9 パリは燃えているのか
???「鼓膜にもウェイトトレーニングをしておくんだったな!」
>>>ジャック 1967年2月14日 夕方
今日も大変だった。
やることを探すのがな。
この国は軍人に全部やらせて警官には何もさせないのか?随分と警官へのサービス精神に満ちてるな。
その割には今日1人も軍人を見なかったが。
久しぶりにあそこで晩ご飯でも食べたいな、次の交差点でハンドルをきればいいはずだ。
もう6時なのにまだまだ明るいな、流石は“炎”国だな。俺の国なら2月のこの時間帯はもう真っ暗だ。それにそこまで寒くないしな、特に今日はなんとなく温かいくらいだ。
「ピーーーーーーー!」
クラクション?今信号は赤だ、俺はおかしなことはしてない。
間違っても変な運転で俺の愛車に傷をつけないでくれよ。
まだ信号が変わるまで時間がある、窓を開けて後ろを確認しよう。
「どうしたんだ?」
…
夕焼けじゃなかった、
オレンジ色の空は夕焼けじゃなかった。
オレンジ色に輝いていたのは建物だった、この街の建物、そのひとつひとつがオレンジ色の炎を上げていた。
燃えていたのはこの街だ。
俺はすぐにUターンした。
とにかく中心に向かうんだ、この炎の中心に、決めたじゃないか、“平和に生きようとする善人が理不尽な目にあうのは見たくない”、誰もあんな目にあわないように。
クソ、車をガードレイルにぶつけた。
こんな事で時間を無駄にしてる場合じゃないんだ、無理にでも動かす。
住民A「ヴェンデッタが来る、、!」
ここが中心か?
ヴェンデッタはなんなんだ?
「そこのあんた、ここで何が起きてるんだ?」
住民A「悪魔が、、悪魔が!!、」
「待ってくれ、状況だけでも教えてくれ!」
なんなんだ、マジで悪魔が来たとでも言うのか?
住民B「そこの警官!オリバーを助けてくれ!俺の筋トレ仲間なんだ、瓦礫に足を取られてる!」
そりゃまずいな。
「もちろんだ、場所を教えてくれ」
住民B「あぁ、こっちだ」
「よし、そっちを持ち上げてくれ!」
住民B「ああ!」
重いな、、!
オリバー「あ、ありがとよ、警官の兄さん、」
「立つんじゃない、足が折れてる」
オリバー「はは、あ、足のウェイトトレーニングが足りなかったか!」
住民B「オリバーを助けてくれて本当にありがとう。警官、悪魔がついに反乱を起こしたんだ」
この街を今燃やしてるヴェンデッタとやらはその“悪魔”達が作った組織?つまりこの前俺が助けようとした“悪魔”は、、本当に悪魔だったのか?
???「おい、そこのポリスメン!何してやがる!!え?俺たちを逮捕しにでも来たのか??軍人でもねぇのにか!?」
“ヴェンデッタ”か?
ふざけるなよ。
ヴェンデッタ構成員「おぉ?銃を抜くか?ポリスメンには何ができるんだ?正義のヒーローごっこか??」
「そうだ」
ヴェンデッタ構成「うぐ、、」
でも銃は抜かないさ、首を締め、お前を気絶させる。署で話を聞かないといけないからな。
住民B「あんた強いんだな、俺達も一緒に行動していいか?」
オリバー「ダメだ!!俺は足手まとい、行くのは“俺達”じゃない、お前だけだ、ボブ!警官の兄さん、こいつの事を頼みます」
「バカ言うな、あんたも一緒に来るんだ」
近くのカフェに一旦オリバーとボブを連れていった、カフェの中はめちゃくちゃ、外にはヴェンデッタ、全く悲しい状況だ。
まずはクロエに連絡しよう。あの時連絡先をくれたのがここで役に立つとは。
クロエ「なにデートの誘い?」
酔っ払ってるのか?
「“趣味のいい”カフェにならいるな」
クロエ「今どこにいる?」
「ベルヴィーニュだ、街がヴェンデッタという反乱組織に燃やされてる」
クロエ「…なんだと?軍は何をしている!?ジャック、電話を切るな、今1人か?」
「負傷者が1人、市民が1人だ」
クロエ「状況を把握したらすぐに避難誘導をする、負傷者は1人、市民は合計2人だな?」
「いや待った、市民は384人だ」
クロエ「…全く困ったヤツだ、ジャックはそういう人だったな」
384人、警察署で知ったベルヴィーニュの市民の人数だ。
やれるだけやってやるさ。
それにしても参ったな、今カフェの外に敵は5人、市民を守りながら相手にできるのは3人か、、
それにこのカフェだか、爆発アーツでもぶちこまれたのか倒壊しかけてる、長くここにいるのは危険だ、下敷きになりたくはないからな。
どうすればいい?出ないと死ぬ、出てもダメ。
ジレンマか。
>>>クロエ 1967年2月14日 夕方
ジャック「市民は384人だ」
なんてこった、、
今すぐ“職場”に向かわないと。
女性A「どこ行くの?シドニー?」
「私の服どこ?」
女性A「服って、もう行くの?ねぇ?」
クソ!服が見つからない、ベッドのシーツひっくり返せばどっかには、、!
あったあった、よかったー。
女性A「え、ちょちょ、ねぇ!待っ、、」
シドニーを探しても私にはたどり着かないよ。
なんでってシドニーは母さんの名前だからな!!
ホテルはチェックアウトだ、でもまぁ緊急時だしめんどくさいから今はなしで。
「もしもし、私だ。」
部下「映像はもう送ってます」
部下「あなたの“大事な用事”の間に皆もうベルヴィーニュについて既に聞いていますからね、ねぇ?“シドニー”さん?」
ん、あっそうなんだ。それは良かった。
映像は空から撮影されたものだ。空からだとよく見える、本当にベルヴィーニュは燃えている。
映像に移る1つのビルの上に人が見える、少なくともシロには見えないな。
しかも面白いことにそいつは有名なやつだった、神経毒をばらまく“ミスト”と呼ばれてるやつだ、廃都市出身で名前は不詳、仲間からはJと呼ばれているらしい。
こいつがヴェンデッタとやらを立ち上げたと見て間違いは無さそうだ。
ビルから下っている?遭遇したら危ない、ジャックに伝えなければ、、
電話でねーーーー。
あーもう、まぁいいや。
チッ、さっき途中だったからすんごいイライラする。
、、もしかして電話に出ないんじゃなくて出れないのか?
ん、電話が鳴った。
さっきの部下「クロエさん、まずいです!!通信もドローンも全てが切断されました!」
通信を妨害する魔法か?
「やむを得ない、私が動く」
さっきの部下「男でもいるんですか?」
?いや普通こういうシーンってさ、なんての?おお!あのクロエさんが!みたいなんは、、まぁない感じなのね
「そうだな、未来有望の新人警官ってとこか?」
さっきの部下「真面目に返さないでください、温度差で寒気がします」
おまえは本当に私の部下でいいんだよな?
さっきの部下「あとあなたは中央都市にいる必要があります、いきなり“私が動く”とかカッコつけられても困るんですよ、だいたいあなたは、、」
「いやー通信が切断されちゃったなー!」
よし、お前は減給だ。
ところでクロエ休日なので何も悪くないです。




