スタンドから見守る決勝戦
西暦2157年8月6日。甲子園を舞台にした異種族達の学校対抗の硬式野球大会は、ついに最終日を迎えた。
3塁側はソフィーの姉ちゃんやペガサス達を輩出した天使養成学校。
その名の通り、選手も監督も全員天使で、身体能力やチームワークが極めて高い。
注目選手は抜群の制球力と亜光速のストレートが自慢のセラフィム一族の男子と、足が早いスイッチヒッターで、ソフィーの親友でもあり、天地獄戦争で亡くなったワルキューレ一族の女の子・モニカ。
ソフィーから聞いた話だけど、15年前の例の戦争の時に、世界樹を傷つけた悪党によって復活され、当初はその悪党の口車に乗せられて、ペガサス達と対立してたんだけど、関係が修復された今では、天使養成学校に通ってるんだって。
だったら、同じ学校に来ればいいのにって思うかもしんないけど、頭の出来がとことん悪いらしく、推薦はおろか自力で入学もできなかったみたい。
まぁ、それはさておき、対する1塁側は、ここまで奇跡的に勝ち進んだイグニス達界黎学園。
総合的な身体能力は及ばないかもしんないけど、チームワークと個々の長所なら負けてない。
注目選手は言うまでもなくイグニスとランドと隼太。
この試合で優勝校が決まる。そんな照りつける太陽よりも熱い試合を見届けるべく、私達4人とアクアも甲子園のスタンドに来ていた。
「いよいよだね。アクア」
「うん。なんか夢みたい。まさか優勝争いをするなんて、思ってなかったから。あ、これ、イグニスには内緒ね」
「わかってるよ。あいつ、そういうとこ、意外と繊細だもんね」
そう言ってすぐ、私は、前の日にイグニスから伝えるよう言われていたことを思い出した。
「あ、そうそう。実はさ、アクア。イグニスから伝言を預かってんの」
「イグニスから? 内容は?」
「『勝っても負けても、俺はこの試合に全力を尽くす。その勇姿をスタンドから見ていてくれ。そして、もし優勝できたら、その時はホテルのロビーで待っててくれ。お前に伝えたいことがあるから』だって」
その伝言を聞いて、アクアはその意味を理解したらしく、黙って了解した。
(こりゃ、勝っても負けても、ハッピーエンドになりそうだね)
アクアの様子からそう思った私は、その行く末に予想がつきつつも、全力で応援することにした。
セラフィムの能力
・投手能力
左投げ左打ち
球速測定不能(亜光速)
コントロール……S
スタミナ……C
SFF……7
Hスライダー……3
サークルチェンジ……1
モニカ=ワルキューレの能力
・野手能力
右投げ両打ち
ポジション……セカンド・ライト
ミート……C
パワー……D
走力……A
肩……B
守備……A
捕球……E
(アルファベットはS~G。変化量は1~7で表記)
ちなみに、前にも触れましたが、天国の時間の進み具合は、地上の1/4なので、モニカの年齢は8歳です。
彼女にまつわる悲劇と戦争については、別作品で。




