表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
287/297

第288話 開戦前

 スケルトン軍団の撃退を約束した俺は、麗華たちと共に京都の街を見物することになった。凜々花も一緒にどうかと誘おうと思っていたが、広忠が話しそうにしていたので、一度二人っきりにしておいた。


 あの親子がどんな話をするのかは分からないが、向こうから話して来ない限り、二人のことは忘れることに決めている。


「やっぱり、人々の視線が痛いな」


「うん。まあ危害を加えて来ない限り、特に気になりはしないけど」


「流石、元【日本最強の冒険者】だな」


「人に、特に冒険者から見られるのは、慣れているからね」


 人々の目線が痛い主な理由は、たぬ吉たちが居ることだろう。

 スケルトンが魔物であろうとなかろうと、ここの住民の魔物に対する印象は、窪田王国の住民の数倍は悪い。まあ向こうはレオンのお陰で、魔物の脅威から離れられていたから、当然の話と言えば、そうなんだが。


「ほとんどの建物が、一度建て直されているはずなのに、古都と呼ばれていた趣が残っているのは、まいちゃんの方針なのか?」


「分からないけど、まいちゃんは京都の街が好きだったから、記憶にある京都の街を残したかったんじゃない?」


「そうか……まいちゃんが好きだった街を守るためにも、頑張らないとな」


「全力で守る。人々から嫌われても、身内から嫌われなければ、構わないから」


 それは俺も同じだ。

 国王になったからには、国民からの好感度は重要になってくるが、国外の好感度は一切関係ない。だからこの街の住民からいくら嫌われようと、心が傷つく以外のデメリットはないな。


「京都に来たなら、八つ橋とか抹茶とかを食べたいけど、技術継承は上手くいってないのか?」


「もし上手くいっていても、私たちに振る舞ってくれる人はいないよ」


「そりゃあ、そうだな」


 観光については、スケルトンたちの撃退を完遂してから、もう一度考えるとしよう。俺たちの手で住民や街のことを守れば、見る目も多少は変わるはずだ。


「相手がスケルトンだとすると、まいちゃんの力が一番役立ちそうな気もするが、それでも苦戦する相手ってことなのか……麗華はどう思う?」


「まいちゃんはトップだから、戦場には出て来ない。戦場に率先して出て来るトップは、あまりいない。だから悟は異常値」


「異常値って……まあ王としての自覚なんてものは、未だに芽生えていないが……」


「慣れれば、芽生える。私だって、日本最強だって自覚はなかった。江梨子って存在を知っていたのもあるけど」


「江梨子が日本最強だってのは、その活躍を見れば、誰でも分かることだからな。ただ江梨子は表舞台にほぼ立っていなかったから、表舞台に立っていた麗華が、日本最強って呼ばれるのは仕方のないことだ」


「……表舞台に立つつもりなんてなかった。それが嫌だったから引退したわけだし」


「まあ有名になるのは、良いことばかりじゃないからなぁ……アンチはどんな善人であろうと、一人は付いて来るからな……」


 ちなみに俺のアンチは居なかった。

 そもそもアンチが付くほど、俺は有名じゃなかった。【魔境群馬ダンジョン群】制圧の時だって、ニュースではダンジョン協会上層部と“絶氷の薔薇姫”による作戦だって報道されていたからなぁ……。


「そういうのを有名税だって言って、アンチを正当化する人が居るけど、ならそれ相応の見返りがあってもいいだろ、って思わないか?」


「普通の税金だって、私だと支払ってる量に対して、見返りが少ないよ?」


「あー、確かに金稼ぎの天井たちは、得られる福祉が少ないのに、支払う額が桁違いに多いからな……前の俺なんて、雀の涙程度しか払っていなかったから、得られるものの方が多かった。まあそもそもの収入が少なかったから、生活が豊かだったわけではないけどな」


「……」


 気まずい空気になってしまった。

 こんな空気にするつもりなんて、一切なかったのに、話の流れで気まずい空気を作ってしまった。こうなってしまったら、何らかの外的要因がなければ、元の空気に戻すのは困難だぞ……。


 そんな外的要因を求めていると、都合よく、気まずい空気を掻き消すような巨大なサイレンが鳴り響いた。


「何の音だ?」


「多分、スケルトンが来たんじゃない?」


「なるほどな、じゃあ凜々花たちと合流して、俺たちが向かう場所を話し合わないとな」


「うん」


 気まずい空気は消えたが、普通に話している場合ではなくなってしまった。スケルトンの力と量が分からない以上、死地になる可能性も大いにある。そんな状況で、談笑なんてしていられない。


「行くか」


「うん」


 俺たちは先刻の寺へと向かう。

 そこにはまいちゃんと凜々花、広忠の姿があった。その表情は、全くもって芳しくない。


「……マズいのか?」


「ああ。敵の首魁が、数千に上るスケルトンを引き連れて、行軍している」


「数千……全力を出さないと、負けるな」


「現場の指揮権は、凜々花にある。悟たちは凜々花の指示の元、動いて」


「ああ、分かった」


 俺たちは作戦を立てた後、迎撃に向かった。



正体の分からない相手との、戦争が始まります。


ブックマークと★★★★★をお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ