昼食はエクセばぁの店で
オーグ達の事件から5日経った西暦2157年4月20日。昼休みとなり、食堂はいつもと変わらない活気を見せていた。
その一角にある人気店『エクセばぁのお店』で並んでいた私とコウメイの元に、待望の物が来た。
「はいよ。日替わり定食。お待ちどうさん」
「ありがと。あ、エクセばぁの特製スープもある! ラッキー」
「そんなに喜んでくれると、作った甲斐があるってもんだよ。さ、冷めない内に召し上がれ」
「はーい」
そう言って私とコウメイは日替わり定食を受け取り、ルンルン気分で席まで運んだ。
あの店の店主・エクセばぁは、地獄出身の本物の魔女。
魔法使いとしては、中の下ぐらいらしいんだけど、料理の腕がとにかく一流で、その魔力がこもった料理に惚れ込んだ理事長にヘッドハンティングされて、ここに来たらしい。
基本的にどれも安くて、最高に美味いんだけど、1番のおすすめはやっぱり、エクセばぁが2日間かけてじっくり作る特製スープ。これがまた、格別に美味いのなんの。エクセばぁの体力の都合で寸胴1杯分しか作れないから、すぐ売り切れちゃうのが難点だけどね。
そんな貴重なスープがついて300円の日替わり定食をテーブルに置いて、私達は席に座る。
そこには、私達より先に来てローストビーフを食べている霞の姿も。
「お待たせ。カスミン」
「あ、ゆかり。光明君。へー、そのスープ残ってたんだ」
「うん。ラッキーだったよ」
あの一件の後、私と霞は仲を深めていって、今じゃお互いのことを『カスミン』『ゆかり』と呼び合えるほど親しくなっていた。
そんなカスミンと、一緒にランチを食べる約束をしてたんだ。
「んじゃ、いっただきまーす」
「いただきます」
そう言って私とコウメイは、スープを1口飲んだ。
その瞬間、ここがパラダイスとすら思えるほど幸せな旨みが口いっぱいに広がる。
「あ~うまぁい」
「だよね~旨みが全身に染み渡るぅ」
言っとくけど、『霊だから飲めないのでは?』みたいな無粋なツッコミはやめてね。先生とサダコ先生のおかげで、普通に食事はできるから。




