運命の出会い
主人公は街を目指してとにかく歩き気づけばもう朝。死にかけだったところで男と出会い…
「はぁ…はぁ…」
俺は朝日の下を死にかけで歩く。こんな魔物ばかりの草原で寝れるはずもない。ずっと歩いてて疲れてしまった。
「み、水…せめて…水…っ」
転生してから食い物も水も飲食してない。ほんとに死にそうなほどきつい。そんなことを思いながら歩いていると、視界の中にたった一つの人影を見つけた。俺は迷わずそこへ向かっていく。
「すみません…!水か何かありませんか…?」
俺は消え入りそうな声でその人に向かって呼びかけようとするが気づかれていない。あぁ…もう力が…
バタッ
「おい坊や!大丈夫か坊や!」
…なんか聞こえる…けど意識が…
俺はそのまま意識を失ってしまった。
それから20分後くらいだろうか、火の熱さを感じて目が覚めると、目の前には心配そうに見つめる男がいた。
「…俺は…どうして…?」
「大丈夫だったかい坊や?急に倒れるもんだから慌てて口に水入れたけど…」
男は心配そうな顔のまま話し続ける。見た目からして40代くらいだろうか…あまり筋肉質ではないが痩せてるわけでもない。おそらく旅人の類だろう。まぁそんなことは置いといて、この人は命の恩人だ。感謝しないと。
「あぁすみません…!おかげで助かりました」
「そうか…気分はどうだ?気持ち悪いとかないか?」
「全然大丈夫です。助けてくれてありがとうございます」
なんかこの男見た目より優しいな…でもこんなこと考えるのは失礼か。
「いいってもんよ。申し遅れたな。俺はウロ、ただのしがない旅人だ。坊や、名前は?」
「名前…ですか?」
やべえ思い出せねぇ!天の声ではひと月ごとに大事な記憶が消えるって言ってたけど早速名前なのかよ!
「あー…すみません、俺自分のことよく覚えてなくて…」
「そうなのか…なんでかは気になるがいつか聞くとして、それよりまず名前を決めないとな。この先ギルドやら周りとの関わりで名前は必須だ。」
「ですよね…んー…何かいい名前思いつかないかな…」
「うーむ…」
俺もウロさんも首を捻って考え始める。正直名前なんて考えるの難しいよな…
「…あ、ユーキとかどうですかね?」
俺は咄嗟に思い出したユウキを元に考えた名前を言う。
「ユーキ…いいんじゃないか?」
よし決めた!俺の名前はユーキで決定だ。
「よし、じゃあ改めて自己紹介を…俺の名前はユーキ、よろしくお願いします」
「あぁ、よろしく」
自己紹介も終え、俺…ユーキはウロさんから一つ話を聞いていた。
「なぁ坊や、五星皇って知ってるか?」
「五星皇?なんですかそれ?」
「知らないのか坊や…五星皇ってのはここ、南諸国の中でも最も強く、歴史を変えた五人のことだ。普段は姿を見せないが、たまに軍を狂わせたり国の平和を脅かしたりなどするらしい。なんの目的かは知らないがな」
「へぇー…」
五星皇…異世界ものでよくある四天王的な感じなのか?にしてもかっこいいななんか…
「でもその五星皇がどうかしたんですか?」
「あぁ、それがな…ここ最近になって、南諸国共通の特別指定討伐対象になったんだ」
特別指定討伐対象…?要するに南諸国共通で倒そうってなってるわけか。
「でもそうなるまで強いんですか五星皇って?」
「強いなんてほどじゃないぞ。特殊な剣を持つ女剣士、この世で数人しかいない魔法の使い手の一人、一晩で街を血で染めたアックス使い、元軍の最高司令官とかがいる。」
「えぇ…」
肩書だけでも十分強いな五星皇メンバーっ!でも討伐対象か…倒せば一生遊べるほどの報酬もらえたりして…
「とにかく、五星皇に関わることはあまり近づかない方がいいぞ。死にたくなければだがな」
「は、はい」
俺は少し引きつった顔で返事をした。焚き木の音が静かに鳴っていた。
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