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偽りだらけの冒険記  作者: Ka
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部屋割りは、話し合いの結果ダルカンとヤイラが同室となった。


正気を保っていたのがお互いしかいなかったからだ。

流石に、同意を得ないまま仲間同士を部屋に突っ込むのは気が引ける。


部屋に戻ると、ヤイラがふらふらとベッドに近づく。

そのまま、ぽすりと白いシーツに倒れ込んだ。


「気分は悪くないか」


グラスに水を注ぎ、彼に近づく。


「平気。何でアイツらあんなに重いの。ヒマリは別として…」


ゆらゆらと揺れる身体を支えると、グラスを口元に運んだ。


酔った身体で重い仲間を運ぶのは、想像以上に重労働だった。ナルクを背負った肩が若干痛んでいる。


「お前はよく頑張った。俺一人では運びきれなかったから助かったよ」


「もっと鍛えなきゃ…」


ーーームキムキになったヤイラ。


あの可愛らしい顔にナルクのような筋肉が………正直あまり想像したくはない。


「ヤイラは今の姿が一番魅力的だと思う。俺は風呂に入るが、お前はどうする」


「なに、一緒に入るつもり?」


彼はゴロリと寝返りを打つと、揶揄うようにこちらを見つめた。


「…………相当酔ってるな。いや、俺の言葉が足りなかった。俺はこの後風呂に入るつもりだが、先に入るか?」


「あははっ、ちゃんと伝わってるよ。僕は少し寝るから、お先にどうぞ」


彼は楽しげに笑うとそのまま目を閉じた。

どうやら、このまま眠るつもりらしい。


せめてでもと、靴を脱がす。


「ん。これも」


彼は細い指で身体を締め向けるベストを引っ張った。

望み通りに、ボタンを外す。


ベストを脱がせると、ついでに腰を締め付けるベルトもカチャカチャと外した。


彼は抵抗することもなく、されるがままだった。


「何かあったら呼んでくれ」


「うん。ごゆっくり」


長いまつ毛を伏せた男を置いて、風呂場に向かう。

不要だとは思うが、鍵を掛け棒を横たわらせた。



分厚い鎧から抜け出し薄い布を脱ぐと、褐色の肌が現れる。


温かく綺麗な水を浴びれるのは、久しぶりだ。


石鹸を泡立て、全身を洗う。

暖かいお湯が肌を伝い、身体が解けるのを感じた。


身体を洗うついでに、湿った服と防着をゴシゴシと洗剤で擦る。


泡を流す頃には、服はピカピカに輝いていた。


防具は綺麗になったが、鎧自体のムワリとする匂いと暑さは変わらない。


今からこれを着るのは、少し抵抗感があった。


幸いヤイラは部屋で眠っている。フェルジスは遊びに行ったのでホテルには帰ってこないだろう。


……きっと、魔法を使ってもバレないはず。


こっそりと鎧に、洗浄魔法と氷結魔法をかけた。


・・・


部屋に戻ると、彼はスヤスヤと眠っていた。


すぐ隣の白いベッドを見る。


流石にこの鎧で眠れば、宿主に迷惑がかかるだろう。

灯を消すと、ベッドサイドの椅子に背中をもたれた。


「んんっ、……だるかん、おかえり」


どうやら、起こしてしまったらしい。

彼は大きく伸びをすると、こちらに目を向けた。


「ベッドでねないの」


「ああ」


「ごめん、ぼくがいるせいだ」


「それは違う。たとえ一人でも鎧は外さない。何が起こるか分からないからな」


「そっか。鎧がなくても、君か生きていける世界になればいいのに。…………ごめん。酔っ払ってた」


彼はポツリと言葉を落とすと、ふらふらと起き上がり浴室に向かっていった。

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