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運河が張り巡らされた砂漠と雪の惑星に住んでいるけど質問は?~ついでに言うと私は17歳以下の女の子が大好きだ~  作者: 256進法


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10/13

砂漠の星空

ふふっ

ちょっと下品でおバカですけどね

でも、それが堪らなく愛おしくなっちゃうんです


鑑賞用BGM:https://www.youtube.com/watch?v=CTAud5O7Qqk


~草木に覆われた岩場の奥~

~リザードマン達の村・テントの中~


ガスコーニュが去った後、ミーナとクリオネはリザードマン達に村へ案内されていた。

ミーナは背中の辺りを触る。


「背中痛くて今日は仰向けで寝れねぇわ……」

「畜生、あのオッサン……!」

「普通の人間だったら、叩きつけられただけで死んでるぞ!ったく……」


クリオネはミーナの服を捲り、背中を見る。

彼女の背中には巨大な円形の痣と、打撲痕が出来ていた。


「……!」


クリオネはその有様に、思わず痣へ触れようとした。

ミーナはリザードマンの薬師から貰った、痛み止めのジュースを飲みながら言う。


「ヘーキだって」

「それに触れると、お前も痛むぜ」

「感覚共有してんだからな」


しかし、クリオネはそっとミーナの痣へ触れた。

そしてクリオネは呟く。


「……ありがとうございました」

「ミーナさんが居なかったら、私は誰かの道具として死ぬまで使われていたかも……」


「ヒャハハハッ!」

「ガスコーニュのオッサンなら大丈夫だと思ったけどな~~!」


その時、ミーナの背中へクリオネのビンタが炸裂した。


「ぃちっ!?」


「ミーナさんのそういう所キライですっ!」


クリオネはプンプン怒りながら、そのまま外へ行ってしまった。

そして、入れ替わる様に一人のリザードマンが塗り薬を持ってやって来た。


『これを塗れば、痛みも腫れも収まる』


『ん、あんがと』

『それ、私用にわざわざ配合してくれたのか?』


リザードマンはミーナの背中に薬を塗りながら言う。


『──我々の祖先が巨大帝国を築いていた時、その支配下には多くの種族が居た』

『無論人間もだ。その時に異種族の怪我や病気をも治す技が生まれ、発展したのだ』

『その技がほんの一部だけだが、こうして秘伝として伝えられている』


『……教会とかとは考え方が全く違うな』

『あっちは何かあったら神聖魔術か、瀉血か、手足の切断だし』

『北方連合では科学的治療?が発展してるみたいだけど、私はそこの人間じゃないから良く分からん』

『……お前等の治療法って何処まで進んでたの?』


『これは私も祖父の祖父から、ほんの二、三度聞いた事だが……』

『人を麻の実で眠らせ、頭を切り拓いて病巣を直接切り取っていたらしい』


ミーナはその言葉を聞いて、背筋を震わせる。


『ヒェ~~~ッ……!』

『想像するだけで眠れなくなりそうだぜ……』


『私も聞いたその日は、寝付けなかった記憶がある』


『ちょっと気になったんだけどさ……』

『その手ので、他にはどんな言い伝えがあるんだ?』


『【金髪金眼の女が臓腑から血の涙を流し、その血が草木を枯らした】』

『【そして女の骨が星を刻み、金色の髪が雪を編んだ】、と』


ミーナは首を傾げながら言う。


『う~~ん、全くわからん』


『だろうな……私もその意味を読み取れなかった』

『何かの訓話や警句かもしれないが……』

『その内実を問い質そうとすると、長老達は皆口を閉ざした』


『なんかの厄ネタかもな』

『今気にしてもしょうがないけど』


リザードマンは薬を塗り終わり、ミーナは服を降ろす。

ミーナは立ち上がり、リザードマンの背中を軽く叩く。


『助けてくれてありがとな!』

『何か困った事があったら、絶対力になるぜ!』


『──我々こそ、お前に感謝したい』

『我々はお前の姿に太陽を視た』


『ヒャハッ!』

『大袈裟だっつーの!』


ミーナは入口の毛布を開け、テントの側にしゃがんでいたクリオネへ言う。


「なんか良い匂いするな……メシ食いに行かね?」


クリオネは白い頬を紅くして膨らませ、そっぽを向いて言う。


「……もう二度と自分を粗末に扱わない、って約束して頂けたら……」


「はいはい、分かった分かった」


「『はい』と『分かった』は一回だけです!!」


「つまり、私と一緒にメシが食いたいって事か」

「よしよし」


ミーナはクリオネの銀色の頭を撫で回した。

クリオネは彼女の手を払わず、半ば嬉しそうであるかの様な顔で地面を見ていた。

ミーナの鼻が動く。


「う~~ん、この匂いは洞窟から……」

「行くぞ、クリオネ」


「……はい!」


二人はテントの横の洞窟に入って行く。

洞窟の中は肉と香草と植物の匂いが混ざり合い、芳醇な匂いで満たされていた。

ミーナは料理を作っているリザードマン達へ言う。


『何作ってんだ?』


『キヌアと肉の雑炊だ』

『疲れた体へ特に良く効く』


『キヌア??』


『塩湖周辺で栽培出来る、この地特有の植物だ』

『栄養が良く、軽い病なら数日で元気になる程だ』


リザードマンは木製のレードル(おたま)をミーナへ差し出し、ミーナは肉雑炊を掬ってがぶり付いた。


『う、う、うめぇ~~……!!』

『腹に力が入って来る様な感覚がするぜ!』

『もう一杯貰えるか!?』


リザードマンは愉快そうに笑い、頷いた。

ミーナはキヌアの肉雑炊をもう一杯掬い、呑み込んだ。


「くぅ~~~っ!」

「コレコレ!」

「染み渡るなぁ~~!オイ!」


幸せそうなミーナを見て、クリオネは喉を鳴らす。

ミーナはニヤつきながらもう一杯雑炊を掬い上げ、クリオネの前まで持って行く。

湯気がクリオネの鼻腔をくすぐる。


(えいっ!)


クリオネは目を瞑ってレードルの中に溜まっている、肉雑炊へ食い付いた。

彼女の味覚がたちまちに拡張されて行く。


「おいしい……」


『──やったぜ!王女様のお墨付きだ!』


ミーナは笑顔で、調理番のリザードマンと肩を組み、拳を突きつけ合った。

ミーナは肉とキヌアを噛みながら言う。


「このキヌアっての……ウラで捌けるかもな」

「女将を経由すれば、多分楽勝だろ」

「金持ちのジジババにはウケそうだぜ」


「ミ、ミーナさんまた金の事考えてる……」


「悲しいかな、人間の世界はまだ金が現役なんだ」

「それに……お前の食い扶持稼がないといけないし」


「あっ……」


ミーナは笑いながら、クリオネの肩を小突く。


「まぁ心配すんなよ」

「最低1週間は女将の所でタダメシ食えるし」


「……そこから先は?」


「ノープランです(キッパリ)」


クリオネはポカポカとミーナを叩き始める。

ミーナはクリオネの頭を抑えながら言う。


「光明見えたから心配すんなって」

「リザードマン達と物々交換で交易して、女将や闇商人を経由して売り捌けば良いカネになるハズだから」


「ミーナさんってお金の計算出来るんですか……?」


「おいおい、バカにすんなよ」

「ニケタの計算とか、4ケタの引き算足し算とか、楽勝でこなせるんだぜ?」


ミーナは自信満々そうに胸を張った。

クリオネは彼女の大きな胸を見ながら言う。


「……では7 × 6は……?」


「46だろ?」

「それぐらいチョロいって言ったじゃん~~」


クリオネは軽くため息を付いて言う。


「42です」


「へ??」

「いや、どう考えても……しちろくしじゅーろくだろ??」


「すみません、ミーナさん」

「それ考えるモノじゃないんですよ」

「7個の物を6つずつ揃えたら、42個になるんです」


驚異的な初歩段階で、互いの主張(?)が対立した。

ミーナは顔に汗を浮かべながら言う。


「し、しかしだな……」


「いや……しかしとかじゃなくて……」

「というか、そこに食い下がってどうするんですか?」


「何処までも食い下がって生き抜くのが、私のスタイルだ!」


「1000年食い下がっても、この件はミーナさんの完全敗北です」

「取り敢えずこの話はここでおしまいです」


「あ、あの~~」


「お し ま い です!」


「ふいぃぃぃ~~っ……!」


ミーナは変な呻き声を上げ、その場で横に卒倒した。

そしてミーナは両膝を付き、必死の形相でクリオネに縋りつく。


「た、頼むから女将にだけは……!!」


ミーナちゃん28さいはその緑色の瞳をウルつかせ、クリオネの慈悲に訴えた。

クリオネは縋りつくミーナの頬を押し退ける。


「いえ、この件は報告しなければならない……」

「余計にそう思いました。以上」


答えは無情だった。

ミーナの全身が汗塗れになる。


「あばばばばば……」

「一旦町から逃げ……いや、ダメだ……女将からは逃げられねぇ~~っ……!」


ミーナは口から魂を出して失神した。

クリオネはミーナの魂を引き戻しつつ、砂地に掛かれた図形と計算式に目を留める。


「これ……まさか三角測量の計算式……!?」


クリオネは大きくなった青い瞳を、行き交うリザードマン達へ向ける。

しかしリザードマン達は次々に、その計算式を足の鉤爪で消し去っていった。



~夜~

~焚き火の周り~


ミーナは砕かれ、巻かれた葉の塊を覗いて言う。


『いや~~』

『このハッパ最高だな!なんか、頭が《ポワポワ~~》ってするぜ!』

『前から思ってたけど、なんのハッパ使ってんだ?コレ』


『麻の葉っぱだ』


『へぇ~~麻って服以外にも使えたのか~~』


リザードマンはミーナへ麻の葉を見せる。

5〜9枚ほどの細長くギザギザした小葉が、『やぁ、こんにちは!』とミーナへ語り掛けて来ていた。

ミーナは首を傾げる。


「アレ?」

「葉っぱって喋れたっけ??」


クリオネは半ばラリラリなミーナへ、呆れながら言う。


「……ミーナさん」


「ん?」


「葉っぱは喋りません」


「知ってるよ??」


「では、なぜ話しかけているんですか?」


ミーナは麻のハッパを吸いながら答える。


「向こうから話しかけてきたんだよ」

「『やぁ、こんにちは!』って」


「…………」


ミーナはクリオネではなく、白い石に向かって語り掛けていた。

ミーナは石を軽く叩き、笑顔で言う。


「つれないな~~クリオネ~~!」

「お前もハッパやれよ!」

「お友達が増えるぜ!」


「やりません」

「あとそれは石です」


そこへ石の腕輪を付けたリザードマンが現れる。

ミーナは何かとシャドーボクシングを始めていた。


「白い国の王女よ、料理は口に合ったか?」


そのリザードマンは町で使われている様な言葉で、クリオネへ話し掛けて来た。


「きょ、共通語を……しゃ、喋れたんですか……!?」

(は、【ハーン】!?)


「敢えて言う事でも無いと思ったからな」

「それにこれはある人物から教わったモノだ」


「ど、どんな人からなんです……?」


ハーンの目が星空を見つめ始める。


「大地の女神、その生まれ変わりだ」


(ま、まさか……)


ハーンはクリオネの隣に腰を下ろす。


「白い国の王女……」

「白い国では、【死】をどう扱っている?」


「生命が活動を停止する事……」

「そしてその細胞が壊れて、別の物質になる事です」


ハーンは、岩へヘッドロックを掛けるミーナを見ながら言う。


「かつての我々の様だな……」


「え……?」


「死は存在しない。生きる世界が変わるだけだ」

「死など大した事ではない。苦痛も大した事ではない」

「だが臆病風に吹かれる事は万死に値する罪であり、これ以上の恥辱はないのだ」


「だから、私達を助けたと……?」


ハーンはすりこぎで、麻の葉と木の実をすり潰し始める。


「それは一つの理由に過ぎない」

「だが、それ以上にあの飾らない太陽が、眩しく見えたのかもしれない」

「かつて我々が失った何かが、まだ生きていた……」

「それだけで戦いに赴く価値があった」


クリオネはリザードマンの意図する所の『太陽』が何かを、その時理解した。


「ふふっ」

「ちょっと下品でおバカですけどね」

「でも、それが堪らなく愛おしくなっちゃうんです」


クリオネは石にキスをし始めたミーナを止める為、そこから立ち上がった。



ここまでお読み下さりありがとうございました。


「面白かった」「これから期待している」「もうロリつ……相棒だな!」

「リザードマン達の文明スゲェ……」「う~~ん、全くわからん」「キヌアの肉雑炊美味そう」


「……では7 × 6は……?」「46だろ?」「お し ま い です!」

「おい!主人公がヤクキメてるってどういう事だよ!」「クリオネがもうミーナの生命線だ」


と、どれか1つでも思って頂けたら、ブクマ・評価・感想頂けると励みになります。



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