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白熱の体育祭【騎馬戦】

 それから20分後。前をユリウス、左右をコウメイとカスミンが担当する馬に乗った私を先頭に、B組は騎馬戦が行われるグラウンドへと出陣した。1クラス8、9騎。全34騎が陣形を整え並ぶ光景は、まるで本物の合戦が行われるみたいで壮大だった。


 さて、これから最後の戦いが始まるわけなんだけど、その前にこの競技について説明させてもらうよ。

 界黎学園の騎馬戦は、3年生全員参加のバトルロイヤル形式。ハチマキを取るか落馬させるなどして、大将を落とすか全滅させれば勝ちってのは、一般的な騎馬戦と同じ。

 だけど、そこは異種族だらけの学園・界黎学園。怪我を負わせない程度なら、何でもありっていうルールが付け加えられている。

 ちなみに、D組とC組の大将は会ったことない奴だからよく知らないけど、A組は瓢介が、B組はコハクからの推薦で私が大将を務めることになった。


 この一戦で全てが決まる。士気が高まり、独特の緊張感がグラウンドに漂う中、体育教師は朝礼台に立ち、


「始めっ!」

 と、一声発して太鼓を打ち鳴らした。

 ついに決戦の火蓋が切って落とされた。


 開始早々、D組は全軍C組に向けて突撃し、C組は戦力を3つに分割して各クラスに襲いかかる。それに対して、私達B組とA組は自陣から1歩も動かず、攻め込んできたC組だけを相手して、専守防衛に徹する。

 無論、これもコハクの作戦。というのも……


「ねぇ、コハク。まだ動かないの?」


「うむ。今動けば、A組に背後を突かれ、奴ら諸共潰されかねん。ここはひとまず防衛に徹し、C組とD組が共倒れになるのを待とう」

 っていう考えがあったから。多分、瓢介もそう考えて自軍を動かしてないんだと思う。


 そうこうしてる内に、コハクの読み通り、C組とD組が早々に脱落。残ったのは私達と瓢介達だけとなった。

 お互い、戦力を温存してたおかげでほぼ無傷。邪魔者がいなくなった今、これで心置きなくあいつらと直接対決ができる。

 先に動いたのは……私達だった。


「頃合いじゃな。ゆかり!」


「OK! 全軍突撃ーっ!」

 そう号令すると、B組の騎馬がA組めがけて一斉に突貫する。

 土埃を上げて迫ってくる騎馬。それを見た瓢介の顔に動揺は……微塵もなかった。寧ろ、小バカにしたように高らかに笑ってる。


「かかったな! この勝負、先に動いた方が負けなんだよ! おめぇら、プラン通りだ。奴らを囲め!」

 瓢介がそう言うと、A組の騎馬が私達を取り囲み、


「今だ。天使隊、斉射ぁっ!」

 という指示と同時に、A組に在籍してる天使達が私達の足元に羽や矢、ビームを撃ってきた。


(これで奴らは足止めされる。あとは俺のプレッシャーで身動きをとれなくしちまえば、勝負ありだ)

 多分だけど、瓢介は勝利を確信して、そう思ってたと思う。

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