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おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

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第86話 新たな出会い?

 俺たちは【キャンプダンジョン】に来ている。

 そして今までと違う点を挙げるとすると、持ってきたキャンプギアにかなりお金を掛けた。


 成金と言われるかもしれないが、俺がお金を使う所なんて衣食住と冒険者に必要な出費、あとは趣味のキャンプだけだ。キャンプを除いて、必要経費なんだから、キャンプにお金を使うことくらいは許して欲しいな。


 そんな誰に言っているのか分からない言い訳を考えつつ、キャンプ用のテントを広げていく。


「任せちゃって悪いね」


「いや、俺の趣味に付きあってもらっているんだ。この程度はやって当然だろう。それに、この過程も楽しんでいるから、気にしなくていい」


 まいちゃんたちは椅子に座り、俺の準備しているところを見ている。

 凜々花とまいちゃんは手伝ってくれようとしているが、俺が断っているため、このような状況になっている……麗華は気怠そうに椅子に座ったままだ。


「岡崎に行くなら、明智さんと会えると良いですね」


「確かに、そうだな」


 凜々花の言う明智さんとは、以前【岡崎城ダンジョン】で【ダンジョン嫌悪派】の人間に絡まれた時、圧倒的な力を見せつけて来た女性――彼女曰く両性具有らしいが、性別的には女性で合っていると思う。


「その明智さんって人は強かったんでしょ?」


「ああ、全力でぶつかれば麗華の方が強いと思うが、攻撃の一端は麗華にも届いていたはずだ……まああの時の俺たちはだいぶ弱かったから、力の物差しがズレているだけの可能性も拭い切れないけどな」


「うーん……私の知る限り、明智って名前の有名な冒険者は居なかったと思うんだけどなぁ」


 まいちゃんは顎に人差し指を当て、考えるような素振りを見せる。

 冒険者知識がかなり豊富なまいちゃんでも知らないとなると、やっぱり明智さんは無名の冒険者、もしくは冒険者になったばかりの初心者だったのか。


 明智といえば、マッサージだよな。

 何故だかケツを集中的に揉まれて、変な癖に目覚めそうになったのが、懐かしい思い出だ。


「よし、テントはこれでいいな」


 建てたテントは計三つ。

 俺用と凜々花用、そしてまいちゃんと麗華が二人で使う二人用のテントだ。

 普通のキャンプ場だと、場所を取り過ぎて申し訳ない気持ちが湧いて来るが、ここはキャンプに適しているとはいえ、ダンジョン。他のキャンパーの姿はなく、実質俺たちの貸し切りであるため、そんな申し訳ない気持ちを抱く必要はない。


「じゃあ焚き火を作るから、夜ご飯の準備を頼む」


「はい!」


 食事に関しては、全面的に凜々花の担当となっている。別に俺が料理を苦手としている訳ではなく、ただ単純に凜々花の料理が美味しいというだけだ。


「りりちゃん、手伝おうか?」


「い、いえ大丈夫です!!」


「そう?」


 まいちゃんの言葉に対し、凜々花は食い気味に断った。

 それは、まいちゃんが暗黒物質の生成者であることに起因する。以前、まいちゃんが料理を担当した時、それは見事な暗黒物質を作り上げていた。その日以降、俺と凜々花の間には、まいちゃんをキッチンには立たせてはいけないという暗黙の了解が作られた。


 麗華は基本的な料理であれば作ることができるが、彼女自身が面倒くささから作ろうとしないため、基本的に凜々花が料理を担当することとなった。


「今日は何を作るんだ?」


「良いニンジンが手に入ったので、焼きニンジンでも作ろうかなと思っています」


「美味しそうだな」


 俺は焼きニンジンという料理を食べたことがないが、凜々花が作るのだから、美味しい料理なのだろう。


「麗華さん、火力の調節をお願いしてもいいですか?」


「……うん、わかった」


 凜々花が麗華を呼んだのは、ダンジョン異常(イレギュラー)であるポイズンドレイクの討伐で麗華が新たに手に入れた、温度を操るスキルを必要としたからだ。

 ガスやIHとは違い、焚火の火は細かい調節が難しいため、完璧な火加減を手に入れるためには、麗華の力が最適だった。


 そんな二人の共同作業を見ながら、少し離れたところに居るまいちゃんの隣に腰を下ろす。


「ねえ悟くん、今日も従魔にする魔物が出て来ると思う?」


「流石に出てこないだろ。今のところ、このダンジョンに来た五回の内、その全てで出て来ているんだ。六回連続で出て来るなんて、どんな確率しているんだよ」


「……その発言が、魔物を呼んでいるんじゃない?」


「そんなわけないだろ。物語の主人公って訳でもないんだからな」


「……まあいいや。私はれいちゃんと楽しい人生を送れたら、それで十分だし」


 そう言い残し、まいちゃんは凜々花たちの下へと駆け寄って行った。

 残された俺の中で、彼女の言葉が反芻(はんすう)していた。


「楽しい人生か……今の俺はそんな人生を送れているんだろうか……」


 会社を懲戒解雇されて以降の人生を思い出そうとしていたその時、草むらが揺れた。


「……ゴブリンか?」


 この【キャンプダンジョン】に生息しているのは、ゴブリンのみ。それも生息数が極端に少なく、滅多に接敵することはない。

 稀にゴン太たちのような魔物が湧くが、俺が従魔にした魔物以外は発見されていない。


 ここのゴブリンは弱いため、そこまで警戒する必要はないが、ダンジョン異常(イレギュラー)に襲われたばかりなため、過剰なまでに警戒心を強めた。

 俺は剣を構え、草むらから魔物が飛び出してくるのを待つ。


「お前は――」


 草むらから飛び出してきたのは、ゴブリンではなく――。



新たな従魔か!?

どんな従魔か予想してみてください


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