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蜘蛛の巣

 正門を出て、音楽ホールに着くまでの間に、私達は理事長から事情を聞いてアラクネ用の鎮静剤を用意してきた千尋と、ウネ先生救出のために力を貸してくれることになったアイン。それと、あの一件でアレクシア達に拉致られていたレミと幸と合流した。


「レミ! それに、幸! あんたら、どうしてここに!?」


「千尋さんから話を聞いて来たの。あのバカお嬢とお姉ちゃんの友達を助けるんだよね? 手伝うよ」


「いいの?」


「うん。確かに、あの人達のせいで、私やお母さんはヒドい目に遭った。けどもし、私達が助けることで、あの人の心が変わるなら、今までのことを許してあげたい。お母さんも、きっと『そうしなさい』って、言うと思う」

 加害者をここまで許せる奴はそうはいない。聖女のような慈悲深さに感心した私は、幸の頭を撫でた。

 この優しさを無駄にするわけにはいかないね。覚悟を決めた私達は、化け物の巣窟と化した音楽ホールの内部に突入した。



 中に入ると、そこら中に蜘蛛の巣が張られていて、お化け屋敷も真っ青なぐらいおどろおどろしい感じとなっている。

 とりあえず、まずはアクア達を救出しなければならない。そう考えた私達は、逃げ延びた人の情報を得ていた生徒会2人に道案内をしてもらい、邪魔な蜘蛛の巣を払いのけながら捜索することにした。


 捜索開始から十数分。ソフィーとユリウスについて行った私達はメインホールに辿り着いた。

 そこには、ソフィー達の言うとおり、蜘蛛の糸で蓑虫状態になったアクアとウネ先生達の姿が。


「……どうやら、アレクシアは近くにいないようだ」


「でしたら、今の内に助けましょう」


「だな」

 そう言うとイグニスは、持参してきたボールを使って、ファイヤーストレートを連投して蜘蛛の糸を焼き切り、それによって落ちてきた人質をアインがキャッチして、ユリウスとソフィーの側に寝かせた。


 アレクシアがいないのもあってか、救出作業は順調に進み、最後の1人であるアクアも無事救出された。となれば……


「イグニス、アイン、ユリウス、ソフィー。あんたらはウネ先生達を病院に連れていってあげて。あとは私達だけで十分だから」


「わかった。言っとくけど気を付けろよ。お前らに万が一のことがあったら、あいつらに顔向けできねぇ」


「わかってるよ。イグニス」

 私がそう答えると、イグニス達はアクア達を連れてメインホールから出て行った。

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