表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/97

第70話 ポイズンドレイク

 予想に過ぎないが、俺の剣ではポイズンドレイクにダメージを与えることができないと思う。

 だからシンクロによる攻撃で、ダメージを与えることが、俺にできる最適解のはずだ。


「“狐火”」


 掌をポイズンドレイクへと向けた。今の奴は悟空に狙いを定めて、尻尾を振り上げている。


 俺の“狐火”では、ポイズンドレイクに対したダメージを与えることができないだろうが、ポイズンドレイクの気を引くくらいはできるはずだ。


 弾丸ほどの速度で放たれた“狐火”が、ポイズンドレイクの横腹を捉える。

 “狐火”は着弾したものの、強固な鱗に拒まれて火傷すら負わせることができなかったが、目論見通り気を引くことができた。


「ゴン太!」


「コン!」


 本家“狐火”が放たれる。

 やはりゴン太の“狐火”は、俺のに比べると桁違いに高威力だ。


 俺のを見て“狐火”のことを舐めていたポイズンドレイクは、ゴン太の狐火を前にしても、一切避ける動作を見せず、見下したような表情をしながら身体で受ける。


 結果、鱗の一部が焼け焦げ、ヒビが入れることができた。


「亀之助!!」


「カメ!」


 俺の声に合わせて、亀之助は口を開く。

 そこで生み出されるのは、水の塊。

 たぬ吉の湧沸とは違い、放った後の自由度はないに等しいが、威力は圧倒的にこちらの方が高くなっている。


 ポイズンドレイクの巨体相手ならば、亀之助の攻撃の方が適しているだろう。


 そんな俺の考えは当たっていたようで、亀之助の水の塊はゴン太によって脆くさせた場所に着弾し、完全に鱗を剥がし切った。


「たぬ吉、タマ!」


「ポン!」


「ニャン!」


 ポイズンドレイクの鱗が剥がれた場所を狙い、“湧沸”と音の斬撃が着弾する。


 しかしなんとも妙だな。

 強力な魔物であるはずのポイズンドレイクが、俺たちの攻撃を避けずに、受け続けている。


 ――っっっそうか、そうだったのかよ。


「全員、退け!!」


 聞きたいことはあるだろうが、今は身体を動かしてくれ。


 そんな俺の願いは届いたようで、凜々花たちは一斉にポイズンドレイクから距離を取った。


「流石に介入する」


 一斉に退く俺たちと対照的に、麗華は一気に前に出た。

 刹那、俺たちとポイズンドレイクとの間に、巨大な壁ができあがる。


「……物語とかだと、ここで『麗華ぁぁ!!』とか叫ぶんだろうが、麗華にその心配は失礼まであるよな」


「まあドレイク程度に後れを取るれいちゃんじゃないからね」


 壁の中からは爆発音が聞こえて来る。

 その音の発生源は、ポイズンドレイクの口から吐き出された息吹(ブレス)。俺たちの攻撃を受け続けている間、溜め続けていた超高威力の息吹(ブレス)だ。


 俺たちが喰らえば、跡形もなく消し飛んでいた。毒とか、そんなことを気にする暇もなく、消し炭となっていた……それほどまでに強力な息吹(ブレス)を、氷の壁は受けきっている。やはり麗華の力は規格外だな。


 数秒が経ち、爆発音も聞こえなくなった。溜めたエネルギーを吐き切ったのか、それとも麗華によって倒されたのか……どちらにしても、結局俺たちは麗華に救われたということだけは変わらない。


「溶けるよ」


 まいちゃんに言われて、意識が氷の壁に向く。

 自然現象では説明のつかない速度で、氷の壁が上部から溶けていった。


 壁の先、麗華とポイズンドレイクが居た場所に広がる光景は、氷の鎖によって全身をガチガチに固められているポイズンドレイクと、それに背中を向けながら、こちらを向いている麗華の姿があった。


「トドメは刺してないよ」


「やっぱり麗華はすごいな」


 強い魔物であるはずのポイズンドレイクを、殺すことなく身動きの取れない状況にできるのは、圧倒的格上である麗華だからこそできることだろう。


 俺たちは氷の壁によって作り出された凍える大地に足を踏み入れる。一歩踏み出した瞬間、身体が芯まで冷える冷気が襲い掛かってきた。


「寒っ」


「コン」


「ありがとな」


 ゴン太が“狐火”を出してくれたおかげで、ある程度寒さは緩和される。

 しかしずっとこの場に居れば、芯まで冷え切ってしまうのは分かり切っているため、できるだけ時間を掛けずに終わらせる必要があるだろう。


「凜々花」


「どうしました?」


「【長谷部】を貸してくれないか?」


「分かりました」


 俺は凜々花から【長谷部】を受け取った。

 そして【シンクロ】を発動させる。


「ふぅ……」


 この場にいる全員の視線が俺に集まる。

 使用するのは、ゴン太の炎の力。


 俺は【シンクロ】を使用した状態で、【長谷部】を振り抜いた。

 長谷部を振り抜き、飛ぶ斬撃を発生させた際、通常時は不可視の斬撃となるが、俺が【シンクロ】を使用した状態で放つと、違うものになる。


 発生した斬撃はゴン太の炎を帯び、俺たちの目には三日月状の炎として映る。

 斬撃は、身動きの取れないポイズンドレイクの首を捉え、斬り落とした。


「はぁはぁ」


 やはりこの攻撃は体力の消耗が激しいな。

 俺は【長谷部】を杖に、膝をついてしまう。


 心配してくれた凜々花とまいちゃんが駆け寄って来てくれるが、感謝を口にする体力すら残っていないみたいだ。


「スキルと宝箱は後で?」


 そうだ、異常(イレギュラー)の魔物を討伐したら、スキルを手に入れられるんだ……。


 暗転しそうな意識を何とか保ち、新たに手に入るであろうスキルを待った。


「――」


 俺が新たに手に入れたスキルは――



次回、新たなスキルが明らかに!


ブックマークと★★★★★をお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ