第59話
要だった気がするし」
「決まりだ、じゃあ二人とも頼む」
俺たちは引き続きラキさんのランクアップクエストを受付で受ける。内容は森の狼型モンスター、ダークウルフの複数討伐だ。
森に行く前に俺は自分の武器を鍛冶屋で購入する、ラキさんと同じ可もなく不可もない普通の鉄の剣だ。
余ったお金でポーションを人数分買って準備は万端、さっき村に戻ってきたところだけど、再びクエストを進めるため大地のフィールドに戻り森を目指す。
そして森の中――。
「ダークウルフは群れで動く危険なモンスターだ。討伐するのに結構な強さが必要なんだけど……」
「えっ何か言いました?」
「やぁ!」
俺とイスカは次々と襲ってくるダークウルフを倒していく、途中ラキさんは何か言っていたようだけどあっさり戦闘は終わってしまった。
「……何でもない。勇者とパラディンがいればこんなクエストも楽勝か。俺、結構苦労してここまで来たんだけどなぁ」
明後日の方向を見ながら爽やかな顔をするラキさんは放っておいて俺たちは魔石を集めた。
数はいたけどそんなに強くなかったな。
「ダークウルフの魔石は回収しましたよ」
「これだけの魔石があれば十分だな……早速村に戻ろう」
本当にすぐクエストを終わらせ村へUターンする。すると村ではある話で持ちきりだった、よくよく聞き耳を立ててみると皆同じ話をしている。
内容はついに魔王が動き出したということと、そのために国の軍が動いて冒険者たちにも招集がかかるということ。
「村を出たのちょっと前のはずなのになんでこんな急に?」
「これはゲームだから……たぶんフラグが立ったんだと思う」
「フ、フラグ?」
イスカが教えてくれるが、何のことかさっぱり分からない。
「物語が進んだって事か?やっぱり冒険者ランクを上げるのは間違ってなかったみたいだな」
「思い出した。えーと、確かこのゲームをクリアするには魔王の四天王を倒さなくちゃいけないんだよ」
「四天王?」
このゲームの経験者であるイスカが教えてくれる。
「どんなキャラだったか覚えてないけどそんなのがいた気がする。冒険者ランクが上がれば戦えると思うんだけど……うーん」
「じゃあとにかくこのまま進めればいいんだな」
俺たちはギルドに戻って早速クエスト達成の報告をする。すると冒険者ランクがEランクからDランクに上がった。
「おめでとうございます、Dランクに昇格しました。これで受けられるクエストも増えますよ」
「ランク昇格したばかりで悪いんだけど次はCランクに上がるにはどうすればいいんだ?」
ギルドの受付から祝いの言葉とクエストの報酬を貰った後、ラキさんはすぐに次のランクへの上がり方を聞く。
「この村じゃ無理ですね、昇格できるようなクエストもありませんし。街に行けばクエストの種類も多いですし、いつでも昇格を受け付けてますよ」
「街か……」
俺たちは受付から地図を貰って早速ギルドで話し合い始める。
「この村にいても次のランクに上がらないし早速移動しよう」
「ですね、でも準備が必要です。問題はどれくらいかかるかですが……」
地図を見ると結構離れてる。村から街まで何日かかるんだろう。
そんな俺たちの話にイスカが入る。
「そんなにかからないと思うよ、多分一時間くらい?」
「いやいや村と街だよ?さすがに何日かはかかると思うんだけど」
「でもこれゲームだし」
「えっどういうこと?」
「経験者のイスカちゃんがそう言うならとりあえず行ってみるか?」
俺にはイスカの言う事がよく分からなかったけどラキさんが出発を提案する。
「はぁ……二人がそう言うなら行ってみますか」
それから俺たちは準備をして街に向かった。
道中出現するモンスターを倒しながら地図の通りの道を行く、すると本当に一時間もしない内に街に着いてしまった。
「もう着いた……」
「移動だけで何日もかかるゲームなんて誰もやらないでしょ」
ゲームっていうのはそう言うものなのか。まあ、あんまり深く考えないでおこう。
それから俺たちは街のギルドを探す。けどギルドは目立つような形をしていて幸いすぐに発見することができた。
「じゃあ次はここで冒険者ランク上げだな、ちわー冒険者ランク上げに来たんだけどー!」
ギルドに入ったラキさんはさっそく受付へ向かって説明を聞きに行く。
「いくつかクエストをこなしてまず実績を作って貰います、それから功績が認められればギルドから昇級クエストを案内されます」
「E級から上がる時と変わらないな、ありがとう」
受付にお礼を言って俺たちはクエストが張り出されているクエストボードの前に移動する。
「という訳で何はともあれクエストだ」
「これからはDランクのクエストも受けられますね、色々あるなぁ」
「モンスター討伐系はレベルが上がりやすいけど大変だ、採取クエストは実績になるけど経験値が少ない。主な種類のクエストはこの二つ、まずどっちにしようか?」
「うーんここはまず採取クエストで様子見るのが順当ですかね?」
「俺は二人の足を引っ張らないように経験値が欲しいな」
俺とラキさんの意見が分かれる。
「じゃあクエストはまとめて受けちゃおう」
俺とラキさんが考えているとイスカは提案する。
「例えばこのモンスター討伐とこっちの採取の場所はかなり近いよね、だったらこれを二つ受けて一度にこなせばいいんだよ」
「……なるほど、場所が近いならその方が効率的だな。一旦それでやってみるか」
ラキさんもイスカの案に同意した。
俺たちは試しに三つのクエストを受付に持っていく。
「こちらを受けられるんですね、受付します。お気を付けて」
イスカの言う通り無事複数のクエストを受けることができた、こんなやり方現実では出来ないんだろうなぁ。
今回俺たちが受けたクエストは、ゴブリンの巣の調査とハイポーションの材料探し、それに突如現れたゴーレムの討伐だ。
全て森の中でこなせるクエストで、森の中なら一回行ったこともあるし出現するモンスターのレベルも何となくわかる。試しにやるなら丁度いいレベルだと思う。
俺たちはさっそく森へ向かった。
まず取り掛かったのはゴーレム討伐。
森の中にいたのは、巨大な岩に手足が生えたような岩人形だった。これを俺とイスカで難なく討伐する。
次に森の奥でゴブリンの巣の調査、こっちは可能な限り数を減らしてくれとも書かれていたので戦闘しながら規模を調査していく。けれど巣の中には結構な数がいたのでおおよその数しか把握できなかった。
統制もとれてたし、恐らく巣の最奥には上級種のゴブリンがいるんだろう。少なくともホブゴブリンまでは確認できた。
最後にハイポーションの材料も回収する。
これは帰り道で見つけられた。
「ラッキー、これでクエストは全部完了ですね」
「はぁ、君たちがいなきゃ俺はこのクエストもクリアできなかったよ……」
帰り際、ラキさんは落ち込んでいた。
俺的には戦闘のアドバイスとか結構助けてもらってるんだけどな。Aランク冒険者としての経験は確実に俺たちの為になってるし。
「たぶんこれからの戦いに俺はついていけないだろうなぁ、立ち回りを考えなきゃ」
「俺は色々教えてもらって助かってるんですけど……」
「うーんここからは俺も情報を持ってないし、冒険者としても俺はずっとソロだったからなぁ、どこまで役に立てるやら。はぁ……」
ラキさんはそう言いながら再び溜息をついて俺たちは街に戻った。するとまた話が進んだのか街は魔王の話で持ちきりになっていた。
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