俺たち716(なないろ)探検隊
こんばんは、池下さんのリクエストにより、書いてみました。
『俺たち716探検隊』
716(なないろ)探検隊は、大阪の様々なグルメや名所巡りを堪能する目的で結成された秘密結社だ。メンバーには池下隊長を筆頭に、水下隊員、五反田隊員がいる。主にその三人で活動をしている。たまにサポートメンバーとして堀川などが入るが、メインはその三人だ。
まずは、住吉大社を攻めた。すみよっさんの愛称で知られる全国の住吉神社の総本山だ。そんな住吉大社の参道には「玉子コロッケ」が名物の『やろく』がある。早速隊長の池下が入る。続いて、水下、五反田と続く。
「大人三人」
池下がにっこりいうと、店員も笑顔で「奥の空いてるテーブルへどうぞ」と案内する。
どんなコロッケが出てくるのか、三人は楽しみにした。
まず、池下の前に玉子コロッケのプレートが置かれた。
「うわ、めっさ大きいな」
最初に口を開いたのは水下隊員だった。
「私の胸ぐらいあるで」
五反田隊員が続く。
ちょっと待て、水少納言よ、それはセクハラだからな。はい、反省。
もとい、
「私の拳ぐらいあるで」
五反田がグーを作ってコロッケの横に差し出す。最初に写真を撮り始めたのは池下隊長だった。池下は、
「こんなに大きなコロッケ、中に何が入ってるんやろう」
と、呟くと、即座に水下が、
「玉子コロッケ、っていうてるねんから、玉子やろ」と突っ込む。
すると五反田が、
「池ちゃん、エビも入ってるで」
と、横からツッコミを入れる。
絶妙な三人の絡み具合も手伝って、玉子コロッケは爆弾のように大きなコロッケで、中にはじゃがいもと玉子とむき海老が入っていた。その味に満足した三人は、せっかくだから住吉大社にお参りしよう、ということでまとまった。
住吉大社は海外からの観光客が最近伸びてきて、阪堺電車(通称チン電)も海外の観光客でひしめき合っている。住吉鳥居前で三人は記念写真を撮ろうと意見が合致した。五反田がインカメラで三人をクローズアップさせて、鳥居が入る、また太鼓橋がちょっと入る構図で写真を撮った。
「今のん、エアドロで送ってや」
池下隊長が五反田にお願いした。五反田は写真をシェアすると、そのまま神社に入ろうとした。すると水下が、
「鳥居の真ん中は神様が通る道やから端っこ通らなあかんし、お辞儀もせなあかん」
と、五反田に忠告した。
「そんなの関係ねえ、そんなの関係ねえ、ハイ、オッパピー」
と、巫山戯て見せた池下隊長だったが、かなり滑った。場がシーンと凍ったように冷たくなった。
「え? 池ちゃん。あれでR-1出ようとしてたん?」
五反田が訊く。
「冗談やん」
クリクリお目目をぱっちり開けて池下が言う。
「五大力の石、集めようや」
水下が突然言い出した。
「五大力って何?」
池下隊長は頭を回しながら聞いた。
「あんな、石に、「五」「大」「力」って書いてある石があるねん。それを三つ揃えたら願いが叶うねん。お守り袋が別で売ってるから、ここで石を見つけて、お守り袋に入れるねん」
水下は流れる水のように澱みなく、話した。
無事、三人とも五大力の石を見つけると、ウサギの置物があるところで一人ずつ記念写真を撮った。
「池ちゃん、笑って」
五反田がスマホのカメラを持って言う。
「いやいや、俺、いつも笑ってるやん」
池下隊長が突っ込むが少し弱い。
水下、五反田も記念写真を撮ると、三人は天王寺を目指して、チン電に乗った。
(と言うことは、これ、三人、どこで待ち合わせしたんやろ?)
そんな細かいところは置いといて……。
三人は住吉鳥居前から天王寺方面のチン電に乗り、車窓を楽しんだ。神の木では二階に
なる。そうしてまた帝塚山で地面に戻る。
「あ、あそこのケーキうまいねん。宮下さんところに訪問看護行った時に言うてはった」
池下隊長がケーキ店「ポアール」を指差した。
「それな、宮下さんが言うてたな」
五反田が続く。
「え? 俺、聞いてないで」
水下が自分だけ除け者にされた気分になった。
「帰り、天王寺の近鉄の地下で買って帰ろう
。息子の合格祝いに。ちょっと遅いけど」
隊長、池下が呟いた。
そのあと、深刻な顔で池下がみんなに呟く。
「あんな、俺な、716探検隊の隊長を降りようと思ってるねん」
「なんで、池ちゃん」
五反田が聖母のように寄り添う。
「俺な、エッチやねん。宮下さんにも言われてん。あんな、AIでな、画像が作れるやん?
あれでなアイドルの顔と、ま、それ以上は聞かんといてくれ、俺がアホやった」
「そんなん男の人やったら誰でも思うって」
五反田はよき理解者だった。
「わかった。リーダーは続ける。その代わり、俺がいつの日か、限界が来たら、その時は、水下、お前に隊長の地位を任せた」
水下は緊張感を持って、その言葉を重く受け止めた。
天王寺駅前に到着した。
「ここは電車賃はあっちで払うねん」
池下が隊長らしく指示を出す。
「天王寺動物園行こうか。ゾウも来たらしいで」
水下がそう言うと、五反田が、ゾウを見たいとはしゃぐ。
池下は、
「ゾウの鼻って……」
と、言いかけて、
「あかんな、今日の俺はどうも下の方に走ってしまうな」
と、反省しきりの池下であった。
「池ちゃん、宮下さんとそんな話ばっかりしてるん?」
五反田が指摘した。
「いつもとちゃいますよ」
「ってことは、たまにするん?」
しまった。池下は口を滑らせた。
てんしばを抜けると、動物園の入り口が見えてきた。ゾウ舎は混んでいたので、ライオンから見よう、と言い出したのは水下だった。
ライオンは痩せて見えた。その後、キリンとシマウマを見て周り、いよいよゾウ舎に近づいた。小さな子ゾウが可愛かった。
お土産売り場で池下は可愛いトラのマスコットを手に取った。
「そういえば、宮下さんもトラのマスコット買った、って言うてた」
水下がトラのマスコットを手に持った池下に言うと、
「かぶるなあ」
と言って、トラではなくライオンのマスコットを買うことにした。会計を済ませると、三人は近鉄百貨店の入る、ハルカスを目指した。
ハルカス。パルナスに響きが似ている。
「思いついた」
池下が急に叫んだ。
「謎かけ、宮下さんと練習しててんけど、今、急に思いついた。言うわな」
と、池下は叫んだかと思うと、
「あれ? 忘れてしまった」
と、おちゃらけて見せた。
「ああ、思い出した。
『一か八かの競馬『とかけまして、『とんかつの入ったカレー』と解きます。その心はどちらも『カツカレー』『勝つか0』でしょう。どう、これ? うまない?」
池下のドヤ顔に残り二人が、
「無理あるなー」と突っ込む。
「あ、近鉄に着いた」
五反田が冷静に伝える。
「ポアールのケーキあるかなあ。食べてみたいなあ」
水下が空を見上げていう。
「池ちゃん、宮下さんがもっといい謎かけ言ってたで」
五反田がいう。
「どんなん?」
池下は訊く。
「『僕と716さんの関係』とかけまして『終わらないフェンシング』と解きます。その心は? 『長い付き合い(突き合い)になるでしょう」
三人は唸った。
「うまい!」
「この辺で終わっとこか。ちょうど原稿用紙十枚やし、716探検隊シリーズは今後も続くと期待して……」
最後は隊長の池下が締めくくって、今日の探検は終わりを迎えた。(了)
最後までお読みいただきありがとうございました、池下さん、ぜひ感想を




