表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/97

第68話 【ジャスケダンジョン・四階層】

同じ話を投稿していたので、差し替えました。

 四階層に広がるのは、何もないにもかかわらず終わりの見えない平野。このダンジョンには地平線という概念があるらしく、五階層へと続く階段は発見できない。


「なあ」


「言いたいことは分かっていますよ。大量の魔物が接近してきています」


「だよな……一点突破で進むぞ!!」


 見通しが良いのは、奇襲をかけられる心配が減るという明確なメリットがあるが、【気配察知】持ちの凜々花が居る俺たちには特段メリットとは言えず、俺たちにとっては魔物に発見されやすいというデメリットしか享受することができない。


 迫り来る魔物の大群に対し、俺たちはとにかく進む。

 階段のある場所は分からないが、ずっと進み続ければ見つけられるだろう……そんな安易な考えの下で走ることを選んだ。


「はぁはぁ、どんだけ追いかけて来るんだよ」


 ふと振り返ってみると、そこには大量の魔物が列をなして、俺たちの背中を追っていた。


 集まっている大量のファングボア。

 鋭い牙を光らせている猪をモチーフにしているであろう魔物たちは、俺たちのことしか見えていないらしく、俺たちが避けて通った細い樹木をなぎ倒しながら、追って来ている。


 あと数十秒もすれば、足が遅くて最後尾を走っている亀之助に追いついてしまうだろう。未だ階段を探し出せていないため、ファングボアのことを迎え撃たなければならない。


「悟空、前衛を頼むぞ!」


「ゴリ!」

 

 悟空が最後尾に移動した。

 それに合わせて、俺たちも振り向き、未だ走り続けるファングボアに向き合う。


「来るぞ!」


「ゴリっ!」


 戦闘を走っていたファングボアと悟空がぶつかり合った。

 悟空は体毛を赤く耀かせながら、ファングボアの巨体を受け止めているが、群れと化しているファングボアの勢いを消し切ることはできなかったようだ。


「くっ、凜々花!」


「はい!」


 凜々花と俺が前に出て、残っているファングボアに攻撃を仕掛ける。

 【長谷部】による斬撃は、【剣術】スキルも相まって、一撃でファングボアを討伐できていたが、俺の斬撃では倒し切ることができなかった。


「クソっ」


 ファングボアの鼻によって突き上げられ、後衛に位置する麗華やまいちゃんの下へと吹き飛ばされてしまった。

 何とか二人にぶつかることは避けられたが、無理に身体を捻ってしまったことで、背中に激しい痛みが走る。


「――」


「私たちのことなんて、気にしなくてもよかったのに」


 地面に伏す俺の下に、日本最強のヒーラーであろうまいちゃんが近付いて来る。

 そして痛みの走る背中に手をかざされると、一瞬にして痛みが引いた。それどころか年齢によって感じていた身体の痛みすらも消えている。


「これが聖女の力か……」


「この程度の傷で、私の力を知った気になられても困るけど……まあ聖女の名に恥じない力は持っているから、安心して魔物と対峙していいよ」


「そうだな」


 もちろん麗華という最強の冒険者が齎す安心感は、かなり心強かったが、聖女と呼ばれる最強のヒーラーが帯同している安心感は、桁違いで心強い。


 再び俺は前線に出る。

 そこでは悟空と凜々花が、何とかファングボアの猛攻に耐え続けていた。自分だけの力では邪魔になるだけだと思い、【シンクロ】を使いながら、ファングボアの群れへと突っ込んだ。


「赤い……」


 背中から麗華の呟きが聞こえてきたが、今の俺に気にしていられる余裕はない。

 俺は【シンクロ】を使うことによって上昇している膂力に任せ、剣を振り抜いた。先刻はダメージを与えるだけに留まった斬撃だが、今回は一撃でファングボアを魔石に変える。


「ゴン太、たぬ吉、タマ、亀之助! 攻撃しろ!!」


 それぞれの鳴き声が聞こえて来ると同時に、ゴン太たちによる遠距離攻撃がファングボアの群れを襲う。魔石に変わるまで続く波状攻撃。当然、全てのファングボアは魔石へと変わった。


「やっぱり【シンクロ】は消耗が激しいな」


 戦闘が終わったことが分かると、あまりの疲労に座り込んでしまう。


 本音を言えば、ゆっくりと呼吸を整えて、万全な状態に戻したいのだが、見通しが良くて直ぐに魔物に見つかってしまう環境である以上、同じ場所に留まり続けるのは避けるべきだよな。


「髪の毛が赤く光っていたけど、悟空くんの力を借りたってこと?」


「ああ、俺の予想通り、悟空の能力を使うと身体能力が向上した……まあ疲労感がヤバすぎて、滅多に使いたくないけどな」


「良いと思う。疲労が強すぎるなら、奥の手として隠しておくべき」


「麗華の言う通り、滅多なことがない限り、使うつもりはない」


 一通り話し合いを終え、別の魔物から気付かれない内に、移動を再開した。

 それまで中々階段を発見できなかったため、かなりの時間を要するかと思われたが、ファングボアとの戦闘を終えてから数分後には発見することができた。


「もう少し早く見つけられれば、戦闘せずに済んだのにね」


「……いや、まだ余裕があった、この階層で悟空の力を試せたのは僥倖だ」


「まあ一理あるかもね」


 若干の不満を感じていそうなまいちゃんを諫めつつ、俺たちは五階層に繋がる階段を降りた。



まだまだ【ジャスケダンジョン】が続きます


ブックマークと★★★★★をお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ