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新しいスタートライン

 って、そんな自己満足が通用すると思ってんの? だとしたら甘いよ。アレクシア。


「そうやって、全部から逃げる気?」

 私からの一言に、アレクシアはピタッと足を止めて振り向く。


「だったら私は、あんたのことを一生許さない。みんなに謝りもせず、このままいなくなるなんて、そんな身勝手なことが許されると思ってんの?」


「それは……」


「それにさ、『異常な姿になった自分を誰が受け入れてくれる?』って言った? 確かに他のとこじゃほぼ無理かもしんないけどさ、あんたが通ってる学校は何? 異常や異能、特異体質なんて当たり前。異種族だらけの学校・界黎学園でしょ!? 私達の学校やこの町じゃ、あんたも私も他の人と何も変わらない。ノーマルなんだよ!」

 私の説得に、レミ達ももっともといった感じで、うんうんと頷く。


「アレクシア、人生を変えるなら今だよ。あんたにいらないことを与え続けた父親も、金も権力も今のあんたにはない。全てを失って0になったからこそ、自分を見つめ直して変わることができる。あんたは今、そのスタートラインに立ってんの」

 そう言って私は、自分を証明するために霊力で空中を浮遊しながら、


「私を見なよ。いっぺん死んで、人生をリタイアしたっていうのに、新しいスタートラインからまた走り出してる。ま、私の場合、そうできたのは、ある人のおかげなんだけどね」

 と言って、先生を一瞥してから、アレクシアの真ん前でふわりと舞い降りた。


「話は戻すけど、今言ったことは何も特別なことじゃない。死ぬかどうかは別として、人生を0からやり直すことは誰にでもできる。それはあんたにもできるし、そうなってほしい」


「ゆかりさん……」


「そのためにはまず、邪魔になるその余計なプライドや偏見を捨てないとね。そしたらあとは、勇気を振り絞って1歩前へと踏み出すだけ。それさえできれば、金や権力なんか無くても友達ができるし、幸せも向こうからやってくる」

 それを聞いて、アレクシアはハッとした。どうやら、私の言いたいことがちゃんと伝わったみたい。

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