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おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

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第84話 自室での攻防

 【ジャスケダンジョン】踏破から一週間の時が経ち、ようやく新居への引っ越しを行えた。


「一週間ぶりに来たが、ようやく住めるのか」


「悟くんはそんなに私たちと住みたかったのか?」


 まいちゃんが揶揄うように言ってくるが、今の俺にはその揶揄いも通じない。この一週間で、まいちゃんたち女性陣との同居を行う覚悟は決めてある。


「こんなに従魔が増えたのに、部屋は変わらずだったから、日常がきついんだよ」


 俺は後ろを見る。

 そこには狐にしては大きめなゴン太、狸と殆ど変わらないが急須を背負っていることで場所を取るたぬ吉、体格は一般的な猫と変わらないがたまに三味線を弾くタマ、普通にデカい亀之助、そしてゴリラの悟空……これが住んでいるんだ、狭いに決まっているよな。


「まあ、今日からは広い部屋だから、安心してくれ」


「ああ、そうだな!」


「一回見ているとはいえ、新居は楽しみですね」


 凜々花の反応が可愛らしいな。

 まいちゃんの揶揄いを聞いた後だからかもしれないが、凜々花は純粋で可愛らしい……本当に出会った頃の凜々花は何だったんだろうな?


「……早く入ろ」


「……ああ、そうだな」


 麗華はいつも通りテンション低めだ。

 まあ彼女の言う通りではあるため、促されるがままに扉を開けた。


「ここが俺たちの新居……まずは荷解きから始めるか」


 各々が事前に選んでいた部屋に入っていき、俺も従魔たちを連れて部屋に入った……?


「ゴン太たちも専用の部屋があるんだぞ?」


「くーん?」


「そんな犬みたいな鳴き声を上げても……」


「くーん」


 ゴン太が目をウルウルさせながら、こちらを見つめて来る。

 

 いくら豪邸と言っても、一部屋一部屋のサイズに限度はある。当然、ゴン太たち従魔全員が過ごしていくにはとてもじゃないが狭く、引っ越しした意味がなくなってしまう……とまでは言わないが、一緒の部屋でずっと過ごすのは厳しい。


 そんなわけで、心を鬼にして断らなければならない。


「そこまで規格外に部屋が広いわけでもないんだから、自分たちの部屋に行きなさい」


「くーん」


「俺は折れないぞ」


 俺がゴン太に弱いと分かっているのだろう。他の従魔たちは一切口を挟んでこない。

 これは俺とゴン太の真剣勝負。一歩でも退けば、相手に有利な条件で今後を過ごすことになってしまう……退かずに押し通る!


「……」


「くーん」


「……」


「くーん」


 ゴン太と見つめ合ってから、数分の時が経った。

 真剣勝負であるが故に、どの程度時間が経ったのか詳しくは分からないが、数分は経っているはずだ。


 中々ゴン太が折れてくれず、逆に俺の決意が折れてしまいそうになっている。ゴン太の力に人の心を揺らすタイプのものはなかったはずだが……ゴン太本人も気付いていないだけで、身体に眠っていた可能性は否定し切れない……それでも折れるつもりはないがな。


 無言を貫き、瞳をウルウルとさせながら、儚げな鳴き声を上げるゴン太のことを見つめ続けた。


「……」


「……」


 遂にゴン太も無言になった。


 勝ったな。


 フラグが建ってしまった気もするが、ここまで追い詰めてから逆転されることなんてないだろう。


「入るよ……って何してんの?」


「まいちゃん、ノックと一緒に扉を開けたら意味ないって」


「ごめん、ごめん。それで、荷解きもせずに何してんの?」


「ゴン太たちが自分の部屋に行かず、俺の部屋に残ろうとしているから、何とか自分たちの部屋に行って貰おうと、無言の戦いをしてた」


「なにそれ……まあいいや。私たち、お風呂に入ってくるから、それを伝えたかっただけ」


 まいちゃんは呆れた様子で、風呂場の方を指さしながら言った。


「分かった。風呂場には近付かないようにする」


「伝えておいたから、もし何か起こっても、ただのラッキースケベだとは思わず、悟くんにそういう意思があったと思っておくから」


「何も起こらないって」


「別に私たちの中に気にする人は居ないと思うし、お風呂に入りたくなったら、自由に入っていいよ」


 まいちゃんは俺の心を揺さぶる言葉を残し、部屋から去って行った。


「……いや、駄目だろ!」


 一度深呼吸を行い、冷静になってから考えてみたが、自由にと言われても、本当に自由にしていたら世界は回らない。

 特に日本では本音と建前を考えて動いて行かなければ、社会の荒波を進むことはできない……社畜時代に学んだことだ。


「って、ゴン太たちがゆったりしてる!?」


 俺がまいちゃんと話している間に、ゴン太たちは俺の部屋を自室であるかのようにゴロゴロと寝っ転がっていた。

 もうこうなってしまえば、俺の力で動かすことは不可能。ゴン太たちが自分の意思で部屋に行ってくれるように、何か策を考える必要があるな。


「今日のところは諦めるが、いつかは自分の部屋に行ってもらうぞ!」


「コン!」


 いい返事だな、おい。

 はぁ、随分と遅れてしまったが、荷解きを始めるか。


                ◇◇◇◇◇


「ふぅ、持ってきた荷物が少ないとはいえ、疲れるもんだな」


 俺はそこそこの時間を掛けて、荷解きを終えた。

 服を仕舞ったりする際に、身体を動かしていたため、じんわりと汗をかいたため、服が張り付いて気持ち悪い。


「……風呂に入るか」


「……」


「ゴン太、どうした?」


「コン」


 ゴン太がこちらを見つめてきたため、何かあったかと聞いてみたが、首を横に振っているので、スルーして風呂場へと向かった。



もう少し新居回が続きます。

そしてまいちゃんたちは風呂を終えているのでしょうか!


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