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ArcanaReWrite  作者: 上月琴葉
第三部ステラ・マリス
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断章――第一夜

 夢を見ている。


 どこかわからない薄暗い洞窟の中で、場違いなほどに白い美しい花が揺れていた。


 洞窟に適応した種なのか、それとも何か他の理由があるのか、花自体が淡く発光している。


 歩き出して、洞窟の床がぬかるんでいることに気づく。


 花は僕を導くように、咲いていく。


 たどり着いたのは白い花が咲き乱れる地底湖だった。


 触れようと手を伸ばして、


「その白い蓮に触ってはだめよ。囚われてしまうから」


 優しい声に手を止めた。


 雪のように白い少女だった。


 対照的に、彼女の瞳の色は太陽を映したような橙色。


「君の名前は?」


「わたしは、ヒバナ。あなたは、ツムギよね。ふふ、なぜ知っているか、かしら?女の子には秘密が多いとだけ言っておくわ」


 ヒバナはそう言って微笑んだ。


「ヒバナ、どうして君は、こんな場所に?」


「……そうね、今はまだ、語るべき時ではない。かしら。あなたが旅をしていく中で、この世界の真実に触れていくたびにきっと、明らかになっていく」


 ヒバナは向日葵のブローチを夢の中で僕に手渡した。


「また、次の夢で逢いましょう。このブローチは私の祈り。あなたに託すわ」


 夢が終わる。


 夢から醒めた枕元には、ペリドットとサンストーンがはめ込まれた向日葵のブローチが静かに輝いていた。



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