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おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

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第67話 従魔たちの活躍

 【ジャスケダンジョン・二階層】で主に接敵する魔物は、猿がモチーフになっているであろう“フォレストエイプ”だ。

 

「来ます」


 凜々花の【気配察知】に引っ掛かり、木々の影に隠れた“フォレストエイプ”たちの奇襲を事前に気付くことができた。


「悟空、前衛を頼む」


「ゴリ」


 俺の言葉に従い、悟空が一歩前に出る。

 それと同時に“フォレストエイプ”による投石が始まった。


「ゴリ!」


 悟空は腕をクロスにし、投石を受ける構えを取った。

 その際、悟空の白銀の体毛は赤く耀き、投石程度では傷一つ付かない強靭さを持つ。


「凜々花!」


 一連の投石が終わり、フォレストエイプたちに一瞬の隙が生まれる。

 そこへ凜々花による【長谷部】の飛ぶ斬撃が炸裂した。【剣術】スキル持ちによる斬撃は、スキルを持たない俺が放った時よりも高威力になる。

 それは以前の探索からも分かっていたことだが、彼女の斬撃は、一撃でフォレストエイプの身体を切断した。


「ゴン太!」


「コン!」


 “狐火”が放たれた。

 温もりを感じる炎は、“フォレストエイプ”の下へと弾丸が如く速度で迫る。着弾と共に小さな爆発が起こり、俺たちの視線からフォレストエイプの姿を隠した。


「どうだ凜々花?」


「気配が消えたので、倒せたと思います」


「そうか」


 念のため、煙が晴れるまでその場で待ったが、凜々花の予想通りフォレストエイプたちは魔石に変わっていた。

 もう一度凜々花に確認を取ってから、魔石を取りに行く。そして無事に魔石を回収出来たら、三階層へと続く階段を目指して二階層を進んだ。


「それにしても、りりちゃんの【気配察知】は良いスキルだよね」


 りりちゃん……まいちゃんが凜々花に対して付けたあだ名だ。

 最初の内は聖女からりりちゃんと親しく呼ばれることに対し、恐れ多く感じているようであった凜々花だったが、呼ばれている内に慣れて来たらしく、今ではりりちゃんと呼ばれることを受け入れている。


 そしてまいちゃんの言う通り、凜々花の【気配察知】は強力なスキルだ。

 基本的に魔物からの奇襲を防ぎ、相手の大まかな数も事前に知ることができる。

 以前、俺たちを襲ってきたような隠密系のスキルを持った相手には機能しないが、それでも有用なスキルであることに変わりはない。


「だいぶ助けられているよ」


「来ます」


「行くぞ――」


 その後もフォレストエイプとの戦闘を重ね、ある程度の消耗を受け入れつつ、三階層へと続く階段へと辿り着けた。


「ふぅ、やっぱり消耗は避けられないか」


「疲れるなら、私が代わろうか?」


「いや、麗華には頼らないよ。ここで頼っていたら、もっと難しいダンジョンに挑めるわけないからな」


「そう……じゃあ頑張って」


 三階層へと降りる。

 ここは襲撃を受けた嫌な記憶が残っているが、生息しているヒトダマはそこまで苦戦する相手ではなかったはずだ。


「近くに居ます」


「いきなりか……あそこか」


 木々によって陽光が遮られ、わずかに漏れて入ってくる光のみという真っ暗な空間に、僅かな輝きが見える。

 それはヒトダマが放っている輝きであり、俺たちにとってメリットとなる光だ。


「たぬ吉、“湧沸”を頼めるか?」


「ポン!」


 背中の急須から湧き出た熱湯が、離れたところで光るヒトダマの輝きへと、宙をうねりながら進む。

 速度にしては“狐火”に大きく劣っているが、自由度に限ればトップクラスに良い。それが今回の攻撃にも顕著に現れている。


「――へぇ、追尾型の攻撃なんだ」


「追尾というよりも、たぬ吉の急須から絶えず湧き続けているから、その状態が続く限り、たぬ吉の意思の下で操ることができる」


「敵にしたら、面倒くさそうな攻撃だ」


 まいちゃんが褒めたように、たぬ吉の“湧沸”は逃げるヒトダマの背中を追って、進み続けていた。

 やがて距離は詰まり、ヒトダマの身体を“湧沸”が貫いた。


「良い攻撃だったぞ」


「ポン!」


 たぬ吉の頭を撫でる。

 いいモフモフ加減に、ずっと撫でていたくなるが、ここはダンジョンであると思い出して、止めようとした。

 たぬ吉が「止めないで」と目を潤ませて見つめてきて、一瞬にして決心が折れそうになったが、なんとか心を鬼にして止めることができた。


「……進むぞ」


 僅かな光を頼りに、真っ暗闇のダンジョンを進んで行く。

 二階層までと違い、かなり高頻度で魔物とのエンカウントが起きていたが、俺たちにとって相性のいいヒトダマばかりだったため、あまり消耗せずに進むことができた。


「はぁはぁ、ようやく四階層へと進む階段まで来れた」


「はぁはぁ、一回一回は余裕ですけど、数が多いと疲労が溜まりますね」


 あまり消耗せずと言っても、数が多すぎたため消耗はしている。

 暗く、足元が悪いというのも原因なんだろうが、やはり十階層以上のダンジョンは一筋縄ではいかないな。


「……ここからは初めての領域だ。気を引き締めていくぞ」


「はい!」


 凜々花に続き、従魔たちも元気な返事をした。

 麗華とまいちゃんだけは余裕そうにしているが、気にしてはダメだ。彼女たちは日本最強と日本の聖女……俺たちとは経験が違いすぎる。


「ここが四階層か……」


 四階層に広がるのは――



次回からも【ジャスケダンジョン】が続きます


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