瓢介からの提案
「ま、おかげで色々知れたこともあります。あの騒動の詳細や、それにおける先生やアイン達の活躍。それと……岸川、お前の面倒見の良さとかも、な」
思ってもみない言葉に、私は面を食らう。
「へ? 私の?」
「おう。お前、この学校に入学してから、同級生の悩みやトラブルを解決しまくってるだろ? そのことをソフィーや、去年まで庶務だったユリウスから聞いてな。感心してたんだ。そんな正義の味方か何でも屋みたいな奴がこの学校にいるんだ、ってな」
面と向かってそう評価されると、正直こそばゆい。
「いやぁ、言うほど大したことはしてないよ。ただ、昔っから困ってる人や悪党を見ると、ほっとけないタチなだけで……」
「謙遜すんなって。んなガラじゃねぇだろ?」
「そりゃそうだけど……」
「つーか、もういっそのこと、ボランティア部でも作ったらどうだ? 俺でよけりゃ、許可ぐらいいくらでも出すぜ」
瓢介が陽気にそう言うと、ユリウスが待ったをかけた。
「会長! これ以上部を増やしてどうする気ですか!? ただでさえ形骸化していたり、活動内容が理解不能な部活が3分の1以上占めているんですよ! それなのに、また余計な部なんかを作ったりしたら……」
「なんだぁ? ユリウス。それじゃあまるで、俺が考えなしに部活をホイホイ作ってるみてぇじゃねぇか」
いや、今日会ったばかりだから、断定はできないけど、絶対そうじゃん。あんたのキャラからして。
「そ、そんなつもりでは……ただ、部費の面でどうかと……」
「どうなんだ? 恵比須」
瓢介にそう聞かれて、恵比須は手早く算盤を弾き、まだいけるという答えを出した。
その答えに瓢介はドヤ顔をし、ユリウスはぐうの音も出ない。
「その気持ちだけ取っとくよ。どっちかっていうと、私は帰宅部の方が性に合ってるし、わざわざ顧問の先生を手配すんのとか、面倒くさいでしょ?」
「顧問ならいんじゃねぇか。そこに」
そう言って、瓢介は千尋の方を見た。
それを見て、意味を理解した私は、全力で手を振り、拒否した。
「いやいやいやいや! 千尋なんか顧問にしたら、ツッコミどころがありすぎて、かえってこっちが面倒見るハメになるよ!」
そう反論したら、わかってくれたみたい。瓢介は笑って、同感してくれた。




