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運河が張り巡らされた砂漠と雪の惑星に住んでいるけど質問は?~ついでに言うと私は17歳以下の女の子が大好きだ~  作者: 256進法


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リザードマン討伐(中編)

相変わらず、カワイくておバカなミーナちゃん❤️


~4時間後~

~砂漠のナベアツ亭~


甲冑に包まれた筋骨隆々の巨躯と、鷹の様な鋭く黄色い瞳が店内を見回した。

彼は店に入るなり、椅子に座り込む。

椅子が軋みを上げるが、男はお構いなしにもたれ掛かった。


「女将、水とステーキライスを」


「はいはい」

「少々お待ち下さいませ」

「先にお冷やをお出ししますね」


水を出された大男はコップを持つと、一気に冷水を流し込んだ。

男に握られたコップは普通のサイズにもかかわらず、子供用かのように小さく見えた。


「……女将」

「いや、セレン・ハルタ」

「まさか、あの【青の旗手】がこんな場所で酒場と食堂を営んでいるとはな……」


「あらあら」

「こちらも、まさか【ナイト・フォー・ナイト】のガスコーニュさんが来店して下さるなんて……」

「あの金髪のカワイイ男の子は一緒じゃ無いの?」


「アイツは今『課題』をこなしている所だ」

「メシを食ったら進捗を見に戻る」


セレンは肉を焼きながら、振り返ってクスクスと微笑む。

青い髪が背中から太ももに掛けて、艶やかにうねった。


「相変わらず面倒見が良いんだから~」


「フン、言ってろ」

「しかし、10年前と全く変わらないな、お前は……」


「あら。私を口説く気?」


「聖騎士を辞めたらな」

「……この町に来た一番の収穫は、お前に逢えた事だなセレン」


セレンは何も言い返さず、笑顔のまま米を鍋に入れ、肉と一緒に炒め始める。

鍋と一緒に、その豊満な乳が上下左右に揺れる。


「──セレン」

「お前の協力が必要だ」

「謝礼なら幾らでもする」


「もう現役は引退したのだけれど」

「でも、アナタがそこまで頼み込むって……余程の事態なのね」


「……ああ」

「良くない流れだ」

「このままだと、また大戦が起きる」


「……それは、この町にも……そして私にも良くない影響が来る……」


セレンの琥珀色の瞳は悲しげな輝きを伴い始めた。

そして、セレンは鍋へスライスしたニンニクを落としていく。


「そうだ」

「……協力してくれるか?」


セレンはガスコーニュの言葉に対し、優しげな笑みを浮かべて首と青いお下げを横に振る。


「ここに居ると、手間の掛かる子ばかりが私を頼ってくる」

「でも、そんな今が楽しくてしょうがないの」

「今は彼女達の立ち直りと成長、それを見たいかな~なんて!」


(……これが本音だな)


「だから、彼女達がここを巣立つまで私はここを動かない」


「……巣立たなかったら?」


「それはそれで幸せかも!❤️」


(……これは本音……なのか?)

(……こうやって煙に巻くのも相変わらずだな)


セレンはステーキライスを盛り付け、ガスコーニュの居るテーブルまで持って来て置いた。


「サービスで特盛りにしておいたから!」

「10年前のアナタだったらペロリだったわ!」


「全く……お前には敵わないな」


ガスコーニュは静かに笑い、ステーキライスを大きなスプーンで掬った。



~2時間後~


「あー疲れた!疲れた!」

「女将!麦茶とタコライス二つ!!」


店へ入ったミーナは暖簾を鬱陶しそうに避けながら、その赤髪を払って言った。

セレンは洗い物をしながら汗に塗れた顔を上げ、笑いかける。


「あらあら❤️」

「任務は無事終わったのかしら❤️」


「──スマン、女将」

「『今回の依頼はこなせない』とギルドへ伝えてくれ」


「……どうして?」


ミーナは回りにクリオネしか居ない事を確認し、身を乗り出してセレンの耳元へ顔を近づける。


「付近のリザードマン達を率いて居るのは【ハーン】で、【草原の英雄】直系だ」

「長い旅を重ねて来たアイツ等は一度築いた居場所の為なら、死ぬまで戦う」

「それに……」


「それに?」


「梨を美味そうに囓るアイツ等を見たら、戦う気が失せちまった」

「……違約金なら払う。今回はアイツ等を見逃してやってくれないか?」


セレンはミーナの頭を抱えて撫で回し始める。

豊満で弾力のあるおっぱいで、ミーナは窒息しそうになった。


「ミーナちゃんはホント優しいんだから~~❤️!」


「むぐぐぐ……!」


ミーナはおっぱいの圧力とセレンの汗、そしてセレンの芳醇で爽やかな匂いで頭がクラクラし始めた。2人のやり取りを見ていたクリオネは、自分で麦茶をコップへ入れながら言う。


「……私もミーナさんと同意見です」

「彼等程誇り高く、それでいて物に執着しない()達は見た事ありません」

「何故、一緒の町に住めないんでしょうか……」


セレンはヘッドロックを解き、ミーナを解放する。

ミーナがクリオネの質問に答えようとしたが、セレンは制止した。


「私が答えるわ❤️」


「……分かった」


セレンは再びエプロンを取り出し、その色気すら漂う首元で紐を結んだ。


「クリオネちゃん。【教会】の存在は知ってるわね?」


「はい。私は北方出身なので、なんとなくでしかないですけど……」


「同盟・共和国・帝国・公国……世界の6~7割の国では【フリス教旧派】が信じられているの」

「この【フリス教旧派】のコントロールを担っているのが、教都テトラグラマトにある【教会】……」

「そして、その【教会】が信仰の基準として絶対視しているのが【教典】よ」


セレンは何かの肉を魔導冷凍庫から取り出し、肉挽き器で挽き始めた。


「そしてその【教典】の内容にこそ、リザードマン達と共生出来ない理由が在るの」


「理由……」


クリオネはコップを握り締めた。


「【神は人間を世界の主にする為、魔術と冶金の技術を与えもうた】」

「この一文が理由よ」

「そしてリザードマン達は……」


「『金属に嫌われている』」

「ですよね?」


セレンは嬉しそうに微笑み、クリオネの銀色の髪を優しく撫でる。


「賢いわね、クリオネちゃんは」

「でもその賢さ、余り表に出しちゃダメよ?」


ミーナは頬杖を付きながら、セレンの言葉を引き取る。


「リザードマン達が人間社会から排除されているのはそれもあるが……」

「アイツ等は私の眼から見ても、無欲過ぎるぜ」

「知ってるか?リザードマンの社会には奴隷が無いんだ」


「……え!?」


クリオネは驚き、青い瞳をミーナの方へ向ける。


「何で無いか、って聞いた事あるんだけどさ……」

「『全員が戦士であり狩人だから』なんだとよ!」

「アイツ等、自分の事は全部自分でやるんだぜ!大したモンだよ!」


ミーナは笑顔で緑色の瞳を輝かせ、宝石が嵌められた石の腕輪を掲げる。


「この腕輪だって、アイツ等にとっちゃ何時でも作れるモンなんだ」

「でも、それには掛けた時間と手間、そして感情が籠もってる……」

「それらが奴等に取っての本当の価値さ」


「ミーナさん……」


クリオネは自然と、ミーナの横顔をはにかみながら見つめていた。

野菜を切っていたセレンは手を止め、2人に向き直って言う。


「2人に私からちょっとした『お使い』を頼まれて欲しいの」

「報酬は【1週間どんな料理を頼んでもタダ】よ」


「「えっ!?」」


「本当よ。ミーナちゃんの大好きな倍ダブルチキンバーガーも食べ放題❤️」


「マジか!?」

「ぃよっしやぁっ!!」


ミーナは腕を上げ、赤い髪を揺らしながら笑顔で跳び上がった。

そしてセレンは店の奥から大きな袋を引っ張り出し、ミーナの前に置いた。


「これを明日の夕方までにリザードマン達へ届けて欲しいの」

「中身を見てはダメよ❤️」


「あの~女将さん?」


「ん?❤️」


「私が依頼を中断する事を分かっていて、最初から準備していたんじゃ……」


ミーナは笑顔のセレンに口元を摘ままれる。


「相変わらず、カワイくておバカなミーナちゃん❤️」


「ひゃ、ひゃい、ひゃはりまひひゃ……!」


そのやり取りを見ていたクリオネは、笑顔でミーナの腕に抱き着く。


(やった!またミーナさんと外に行ける!)


ミーナは暖かい高揚を僅かに感じ取りながら、セレンの指を必死で引き剥がした。



~同時刻~

~市政庁・会議室~


「ここなら岩場が多く、地形的にリザードマンが潜み易いでしょう」

「しかし道が狭く物陰が多いので、近接重装備の盾兵を前にして進軍・捜索するのが妥当かと」


金髪碧眼の美男子が、地図を指揮棒でなぞっていく。

しかし、ガスコーニュは鉄灰色の髪を掻き、ため息を付きながら言う。


「60点だ、ロベール」


「え……」


ガスコーニュはその太く長い指で、地図を次々と指していく。


「中軍の横合いから、伏兵が仕掛けて来たらどうする」

「リザードマンは弓の扱いや、斬り込みの奇襲に長けている」

「先陣だけに重装備の兵士を固めれば、小部隊による分断伏兵攻撃には対応出来ない」


「し、しかし、リザードマンが伏兵戦術など……」


「敵を侮るな!!!」


ガスコーニュの怒声が会議室どころか建物全体を震わし、執務室で茶を啜っていた市長は椅子から転げ落ちた。

ロベールの青い瞳は完全に動揺し、彼は口を開けたまま硬直していた。


「リザードマンは高い知性と戦術能力を持つ、優秀な戦士達だ」

「連中を舐めて掛かり、してやれられたケースも少なくない」


「……っ」


ロベールは返事が出来ず、息を絞り出すのがやっとだった。


「歴史に名を残したり、名を上げた聖騎士達は例外なく異種族への対処が上手かった……」

「その意味は分かるな?」


「はっ、はい……!」


「真に有能な聖騎士は……例え相手が武器を持たない子供でも、敵と認めれば決して侮らない」

「これを仕留める為、常に全力と命を賭ける……これが基本だ」

「その基本が出来て、初めて民と信仰を護れる」


ガスコーニュは窓に掛かったカーテンを開ける。


「もっと自分の五感を使って情報を集めろ、ロベール」

「論理や理屈に囚われず、あるがままを受け止め、それを信仰で培った強靱な心で消化しろ」


「はい!!」


ロベールは口を結んで姿勢を正し、胸の辺りで十字を切った。




女将はかつて世界中を回っていた為、大抵の料理は作れます。


ここまでお読み下さりありがとうございました。


「面白かった」「期待している」「女将好き」

「女将もガスコーニュもREKISEN過ぎる……」「ベテラン同士の雰囲気好き」

「ミーナもクリオネもかわいい」「自分もヘッドロックされたい」「完全に女将の掌の上だわ、コレ」

「ガスコーニュのプロ意識好き」「ロベール君、未熟なエリートって感じで好き」


と、どれか1つでも思って頂けたら、ブクマ・評価・感想頂けると励みになります。

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