天然教師アルラウネ
とそこへ、背中にロケットブースターのような翼、頭に機械をつけた女の子が、緑色の肌をし、頭に大きめの花を咲かせた女教師を担いで入ってきた。
「度々すみません田中先生。ケガ人を連れて……」
そう言いかけたその子は、この状況を冷静に分析すると、
「……失礼しました」
と言って、立ち去ろうとした。
「ちょっとストップッ! お願い入ってきて! じゃないとカオスすぎて、どうしようもなくなるから!」
私達はその子を引き留め、彼女達を保健室に入れた。
お楽しみを妨害された千尋さんの方はというと、ブーと膨れてたけど、仕事とプライベートのオンオフは切り替えれるみたいで、改めて服を着て、仕事にとりかかった。
「って、はぁ……まーたこいつか。ウネ。大丈夫?」
「は、はぁい。すみません。またご迷惑おかけしますぅ」
間延びした口調で話すこの人の名前は、その名もアル・ラ・ウネ。
植物の遺伝子から人工的に作られた生命体・植物人間の中でも、特に植物要素の強い女性種・アルラウネっていう種族らしい。
一応生物教師兼2年A組の担任で、私達も3時間目にこの先生の授業を受けたとこなんだけど、とにかくおっとりしてて、マイペースでドジな人だから、授業もロクに進まないし、よくコケて保健室に行くようなケガもする。ま、良くも悪くもトラブルメーカーっていったところかな。
「で? 今度はどうしたの?」
「私が目撃した限りですが、何もないところで転倒し、2階から1階に転げ落ちていきました」
「ったく、なーにやってんだか。ちょっと待っててね」
そう言うと千尋さんは、奥の棚から薬品を取り出して、ウネ先生に手渡した。
「はい。私の友達にヒナっていう天国の病院の院長がいてね。そいつから貰った栄養剤。植物人間ならそれさえ飲めば、5秒もしない内に完治するよ」
「ありがとうございますぅ」
そう言うと、ウネ先生は栄養剤を飲み干し、職員室に帰ろうとした。
「では、失礼しますぅ」
「はいはい。礼はいいから、今後ドジらないように気を付けてね」
「はぁい、気を付けま……」
その舌の根も乾かぬ内に、ウネ先生は床に撒き散らされた〇液に足を滑らせて、顔からズッコケた。
「はぁ……言ったそばから……」
「というより、これはあなたのせいでは?」
カスミンからの指摘に、千尋さんはぐうの音も出ない。
「ウネ先生。体を洗浄することを提案します」
「うん。そうするわぁ。色々とありがとねぇアインさん」
そう言ってウネ先生は、顔を手で覆いながら出て行った。
今作は名前のみですが、ヒナも後の作品に登場します。




