいちゃんが起きたら確認しましょう」


「そうだな。無理に起こしてまで聞くようなことでもないしな」


 俺と凜々花は麗華とまいちゃんが起きるまでの間、色々なことを話し合った。

 これまでのこと、これからのこと。今まで話してこなかったようなことを、隠すことなく話し合えたから、だいぶ有意義な時間になっただろう。

 一通り話が終わった時、テントからちょうどまいちゃんが起きて来た。


「……二人とも早いねぇ」


「ちょっと、目が覚めちゃったからな」


「へぇ、二人で何してたのぉ?」


 寝起きだからか、だいぶ舌ったらずな喋り方をするな。とても可愛らしい声をしていて、まいちゃんに対してキュンとなりかけたが、今までの生活を思い出し、心が揺れ動くのを防いだ。


「【ジャスケダンジョン】の宝箱から出て来た鎧はどうなったんだろうって話をしていたんだ」


 一度凜々花の方を見る。

 彼女も分かってくれたようで、先刻の話し合いはなかったことにすることができた。まいちゃんも信用できる人間だが、隠し事なく話し合いできるほど仲を深めているわけでもないからな。


「鎧……ああ! ごめんごめん、すっかり渡すのを忘れていたよ」


 思い出した衝撃で、眠気が何処かへ行ったようで、いつも通りのまいちゃんに戻ってしまった。

 一抹の寂しさを感じつつ、同居していればまた出会えるだろうと自分を納得させて、舌ったらずなまいちゃんのことを忘れることにする。


「家に帰ったら、鑑定結果と一緒に渡すよ」


「ああ、それでどんな効果があったんだ? 麗華が苦労するほどの異常(イレギュラー)だ、相当な効果がなければ割に合わないからな」


「それは見てからのお楽しみに。でも期待を裏切らないだけの性能はあったから、安心して」


「それは良かった」


「はい、安心しました」


「……なにが安心したの?」


 テントから聞こえて来た声は、気怠さに磨きがかかった麗華のものだ。声に少し遅れて、テントから這い出てきた彼女の姿は、寝起きとは思えないほどに美しかった。


「【ジャスケダンジョン】で手に入れた鎧の性能が良かったらしくて、安心していたんだ」


「そっか……じゃあおやすみ」


「ああ、おやすみ……って寝ないでくれよ。もう少しで帰り支度を始めるんだから」


「……」


「寝るのはやッ!?」


「れいちゃんは極度の面倒くさがりだから、こうなったら当分起きないと思うよ」


「はぁ、誰かがおぶって帰るしかないのか」


 俺は凜々花の方を見る。


「わ、私は無理ですよ。麗華さんを背負うなんて、恐れ多くてできません!」


 もし凜々花に背負わせたら、その場から動けなくなりそうだな。

 ならばと思い、まいちゃんの方に視線を向ける。


「私だって無理だよ。だって三人と違ってか弱いもん」


 確かにまいちゃんは俺たちと違って、ゴリゴリの後衛。

 そんな彼女に完全に脱力している麗華をおぶらせるのは、酷な話か……ちょっと待て。そうなると、麗華を背負うのは……。


「俺が背負うってことか」


「そうしかないでしょ」


 まいちゃんはとてもいい笑顔だ。

 俺はため息を吐きつつ、キャンプ道具の片付けを始める。


「片付けは手伝ってくれよ」


「分かっているよ! だってまいちゃんを任せるんだからね!」


 麗華を背負えるんじゃないか?

 そう錯覚してしまう程、まいちゃんはとても元気だった。


「はぁ、その元気があれば、麗華をおぶれるんじゃないのか?」


「無理無理。だって私はか弱いからね」


「はぁ」


 流石に諦めた。

 片付けを終えた俺たちは、【キャンプダンジョン】を後にした。もちろん、俺は麗華を背負っているため、キャンプギアを持っているのは従魔たち……主に悟空が持ってくれている。



新たに仲間となった竜馬が一切出て来なかったことに謝罪を申し上げます。申し訳ございませんでした。


【岡崎城ダンジョン】に行けば、従魔たちは大活躍してくれるので、その機会をお待ちください。


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