スマホ
アンソーネ7歳の春。落ちてきたのはスマホだった。
「お嬢様?!ご無事ですか?!」
すぐに使用人達が走ってきて安否を確認する。
「何か危険なものかもしれません!こちらへ……」
「いいえ、大丈夫よ。ちょっと触ってみ……ひゃっ?!」
いきなり画面がつく。
「こ、これは?箱の中に絵が?」
「お嬢様、やはりこちらへ……」
「大丈夫と言ったはずよ。私はこれか何か部屋に戻って確かめます。貴方達はコレの後片付けを!」
「はい!」
アンソーネはそ言うと部屋に戻って行った。
「それにしてもこれは……」
画面を触ってみると画面が変わる。
「不思議ね……」
慣れない手つきでぎこちなくスマホを触ってゆく。後始末を終えた使用人長がアンソーネの元にやって来る。
「お嬢様、皇太子殿下が……」
「あーー!!」
「?!どうされました?!」
「貴方のせいで変なボタンを押しちゃったじゃない!!」
「も、申し訳……」
「あー、もう、ここをこうして……えーと……」
「お嬢様、皇太子殿下が……」
「え?!クリスト様が?!」
アンソーネはスマホを置いて応接間へとかけて行く。
「そういうのはもっと早く言いなさいよ!!」
アンソーネは応接間へと入るとそこには金髪蒼眼の美少年がいた。
「クリスト様!!」
「ああ。」
「出迎えできずに申し訳ありませんわ!」
「ああ、別に構わん。」
「何故ここに?」
少年は少女に興味無さそうに最低限の言葉でしか会話しない。
「父上からたまには許嫁の様子を見てこいと、言われたからだ。」
「まあ!お義父上様ったら……いやだわ、まだお義父上様と呼ぶのは早いですわね。ふふふ。」
「そうだな。」
とくに興味が無さそうに空虚に返事を返すクリスト。対してアンソーネは楽しそうだった。
「では、顔も見たし帰る。」
「そ、そんな!もう少しいてくださいまし!」
「忙しいんだ。では。」
「ごきげんよう。」
アンソーネはその場に立ち尽くした。クリスト様は次期国王になられるお方。忙しいのは仕方がないと自分に言い聞かせながらもそれでも不満を漏らさずにはいられなかった。アンソーネはクリストが去った後の虚空を見続ける。
「クリスト様……」
クリストは次期国王になる人物で、アンソーネはその次期妻である。アンソーネは公爵家令嬢。そんなアンソーネと次期国王たるクリストの婚約が決まったのはアンソーネ、5歳の時。アンソーネの一目惚れだった。レンブラン公爵はそんな娘の気持ちを好機と捉えて婚約を斡旋。結果話はトントン拍子に進み、2人は婚約する事になるのだが、クリストは気が進まなかった。ただ、国王の命令故に婚約する事になる。クリスト自体はアンソーネに対して好意を持っていないが、婚約話避けに丁度いいとアンソーネを利用する事にした。そんな2人故に話は噛み合わない。
部屋に帰ったアンソーネはすぐにスマホを手に取った。アンソーネは覚えは早い方だった。それゆえにスマホの使い方をさっきの時間である程度学習していた。アンソーネは夢中になってスマホを使っていた。
「全く、クリスト様ったら。もう少しいて下さってもいいと思いますわ……?!」
なんて愚痴りながらスマホをいじっていると引きこもりと言うワードが出てきた。
「引き、こもり?」
続いて別のワードが出てくる。
「JAPAN……現代日本?……悪役、令嬢?」




