↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
302/303

第303話 作戦会議

 小早川への警戒心が原因なのか、書類へと向き合う気が失せてしまった。きっと言い訳だと思われるだろうが、書類仕事を気分が乗らずにやるよりかは、やらない方がまだマシのはずだ。


「許されるのであれば、ダンジョン協会の方に顔を出して、【皇居ダンジョン】に挑みたいんだが、甲斐は絶対に許さないだろうな」


「ええ、許しませんよ」


「早かったな」


「浴室に案内しただけですので……どうされますか?」


「【皇居ダンジョン】に行くかどうかの話か?」


「それは駄目と言ったばかりでしょう。私が聞いているのは、あの女性を信頼するかどうかの話です。悟も分かっているでしょ」


「まあな。あの女は一切油断できない。立場が圧倒的に上の者を前にしても、自己の立場を正確にして、受け入れられる塩梅の要求をしてきた。油断できる要素は一切ないだろうな」


「ええ。私が招聘についての書類を張り出した時、向こうから接触してきたんだけど、あまりにも早くて驚いたのよ。それも商会側のマッチアップだった場合は、早すぎることも頷けるわ」


 やっぱり何か裏があるんだろう。

 小早川単体で見た場合、かなり優秀だと言える。そんな奴がこんな世界になったとはいえ、野良でフラフラしているとは到底思えない。どこか新興の商会……俺たちに喧嘩を売って来たあそこみたいなところに、所属しているはずだ。


 まあただ単に変な奴だった。って言葉に纏められることはできてしまうが、あのタイプが只の変な奴だとは思えないし、何らかの理由があって接触してきたと思って、今後の方針を決めていくべきだろう。


「それで甲斐はどうするべきだと思う?」


「そうですね……正面から潰すべきだと思いますよ」


「その心は?」


「我々を嫌うものがいようと、正当な王政であることに変わりはない。もし商会が一部の民を纏め上げて、打倒窪田王政を掲げたとしても、我々がレオン政権を打倒したように、力で打倒しなければならないが、それだけの戦力はレオン政権が瓦解した時点で、この壁内には存在していないでしょう。ならば正面から潰したとしても、さほど問題は起きないはずです。関係のある商会や企業たちも、自分の命が一番かわいいでしょうしね」


「なるほどな……」


 甲斐の主張を纏めると、俺たちの戦力は圧倒的だから、一商会を正面から潰した程度で、困る事態になるはずがないってことか。


「まあ商会に人間を招いて、小早川と甲斐、向こうの人間で協議を行ってもらうのが安牌か?」


「まあそうでしょうね。初めから武力で潰しに行けば、流石に心証が悪すぎるので、協議の破断以降も向こうが抵抗してきたら、仕方なく武力制圧したとするのがよろしいかと」


「よし、じゃあ甲斐はその旨を小早川に伝えた後、商会側の人間にも同じことを伝えてくれ。くれぐれも入場を許可するのは商会長と補佐一人までだ。それ以外の者が入場して来ようとしたら、躊躇なく攻撃してくれ」


「はっ、畏まりました」


 甲斐が部屋を去ると、俺は再び一人になった。

 机の上に置かれた書類から目を離し、棚に仕舞われた書籍類に目を向ける。そこにある書籍は多種多様。専門的な技術書だったり、大衆向けのコミックなど本当に多種多様だが、法に関しての本は一冊もない。


「これを引けば……」


 本を無造作に引いて戻すを繰り返した。

 結果、何も起こらない。当然、本棚の先に隠し部屋があるなんてことはなく、これは普通の本棚だ。隠し部屋はロマンがあって、いつかは作ってみたいが、まあ豊臣たちを倒すまではお預けだな。

 一冊の本を手に取ったまま、椅子へと戻る。眼前には大量の書類によって山が形成されているが、そちらは完全に無視して、手元の本に目線を落とす。


「『冒険者のすゝめ(すすめ)』か。滅茶苦茶シンプルなタイトルだけど、世界中の冒険者が一度は目に通す名著……まあ俺は初めて読むわけだから、例外なく冒険者が読むという訳ではないが……名著に変わりはないはずだ」


 一ページ目を開いた。

 そこに乗っていたのは、世界で初めてダンジョンを発見した者の写真と名前。全く見覚えもなければ、聞き覚えもない。ブラック企業時代は冒険者とか全く興味がなかったから、知らないのも仕方ないかと思ったが、ニュースとかで一度も聞いていないのは、少々不思議に思えた。


「まあいいか」


 三ページ目、五ページ目とドンドン捲って行く。

 冒険者の心得やダンジョンの特性など、様々な役に立つことが記されていたが、今となってはそこまでありがたみのない情報ばかりだった。


「今後の役に立つと思って、手にとってはみたが、既に経験の方が勝っているようだな」


 俺は冒険者のすゝめを戻した。



商会との舌戦の結果は!?


ブックマークと★★★★★をお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。