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おっさんテイマー~趣味のキャンプ飯を間違ってダンジョンでやったら魔物に懐かれました〜  作者: Umi
第1章 焔が輝く狐火

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第200話 作戦会議

「江梨子、これからどうする? あの異常な力を持っているレオンが居る限り、このメンバーで要塞を落とすのは難しいと思うぞ」


「悟の言う通りだが、落とさなければなるまい。ここで勝てなければ、豊臣の戦力に勝つなど不可能だろう」


「それは分かっているが、この戦力だと現実的ではないはずだ」


 江梨子と麗華という上澄みも上澄みの仲間が居ても、レオンという力の底が見えない異様な敵が相手となると、確実に勝てるとは言えない。


 それに敵の戦力はレオンだけではなく、要塞の大きさから考えるに数千、数万単位の戦力を抱えている可能性が高い。そうなってくると、俺たちに勝機はないだろう。


 攻略するとしたら、内部崩壊を狙うために、敵の内応を狙う。それも下っ端相手ではなく、幹部クラス相手にだ。


「……どうする?」


「潜入するしかないだろうな」


「俺たちが接触した以上、監視の目は厳しくなっているだろうから、難しいと思うが」


「しかしやらなくては、できることもできないだろう?」


「確かにな」


 潜入するで決まった訳だが、入るところが一番難しいだろうな。

 中に入ってしまえば、どうとでもなるだろうが、入るところを見られてしまえば、潜入どころではない。


 潜入を試みたことがバレれば、相手の警戒度が上がることは避けられない。敵の精神を削ることができると考えることもできるが、攻略する上でのデメリットの方が大きいだろう。


「じゃあ今後の目標は、皇居に作られた要塞への侵入。そして内部工作でいいか?」


「それが最適解だろう。問題は従魔の存在が目立つという所だが、タマの催眠能力で何とかするしかあるまい」


「……ああそうだな」


 タマたちを置いて行くというのが、潜入における最適解だと皆分かっているが、そのような選択を採ることは絶対にない。

 タマたち従魔を置いて行くのを強制されるのであれば、俺は一人で別の場所を目指すつもりだ。勿論、江梨子や麗華がそのようなことを求めてくることはないと言い切れるが、これは覚悟の話をしている。


「それじゃあ要塞への潜入作戦を始めるとするか」


「ああそうだな」


 自然と、唯一返事をしなかった麗華へと視線が集まる。

 黙っている麗華は何を言うつもりなのかと、目線を向けている俺たちの考えは統一されている。


「まずは移動しないと」


「――」


 溜めに溜めて放った言葉は、至極当然のことで、俺たちの出鼻を挫くには十分すぎるものだった。確かに皇居からだいぶ離れてしまっている。吹き飛ばされた方向的に、ここは埼玉県あたりだろう。


 ここから要塞を目指すとすると、どれくらいの時間が掛かるか……江梨子の風で進むことができれば、そこまでの時間は掛からないだろうが、潜入するために目立ってしまえば本末転倒。

 地道に地上を進んで行くしかないだろうな。


「江梨子、ここから要塞まで、どれくらいの時間が掛かると思う?」


「そうだな……余裕をみて一週間程か」


「一週間か……仕方ないな」


「ああ、できるだけ早く皇居は取っておきたかったが、取れないよりは数段もマシなはずだ」


「それはそうだな」


 俺たちは皇居の方角目指して、歩みを再開した。

 きっと千葉から皇居を目指した時のように、何度も魔物の襲撃を受けることとなるだろうが、特に気にする必要はない。あのレオンという化け物と戦った今、どれだけ強い魔物と接敵しようと、有象無象でしかないのだからな。


 そんな気持ちで皇居を目指す。

 初めて魔物と接敵したのは、歩き始めてから三時間が経った時だった。魔物の群れ。というよりも統率の取れた軍隊と表現する方が正しいかもしれない。


 ボロボロの野良犬が二足歩行で歩いているような魔物【コボルト】。それが数十単位の個体で群れており、最後方には兜を付けた指揮官らしき個体も見えている。


「俺がやる」


「じゃあ任せたぞ」


「任せる」


 江梨子と麗華は、従魔たちと一緒に数歩分後ろへと下がった。

 相対的に前へと出た俺へと、コボルトたちの殺気は一手に集められる。冒険者なりたての頃であれば、酷く委縮してたであろう殺気の密度だが、今となっては笑い飛ばせる程度の物でしかない。


「じゃあ行くぞ」


 体勢を低くした。抜剣をするつもりはない。

 決して相手を舐めているわけではない。あの時、ゴン太と会ってから、俺の身体は剣術よりもステゴロの方が適性値が高くなったと思う。根拠があるわけではないが、剣を持っていない時の方が身体が自由に動いている気がするんだ。


 そんなわけで、俺は抜剣せずに、コボルトたちの攻撃を迎え撃つ。拳に孕んだ熱は、発火を齎し、心地よく懐かしい炎が拳に纏われる。


「――」


「酷い鳴き声だな。ウチの子たちは大違いだ」


 向かってくるコボルトの群れへと、全力で拳を振り抜いた。



悟たちは再び皇居を目指し、潜入することを目標としました。


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