白旗上げたい
保健室に着いた私達は、早速、メデュシアナから話を聞くことにした。
「それで、悩みっていうのは?」
「その……あの……」
コウメイに面と向かってそう聞かれて、メデュシアナはモジモジとしてばかりで上手く言葉にすることができなかった。内気もここまで来ると厄介だね。
あ、つまりはそういうことか。この子は自分の内気な性格をなんとかしたいんだ。
書記とはいえ、内気すぎて言葉に詰まってるようじゃ、連絡事項もスムーズに伝えられないから、生徒会の会議にも支障が出るし、友達だって作りづらい。現に、アインは同じクラスなのに、ほとんど接点がないって言ってた。
けど、それで危険って、いったいどういうことなんだろう? ま、それは後でもいっか。今は悩みを解決することだけに集中しよう。
「大丈夫。焦らずゆっくり直していこう」
「は、はい……」
「じゃあとりあえず、帽子を脱ごっか。そんなのを深々と被ったままじゃ、相手の目を見て話すことなんてできないしね」
そう言って、私が帽子を取ろうとすると、メデュシアナは慌ててそれを止めようとした。
「あっ! 待ってください! それは……!」
そういった時にはもう遅く、私の手によって帽子は脱がされていた。
そこに現れたのは、美しい紫色の髪……ではなく、髪の毛1本1本が生きた蛇そのもの。
シャーッと鳴き声を上げて威嚇するそれらを目にして、私は吃驚した。
「どわっ! え? ちょ、メデュシアナ……? あんたってまさか……本物のメデューサァッ!?」
「今頃気付いたのか? 馬鹿者! 普通、名前の時点で気付くだろう!」
「うっさい! んなのあからさますぎて、逆にわかるかっつーの!」
そこまで言ったところで、私はハッと思い出した。メデューサが持つ有名な特殊能力のことを。
予想はつくが、そーっと振り返ってみると、案の定、コウメイとカスミンが石化していた。
「だから言ったんです……私、眼鏡とあの帽子をしていないと、人を石化させてしまうんです……」
「もしかして……それを直せ、と?」
「できれば……」
メデュシアナには悪いけど、白旗上げたーい。
だってそうでしょ!? メデューサの石化能力を消すなんて、天変地異を操作しろって言ってるようなもんじゃない! 頼む相手を間違ってるよ。瓢介……




