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白熱の体育祭【午後の部】

 午後12時半。昼休憩が終わり、午後の部が始まった。最初の競技は応援合戦。

 D組やA組の応援団が無骨な応援をしたかと思えば、C組に多く在籍しているチアリーディング部が、華麗なパフォーマンスで魅了する。そういう意味じゃ、みんなそれぞれの特色があって良かったけど、最終的にはうちのミュミュに、注目から何から全部持ってかれた感が否めない。ま、相手が世界的なアイドルじゃ仕方ないか。ドンマイ。


 さて、ミュミュのおかげで私達は勢いづくことができた。そんな私達が続いて挑む競技は、団体種目である大縄跳び。この大縄跳びは、跳んだ回数がそのまま得点になるボーナス競技となっている。チャンスは1回で、途中で引っかかったりとかして中断したら、その時点で終了となる。

 現在、A組とB組の点差は50点。つまり、瓢介達より51回多く跳べば逆転できる。一方でC組との点差は10点。もし、C組より11回少なく跳んでしまうと、最悪の場合3位に転落する。

 このシビアな勝負を制するためには、クラスの団結が必要となるけど、うちの場合それプラス、縄跳びが大の苦手なコウメイがどれだけ頑張れるかにかかっている。


「さぁみんなー! いっくよーっ!」


「うむ。調子に乗っておる瓢介らの鼻を、へし折ってやろうぞ」


「おーっ!」

 私達の気持ちは1つ。のはずなんだけど、さっきビリだったコウメイは、自信を失ってるのか元気がない。

 それを察した私達は、仲間であり友達を勇気づけるべく、歩み寄った。


「大丈夫だ。お前ならやれる」


「そうそう。あんたが今日まで縄跳びの特訓に励んでたことは私達がよく知ってるよ」


「イグニス君、岸川さん……」


「その通りじゃ。故に光明よ。お前は先の悔しさをバネにして、ひたすら前を向いて跳べ。よいな?」

 その後も投げかけられる仲間からの励ましの声。その効果は覿面だったらしく、コウメイは自信と勇気を取り戻した。

 もう大丈夫。そう思った私達は、闘志を胸にグラウンド中央へと向かった。



 競技に参加する3年生全員が所定の位置につき、始まりの合図を静かに待つ。すると、左の方から、


「よーしっ! おめぇら! このままぶっちぎんぞ!」

 という、瓢介がクラスメートに活を入れる声が聞こえてきた。見たところ、瓢介と元クラスメートの道キモこと道彦(みちひこ)が縄を持ってるから、あいつらが縄を回す係みたい。


(まぁ、モヤシの道キモはともかくとして、瓢介が跳ばないだけまだ勝機はあるか)

 おっと。ホッとしてちゃダメだよね。たとえあいつが跳んだとしても圧勝できるぐらいの気概を見せないと。体格と体の脆さが理由で縄を回す役になったカスミンとユリウスも、一緒に飛ぶアクアやミュミュ達も、そして何よりコウメイもその気になってる。私も頑張らないとみんなに失礼だよ。


 そう思い、気合いを入れ直したところで、先生が朝礼台に立ち、


「それでは……はじめ!」

 と、開始の合図を告げ、ホイッスルを鳴らした。

 それを聞いたカスミンとユリウス達は、『せーの』というかけ声と共に縄を回し始め、私達は息を合わせてテンポ良く跳んでいく。

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