表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
286/295

第287話 聖と生

 閉じられていた扉の先に居たのは、これまた見覚えのある顔だ。

 彼女と初めて出会ったのは、北海道全域で起こったスタンピードで麗華と出会った後、その伝手を使って京都に来た時のこと……まいちゃんこと舞子だ。


「まいちゃん!?」


「久しぶり、悟」


「まいちゃんも凜々花と一緒に居たのか」


「偶然だったのか、恣意的だったのかは分からないけど、転移させられた先が一緒だったからね」


「そうだったのか……」


 まいちゃんと凜々花が一緒に居たことで、俺が京都を訪れた理由が一気に満たされた。

 この後の展開がどうなるのかは分からないけど、わざわざ京都を探し回る必要がなくなったのは、帰還までの時間をだいぶ短縮できるから、かなり嬉しい展開だ。


「それで、悟は会談を申し込んだわけだけど、どういった御用かな?」


「ああ、見てわかる通り、ちょっと片腕を失っちまってな。まいちゃんにこれを治して欲しいんだ」


「なるほどね……まあ私の力があれば、欠損した四肢程度であれば、簡単に治せるよ」


「……ってことは、条件があるのか?」


「そう。以前までであれば、私たちは仲間だった。けど時間が経って、私たちは立場が変わった。悟は窪田王国の人間で、私は新日本国の天皇であり、凜々花はウチの征夷大将軍。いわば別の国の人間になっちゃったってこと。友好国であれど、対価なしに施しをするのはダメってことは、悟も分かっているでしょ?」


「ああ、同じパーティーメンバーって訳でもないのに、腕の再生を頼めるほど、図太い神経はしてない」


 そこそこの期間、同じパーティーとして活動してきたのが原因だと思うが、まいちゃんが末端とはいえ、皇族の人間だったことをすっかり忘れていた。


 この日本列島を治めるうえで、天皇家の存在は他の理由を圧倒する正統性があるだろう。長らく天皇家が籍を置いていた京都というのも重要で、この日本列島において、もっとも正統性がある集団はまいちゃんだと断言してもいい。


 そんなまいちゃんに腕の再生を頼むのは、なんだかよろしくない気もしてくるが、まいちゃん以外に心当たりがない以上、ここで治してもらえなければ、一生左腕は帰って来ないと覚悟した方がいい。


「……こちらからのお願いを聞いてくれるのであれば、その腕を治すのも吝かではない」


「ああ、俺にできることであれば、なんでもやろう」


「では私たちと共に、撃退を手伝ってもらえないか?」


「撃退? 凜々花が言っていた、ここの民を殺伐とさせている原因のことか?」


「その通りだ。私たちはとある勢力から、何度も攻撃を受けている。凜々花のお陰で、相手の動きを逐一知ることはできるが、それでも数で負けているせいで、被害をゼロにすることはできていない」


 凜々花が【気配察知】のスキルを有しているから、防衛戦に勝利できているだけで、勢力的にはその敵の方が勝っているということか。


「その敵勢力の詳細について、何か分かることはあるのか?」


「殆ど分かっていない。分かっていることと言えば、敵勢力の大半が人ではないということかな」


「人ではない……魔物ってことか?」


「魔物と言い切るには、少し情報が足りないと思う。私たちの街を襲っているのは、人骨や動物の骨。それが魔物であれば、スケルトンと呼ばれている者たちだね」


「そこまで分かっているのに、魔物だと断定できないってことは……もしかして本物の骨が動いているって疑っているのか?」


「そう。私たちがそう思っているのには理由があって、敵の首魁が魔物じゃなくて人だったの」


「骨を率いる人……ネクロマンサーとかのスキルは存在しないのか?」


 魔物をペット化させる【テイム】が存在しているのであれば、霊系の魔物に特化したスキルがあっても可笑しくないはずだ。


「確かにその可能性もあるけど、私たちにネクロマンサーというスキルの知識はなかったから、断定はできなかった」


「なるほどな……まあどちらにしても、俺たちはそれの撃退及び殲滅を手伝えばいいってことか」


「うん。取り敢えず、報酬は前払いってことで」


 椅子に座っていたまいちゃんは立ち上がり、対面に居る俺の方へと歩いてきた。久しぶりに近く見るまいちゃんの顔は、なんだか大人びて見えた。以前の顔は、二十歳を超えているとは思えないほどの童顔だったが、今の顔は二十歳を超えていると言われても納得できる顔だ。


「じゃあ触れるね」


「頼む」


 まいちゃんの手が、左肩に触れる。

 刹那、眩い光が視界を埋め尽くす。その光は優しさに溢れているため、目が焼かれることはなかった。


「――ありがとな、まいちゃん」


「いいよ。きちんと、腕分の働きはしてもらうから」

 

 目を開けると、そこには失っていた左腕がある。

 何度かグーパーしてみたが、特に違和感はない。ぶっつけ本番では無理だろうが、多少の運動を済ませれば、十分戦えるはずだ。



遂に悟の左腕が戻って来ました。


ブックマークと★★★★★をお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ