白熱の体育祭【大縄跳び】
先生や客席にいるレミや幸達が見守る中、回数が40、50と増えていく。
最初に脱落したのは、55回で止まったD組。元々まとまりがなかっただけに当然の結果だったと思う。
次に落ちたのはC組。ランドが中心となっていたこともあって、うちと負けず劣らずのチームワークを見せてたけど、例の運も実力も無い貧乏神・神奈が案の定引っかかり、73回でストップ。
残るは私達B組と瓢介率いるA組。すると瓢介は、早々に決着をつけるつもりなのか、一か八かの勝負に出た。
「へっ、向こうもやんじゃねぇか。だったら……おい、てめぇら! ペース上げんぞ!」
そう言ってすぐ、瓢介は縄を回す速度を上げた。
(嘘!? このタイミングでそんなことする!? 1歩間違えたら、即脱落の自殺行為だよ!? って、気にしてたらそれこそあいつの思う壺だ。こっちはこっちのペースを守って跳ぼう)
どうやら、みんな考えは同じらしく、私達はA組に流されることなく、ペースを維持して跳び続けた。
「85、86、87、88……」
足に乳酸が溜まってきた。それは多分向こうも同じのはず。急激なペースアップによる負担は計り知れないはずだから。もうここまで来ると、両者気力だけで跳んでいる。
「93、94……」
「95、96……」
「97、98……」
そして、ついにその時が。
「99、100、101!」
ちょうど100回を超えたその時、2本のロープがピタッと止まった。
まさかの同時終了。思わぬ結果に少し困惑していると、列の中央付近から申し訳なさそうに挙がる手が。
「……みんな、ごめん。引っかかっちゃった」
手の主はコウメイだった。あれだけ練習したのに、自分のせいで止まったことに責任を感じているのか、暗い顔をしている。それを見た私達は、ニッコリと笑ってコウメイを囲み、
「ナイスファイト」
「うむ。全く跳べなかったお前が、100回も跳べたのだ。賞賛に値するぞ」
「あぁ。お前はよく頑張ったよ。コウメイ」
と、仲間の健闘を褒め讃えた。大事なのは結果だけじゃない。どれだけ頑張ったか。そうでしょ? コウメイ。
そうこうしていると、先生の口から結果が発表された。B組100回に対して、A組は101回。ペースを上げた分、あいつらの方が私達より1回多く跳んでいた。
だけど、悔いは無いよ。コウメイは『無理にでもペースを上げた方がよかった?』なんて言って気にしてたけど、そうしてたらもっと早く私達は自滅してた。そうならず、ここまで粘れたのは、紛れもなくあんたのおかげ。だから、気に病む必要は無いよコウメイ。あんたの頑張りは、私やユリウス達の胸にちゃんと届いてるから……




