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おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

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第65話 引っ越し

「だいぶ大所帯となったから、新しい部屋を借ります」


「「「おー」」」


 俺の狭い部屋の中でパチパチという拍手の音が響き渡る。

 眠りから回復した凜々花、新たに仲間となった麗華とまいちゃん。そして常駐的に部屋の中にいるゴン太、たぬ吉、タマ、亀之助、そして新たにテイムしたゴリラに似た魔物の悟空……とにかく狭い。


「でもお金は大丈夫ですか?」


「ああ、北海道でのスタンピードでだいぶお金を貰えたから、広めの部屋を借りられるだけの余裕ができた」


「なるほど、それは良かったです」


「私も払おうか?」


「麗華は規格外のお金持ちだと思うが、頼るのは違うと思うからな」


 麗華を頼れば、これから他の従魔が増えても余裕のある家に住めるだろうが、それは俺のプライドが許さない……本音を言えば頼りたいんだけど、流石にダメだろうな。


「でも私も住むし、流石に払うよ」


「……はっ?」


 聞き捨てならない言葉が聞こえて来た。

 わたしもすむ? 俺の知らない言語なのだろうか……いや、現実逃避は止めよう。


「麗華なら、関東にも住む場所があるだろ」


「確かにいくつか別荘があるけど、同じパーティーになるのなら、一緒に住んだ方が効率的だと思う」


「効率的なのかもしれないが、流石にいい歳した男女が同居ってのはダメだろ」


「なんで?」


「なんでって……なんでだろう?」


 確かにどうしてダメなのかと問われたら、俺の中に答えは存在していない。それが常識だからという説明しかできず、それで麗華に反論するには、少し理由が弱すぎる。


「じゃあ私も払うから、広めに家に住もうね」


「……はい」


「れいちゃんが住むのなら、監視って意味で私も住むから」


「はっ?」


「な、なら私も!」


 もう疲れた。

 疲労で頭が回らず、凜々花たちにう連れられるがまま、不動産に来てしまった。


「もっと従魔が増えるとなると……」


「これくらい……」


「れいちゃん、流石に広すぎるよ……」


 キャッキャッと部屋選びを楽しんでいる凜々花たちの後ろで、俺は背後霊が如き気配の薄さで見守ることになった。


「でも、きっと従魔はもっと増えるよ。それに人間のメンバーだって」


「……それは否定できないですね」


「なるほど……ならこれくらいなら」


 楽しそうだなぁ。

 流石に多くなり過ぎたから、家で留守番を頼んだが、大丈夫だろうか。


 そんなゴン太たちへと心配を頭に浮かべつつ、凜々花たちの楽しそうな雰囲気を身に浴び、自分も楽しいんだと思い込ませる。


「決まりましたよ!」


「決まった」


「決まったみたい」


「あ、はい、そうですか」


 俺の部屋を借りるはずなのに、俺は一切関わることなく部屋が決まってしまった。もうなるようになるか。


「では一度内見に行きましょうか」


「お願いします」


 基本的に内見は予約とかが必要だと聞くが、太客となると飛び込みでも内見に行けるんだな。


「では行きましょうか」


 不動産屋の車に乗り、凜々花たちが選んだ部屋へと向かった。

 太客専用の車なのか、だいぶ高級な車だ。その証拠に後部座席の椅子が、長時間座っていても痛くならなそうなフワフワ加減だ。


「こちらですね」


 詳しく見ていなかったため、分からなかったが、賃貸の一軒家だったらしい。いや、一軒家というには大き過ぎる。麗華やまいちゃんの実家に比べれば、小さいのだが、それでも豪邸と呼ぶに値する大きさだ。


「では行きましょうか」


 鍵を開けた不動産屋の背中を追い、豪邸の中に足を入れる。

 建物ばかりに気を取られていたが、庭もだいぶ広めだ。ゴン太たちが運動するのに十分な広さと言える。


「まずは玄関ですね。隣に物置としても使える収納スペースがありますので、冒険者の方でしたら汚れがちな装備などを置かれますね」


「なるほど、確かに装備の置き場所には困っていたからな」


 今の家だと、帰宅前に装備を洗って部屋の中に置いていたが、気持ち的には置いておくのは嫌だったから、玄関横に置けるのは丁度いいな。


「では中をご案内しますね」


「ああ、頼む」


 外から見た通り、中もだいぶ広かった。

 豪邸に見合った部屋の数、そして特段力を入れているであろう大きな風呂。あのまま社会人を続けていたら、絶対に住むことができなかったであろう豪邸だ。


「悟はここでいいと思う?」


「ああ、全く欠点がないと思う……あとは家賃だけだが……」


「このくらいになります」


 俺は不動産屋の手の中にある書類に目をやる。


 声にならない悲鳴が口から漏れる。


 理解のできない高額さ加減に、何度かゼロの数を数えてみたが、一回目に理解した値段が変わることはなかった。


「大丈夫だよ、私も払うから」


「……ああ、頼む」


 断りたい気持ちはあるが、この額を前にして断れるほどの余裕は、今の俺にはない。


「では契約するということで大丈夫でしょうか?」


「……いや、一度契約書を見せてくれ」


 社畜の頃、散々契約書は読み込んできた。

 その際、小さい字や言い回しで騙してくるような相手と何度もぶつかって来た。だから個人の契約の時でも、細かいところまで読み込むのが癖になってしまった。


「大丈夫です」


 数分を掛けて読み込み、特に騙してくるような文言はなかったため、契約書に名前を書き込んだ。


「では、一週間後から住めるようになりますので、よろしくお願いします」


「こちらこそよろしく頼む」


 この一週間の間に、稼がないとな。


「【ジャスケダンジョン】に行くぞ」


「分かりました!」


「ジャスケ?」


「れいちゃん、【ジャスケダンジョン】は千葉にある十階層のダンジョンだよ」


「なるほど……簡単そう」


「いや、麗華には協力頼らないつもりだ」



次回、悟空の力が明らかになります


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