まさかの再会
なんてミニコントみたいなことをしてると、空港から先生らしき大人に連れられた小学生ぐらいの子供が、ゾロゾロと出てきた。
「あの、千尋先生。あの子達は?」
「ん? あぁ、そういや今日、妖魔の国の子供達が修学旅行に来るって、教頭先生が言ってたっけ」
そっか。界黎学園って、教育理念とかで世界中から注目を浴びてるから、色んなとこから視察がてら人が来るんだ。
と、納得していると、子供達は空港前に停まっていた『百鬼観光』と車体の側面に書かれた観光バスに次々と乗り込んでいった。
この百鬼観光っていうのは、社員も客層も異種族という観光会社で、うちの学校も修学旅行の時とか、団体で遠出をすることがあると、必ずと言っていいほどお世話になっている。
ちなみに、念の為言っとくけど、百鬼観光なんて恐ろしい社名だけど、ブラック企業とかじゃないから。純然たるホワイト企業だから。
そんな優良企業の案内で、これからあの子達は、この町を見て回るんだと思う。
1日目はテレビ局や建設途中の議事堂を見学して、2日目でいよいよメインの界黎学園ってとこかな。だとしたら、私達も他人事じゃないかも。
そう思い、この町の住民として、少しプレッシャーを感じていると、ふと、子供達の無邪気な声が耳に届いた。
「ねぇねぇ、お姉さん。お姉さんの名前ってなんていうの?」
「私? 私は冷美。こう見えても雪女だよ」
へー、冷美っていうんだ。綺麗な名前だし、愛想がいいみたいだし、きっと優秀な添乗員さんなんだろうね。
…………ん? レミ?
「どうしたの? 岸川さん」
私の様子に異変を感じたコウメイがそう聞くけど、正直、まともに聞こえないぐらい、私はその添乗員を注視していた。
一見、美人なだけで、どこにでもいそうな気さくな添乗員。だけど、その名前を聞いたせいか、どこかあいつの面影があるように感じる。
私は真偽を確かめるべく、少しずつ冷美と名乗ったそいつに近付いていく。
そして、間近まで来たところで……確信した。
「ま、まさか、あんた……レミ?」
「ん? あ、お姉ちゃん! やっぱり成仏してなかったんだ」
その言葉に、コウメイ達は仰天した…………




