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白熱の体育祭【選抜リレー】

 それを証明するように、以降の競技に出たメンバーは奮戦。おかげであと2種目を残して、ついにA組から首位の座を奪い取ることに成功した。これには流石の瓢介も、肝を冷やしたんじゃないかな?

 なら、このまま勝ち続けてあいつの顔を真っ青にしてやろう。次の競技は……選抜リレーか。ユリウスを始めとする俊足自慢4人が出場するんなら、勝ちは見えたようなもんだね。


「頼んだよみんな!」


「あぁ。任せてくれ」

 そう言って行こうとするユリウスを見て、一抹の不安を感じたのか、イグニスが声をかける。


「おい。ユリウス」


「ん? なんだい?」


「お前、何番目に走るんだ? 決まってねぇんなら1番の方が……」


「あぁ、そういえば言ってなかったな。僕はアンカーとして出るつもりだ」


「アンカー!?」

 そう言って頭を抱えるイグニスをよそに、ユリウスは入場門へと足早に向かう。


「おいおい。大丈夫かよ。これ?」


「どういうこと? イグニス」


「見てりゃわかるよ。アクア。どうにも嫌な予感がしてきた」

 そう言われると、なんだか私達まで不吉なことが起こるんじゃないかと思ってしまう。


 そんなことなど知る由もないユリウス達が、それぞれのスタート地点につくと、程なくしてスタートの号砲が鳴った。

 開始早々、B組の第1走者がスタートダッシュをかまし、他のクラスと差をつける。

 そのままバトンは第2、第3走者へと順調に繋がっていき、いよいよバトンはアンカー・ユリウスの手に。この時点で、既に2位とは3/4周以上の大差がついてる。


(こりゃ楽勝でしょ)

 そう思い、イグニスの取り越し苦労で片付けようと油断しかけた。


 その時だった。ユリウスはあろうことかバトンを取り損ね、地面に落としてしまった。


「へ…………はーっ!?」

 我が目を疑う事態に、私はそう言わずにはいられなかった。それはミュミュ達も同じで、少しの沈黙の後、歓声はブーイングへと変わっていった。

 

 これだけでも十分失態だけど、そっからがまたヒドかった。普通ならバトンを落としても、すぐに拾えばまだ逃げ切れる。だけど、こいつはケンタウロス。イグニスが危惧してたとおり、ケンタウロス特有の体格のせいで手が地面まで届かず、思うように拾えない。焦って取ろうとするから尚更だ。

 そうこうしてる間に、他のクラスが悠々と抜いていき、結果、B組はビリ。再び2位に転落するという最悪の結果となってしまった。



 この不甲斐ない結果に、私は怒りが収まらない。戦犯が戻ってくるのを待ち構えて、


「ユリウス」

 と、指差しながら呼び、アメリカ式の手招きをした。

 普段は噛みついてくるユリウスも、今回ばかりは責任を感じてるようで、素直に従う。


「はい。正座」


「そ、それは勘弁してくれないか? この下半身で正座はどうにも……」


「つべこべ言わずに早く座れっ!」

 そう怒鳴ると観念したのか、ユリウスは自分なりの正座した。


「ったく、あんたって奴は。いったい何やってんのよバカケンタウロスッ!」


「だから言ったじゃねぇか! なのにかっこつけてアンカーになりやがって! バトン落としたらどうなるか、ちゃんと考えろよ!」

 イグニスからも説教されて、クラス全体から怒りの視線を向けられたユリウスは、申し訳なさそうに小さくなる。針の筵っては、こういうことを言うんだろうけど、今更反省したって遅いってーの。

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