姉妹のコンビプレー
いや、待って……いけるかもしんない! あれとこの空間の広さ、そして、物に触ることのできる霊である私の霊体の特性を上手く使えば!
名案を閃いた私は、レミの方に目をやる。どうやら、レミも私と考えは同じみたい。
なら、いける! そう確信した私は、レミと幸にアイコンタクトで意思を伝達してから、レミからソフトボールぐらいの大きさの雪玉を受け取り、大男の背後に回った。
普通の人なら、持っただけでカチンコチンだろうけど、霊体だから温度を感じないし、凍傷の心配もない。
「ん? 何のマネだ?」
「わかんない? 元エースのピッチングを、あんたに披露すんのよ!」
そう言って私は、ウインドミルで雪玉を投げた。
雪玉は男に当たらず、私から向かって右側へと大きく逸れていく。
「ははは! ノーコンめ! 暴投もいいところだ! 元エースの名が泣くぞ!」
「いや。狙い通りだよ」
私がそう言った直後、スーパーダイビングキャッチで、レミが雪玉をキャッチする。その見事なまでのファインプレーに、男の目が釘付けになる。
「ナイスセカンド! 今だよ!」
僅かなスキを狙って合図を送ると、幸は見張りの腕に、思いっきり噛み付いた。
「あ痛たたた!」
あまりの痛さに見張りは思わず幸を離す。
そこを見計らって、幸は素早く見張りから逃げて、私の後ろに隠れる。
「て、てめぇらぁ……よくもぉっ!」
「余所見厳禁! はい! ファースト!」
そう言ってレミは、キャッチした雪玉を絶妙なスローイングで見張りの大男の腰にぶつけ、瞬く間に凍らせた。
「ゲームセット! ナイスゲッツーだよ。レミ。腕は落ちてないみたいね」
「そう言うお姉ちゃんは衰えたね。球速落ちてたよ」
「うっさいなぁ。仕方ないでしょ。この体じゃ」
「それもそっか。さてと、片付いたことだし、そろそろみんなのところに帰るとしますか」
それもそうだね。こんなところに長居は無用だし。
「じゃ、行こっか。幸」
「うん。ゆかりさん。レミさん。ありがとう。すっごくかっこよかったよ」
座敷わらしである幸からの最高の誉め言葉とあどけない笑顔。このために頑張った私とレミは、互いの健闘を讃え合うようにハイタッチをした。
さながら、勝利の喜びを分かち合う野手と投手のように…………




