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ep.54 職務質問で「ウンコ」を取られた話。パート1(パート2はないかも)

6月最初の短編小説は、なろう、を読んでいる読者に合わせて、見やすく改行してみました。

これでどれくらいアクセス数が伸びるかわかりませんが、実証実験です。

『俊宏の犯罪』


「おい、こんなところで何をしている」


 警察官ポリスマンが、公園のトイレの入り口でうずくまっている池下俊宏に声をかけた。


「……ふにゃふにゃ」


「おい、君、こんなところで何をしているんだ」


 俊宏は何が何だかわからない。

 それもそのはず、さっきのさっきまで716探検隊のメンバーと飲んでいたのだ。


 警察官は職務質問をする。


「君、ところで、名前は?」


「池下俊宏です」

 俊宏は酔いつぶれながらも、自身の名前を明瞭はっきりと答えた。


「職業は?」

 警察官が続ける。


「看護師です」

 俊宏が素直に答える。


「何か証拠になるものはありますか?」


「これでどうですか?」

 俊宏は、パルスオキシメーターと、体温計、血圧測定器を出した。


「これは、確かに看護師っぽいな」

 警察官は、それらの証拠品を見て、看護師だと認めた。


「ほかに何かできることはあるか?」


 切羽詰せっぱつまった俊宏は、

「すぐにウンコが出せます」

と、とんでも無いことを言い出した。


「それでトイレに居たのか?」

「はい、もう今も出そうです」

 警察官と俊宏の応答が続く。


「ウンコに薬物が入ってないか、検査する。出してきてください」


「ええ? 普通は尿検査じゃないですか?」


「ああ、本来ならそうしたいところだが、私にはウンコに含まれるベータウンコ菌を調べると、数年前までさかのぼって宿便から調べることができるのだ。今の科捜研の最先端の麻薬検査がウンコなんだよ。つべこべ言わずに早く、ウンコをこのマッチ箱<ここだけリアルやな>に入れてきなさい」


 俊宏は不服そうに、

「わかりました。まあ、特技がすぐにウンコを出せることなんで、出してきますわ」

 そう言って、トイレの中に入った。


「クッサ〜〜〜」

 警察官はあまりの臭さに、ミントのタブレットを口に入れて、臭いを消そうとした。


「クッサ〜〜〜」

 なかなか臭いが取れない。


「すんませんな、今日、餃子を3人前食べたもんで」

 俊宏はすまん、と謝った。


 警察官は、マッチ箱を受け取ると、それを自転車の後ろにある謎の黒いボックスに入れた。


「お巡りさん、その箱には何が入ってるんですか?」

 俊宏の率直な疑問だった。


「ああ、調書と、あとお婆さんがくれる差し入れの饅頭まんじゅうとかが入ってるんだよ。さして変わりないよ」

 警察官は律儀に俊宏の質問に答えた。


「おお、こんなところにおった」

 声をかけてきたのは水下隊員と、五反田隊員だった。


「おお、水下、五反田、どこおってん?」

「それはこっちのセリフですよ」

 五反田が俊宏にきつく当たった。


「あ、お巡りさん」

 五反田が指を指した。


「あ、いつも716探検隊ではお世話になっております」

 警察官ポリスマン律儀りちぎ挨拶あいさつをする。


「あれ? さっきのお巡りさんと制服が違う」


 俊宏は大きな声で叫んだ。


「どうかなされましたか?」

 警察官は優しく声をかけてきた。


「いや、さっき、お巡りさんに、ウンコを提出したんですが」


「やっぱり。この辺でも居ましたか」

 警察官はやや残念な顔をして、ビラを渡してきた。


「こんな詐欺にご注意を。


 最近、この辺りで、警察官を名乗る人物が、ウンコをマッチ箱に入れさせて持ち帰る事件が多発しております。


 ご注意ください。

 なお、被害にわれた方は、最寄りの警察署、および交番までお届けお願いします」


「これや!」

 俊宏が叫んだ。


「どうしたん、池ちゃん」

 五反田が訊く。


「どうしたも何も、俺、さっき、薬物検査するとか言われて、ウンコしてマッチ箱に入れて提出したばっかりやで」


 俊宏は警察官をまじまじと見つめて、

「やっぱり制服が違う、こんなんじゃなかった」


「ああ、やっぱりやられたようですね。いや、最近、酔っ払った客からウンコを奪い取る、ま、奪い取るというか、だまし取る詐欺が流行ってまして」

 警察官が自転車の後ろの入れ物から調書を出す。


「一応、事件ですのでね、調書取りますね」

 警察官は神妙しんみょう面持おももちで、俊宏の言葉を一言一句書いていく。


「それで、場所は、そこのトイレ」

 警察官が自分で書けるところは書いていく。


 俊宏に聞く。

「で、時間は何時ぐらいですかね?」


「飲み会が終わってからなんで、十一時ぐらいですかね」


 俊宏は若干緊張しながら言う。


「あ、それと、看護師をしているというと、いろいろ体温計とか見せました」


「ああ、別に身元証明でそこまで誰も聞きませんのでね、我々も。よっぽどのことでない限り、口頭で大丈夫ですよ」

 警察官はもっともらしいことを言う。


「えー、じゃあ、さっきのウンコは何やったんや」

 俊宏はひざから崩れ落ちた。


「おかしいと思ってん。科捜研とか言い出して。沢口靖子も流石さすがにウンコを解明しているシーンは見たことがないで」

 俊宏はそうつぶやいた。


「池ちゃん? 覚えてる?」

 五反田が俊宏に聞く。

「何を?」


「ほら、ウンコで宇宙にロケットを飛ばすって話」


「ああ、あった、あった」

「あれ、ほんまらしいで」

「嘘?」

(続く)


くだらない作品に最後までお付き合いただきありがとうございました。

パート2はいつになるやら。


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