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やられた!

 翌日。新学期初日となったこの日、私達3年生は、午前の授業を受けた後、午後から幸やコハク達に校内を案内した。


 例年なら、特に変わったこともなく、3年生が先生方と一緒になって学校の良さをプレゼンするだけなんだけど、今回は事情が事情なだけに、黒服の付け入るスキを与えないように警戒するよう呼びかけられた。

 特に、幸とコハクがいる班を担当する私とコウメイとカスミンとミュミュや生徒会、黒服の雇い主であるアラクネ社の令嬢のアレクシアには念押しで。


 そんなわけで、少し堅苦しさはあるものの、私達は、同行してくれているレミの助けも借りて、おすすめの場所を中心に幸達を案内した。


 途中、仕事を放棄してサボる瓢介をなんとかやる気にさせようとするユリウスや、子供達に見つからないところでイチャイチャしてるイグニスとアクアに頭を悩ませながらも、なんとか役目は果たせたと思う。

 あ、頭を悩ますっていったら、アレクシアの奴、先生に釘を刺された後、案内役を拒否して、執事連中とコソコソと何かを話してたみたいだけど、あれはなんだったんだろう? どうにもいい予感がしない…………



 てな感じで、校内を見て回ること2時間。午後4時になり、そろそろ終了の時刻かな? と、思い始めたその時、またしても面倒事が。


「あ! あそこにいるのは、愛しのミュミュたん!」


「本当だ! ミュミュたーん! 是非僕らにサインをー!」

 そう。学校内のミュミュのファンが、サインを求めて殺到したの。


「ゲゲッ! ねぇ、ミュミュ。これは流石に……」


「う、うん……みんなぁ、気持ちは嬉しいんだけど、今はちょっと……」

 ミュミュはそう言って、丁重に断ったけど、世の中にはマナーのいいファンと悪いファンがいる。それで分けるなら、どうやら今、目の前にいるこいつらの大半は後者らしい。


「そう言わずに。すぐ済みますから……」

 と言ったファンを皮切りに、ファン達はまるで荒れ狂う波のように迫ってきて、あっという間に私や幸達を飲み込んだ。


「うにゃあ! みんな、ストップストーップ!」


「ちょ、押さないでよ! 危ないじゃない!」

 そう言いながら、ファンを押しのけていく私。

 その中に見覚えのある蜘蛛の形をしたアクセサリーをしている生徒の姿が。


(しまった! はめられた!)

 と、気付いた時にはもう遅く、ファン達がいなくなると、幸とレミも姿を消していた。

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