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おっさん冒険者のキャラクターシート  作者: 愛自 好吾


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第56話 エミリーとランディウス





 俺とピピはマゼランの都の女神教会に来ていた。


ここにランディウスという人がいるらしい、壁の補修作業を手伝っているそうだ。女神教会の敷地内に入ると、確かに壁の方で何か作業をしている様だ。木で出来た足場が組まれていて、そこに何人かの人が作業をしている。


すぐ近くの人に声を掛けてみる、ずんぐりむっくりした体形に髭もじゃの人だ。どう見てもドワーフだ、まさかランディウスじゃないよな。


「すいませ~ん、ちょっといいですか」


「ん、なんだ~」


「ランディウスという人を探しているんですが~」


「ランディウスか、お~いランディウス~、客だぞ~」


「は~い、親方~、すぐ行きま~す」


足場の上の方から声が聞こえた、どうやらランディウスはいるらしい。


木で出来た足場を一人の男が身軽に降りてきた、軽業師みたいだな。降りてきた男を見ると確かに顔の口元を布で覆っている、足もスラッとしている。いい男かどうかはわからん、どうでもいい、顔を隠しているからイケメンかどうか知らん。エミリエルお嬢様が言うにはいい男らしいが。


「あなたがランディウスさんですか」


「はい、自分がランディウスですが、あの、あなたは?」


「これは失礼しました、冒険者のジローといいます」


「・・・ピピ」


ついでにピピも名乗った。


「冒険者の方でしたか、それでジローさん、わたしに用とは?」


「単刀直入に言います、エミリーという人に心当たりは?」


「・・・エミリーですか、エミリエルお嬢様ですよね、知っているって言うか有名な話ですよね」


なるほど、エミリエルお嬢様がエミリーという事は意外と知られているのか。


「そのエミリーさんがあなたを探しているのですよ」


「わたしを?・・・はて、どういった御用でしょうか」


「それは俺にも分かりません、直接本人に聞いてみないと」


「そうですか、わかりました、エミリー様に会ってみます」


「よろしくお願いします、とりあえず冒険者ギルドまで来てくれませんか」


「はい、・・・親方~、今日はこれで上がります~」


「おう~、ご苦労さん」


「それでは行きましょうか」


「はい、ピピ、行こう」


「・・・うん」


こうして俺とピピとランディウスは女神教会を後にした、ランディウスさんが見つかってよかった。




 俺達は一般街にある冒険者ギルドへとやって来た、みんなは戻っているかな。冒険者ギルドへ入る、と、みんなは戻って来ていた。みんな歩き疲れている様だ。


「みなさん、戻っていたんですね」


「ああ、ジローさん、どうだった? そっちは」


「一応見つけましたよ、彼がランディウスです」


「え、そうなのかい、やるねえジローさん」


俺がランディウスを見つけた事で、サーシャもファンナも何やら安堵している。


「あ~、ようやく見つかったのね、私もう足が棒の様だわ」


「私も疲れました、まさか人探しがこれほど大変だとは思いませんでした」


みんな聞き込みで体力を消耗した様だ。お疲れ様です。


「エミリーさん、ランディウスさんを連れてきましたよ」


「わ、わかったわ、ご苦労様」


ここでエミリーに対してランディウスが挨拶をした。


「え~と、初めまして、ランディウスと申します」


「エミリーよ、よろしく、あなたにお話があるの」


「はい、なんでしょうか」


エミリーは最初、指をもじもじさせたりしながら黙っていたが、意を決した様に言葉を紡いだ。


「あの時、私を助けてくれてどうもありがとう、あの時の私は何も知らなくて」


「ああ、タチの悪い連中に絡まれていた時の事ですか、あんなの大した事ではありませんよ」


「でも、あの時は本当に怖かったの、そこへあなたが助けに入ってくれたの、私、本当に嬉しかったわ」


「いえ、どう致しまして、それにしてもどうしてスラム街なんかに居たのですか、あそこは危険な場所ですよ」


「う、私は・・・その・・・」


「大方、盗賊ごっこでもやっていたのでは?」


「おっさん! うるさいわよ!」


「はいはい」


「エミリーさん、いえ、エミリエルお嬢様、もう危険な遊びはお止めになった方がよろしいのではないでしょうか、お母様が心配なさいますよ」


「う、た、確かにそうね、・・・ランディウスの言う通りだわ、これから先、盗賊としてやっていくのは控えるわ」


「ぜひそうして下さい、自分の身が第一ですよ」


「わかったわ、ランディウスがそう言うのなら」


なんと、あのお転婆娘を改心させちゃったぞ。凄いなランディウス。


「話は纏まったみたいですね、エミリーさんが盗賊を辞めるとなるとザンジバル王国までの道にあるライン大橋を渡る手立ての方はどうしましょうか?」


「う~ん、そうだねえ~」


「検問が問題なのよね~」


「別に封鎖されている訳じゃないんですけどね」


さて、どうしたものか。


そこへ、ランディウスが俺達に声を掛けてきた。


「あの~、お話中失礼、今ザンジバル王国とおっしゃいましたか?」


「はい、俺達はザンジバル王国にある妖精の森まで依頼で行かなきゃならんのですよ」


「あの、突然こんな事言うのは心苦しいのですが、僕もザンジバル王国に連れて行ってもらえませんか」


「え、ランディウスさんをですか? 何故急に」


「実は、僕の実家がザンジバル王国にあるのです、そろそろ戻ろうかと思いまして」


「そうですか、ご実家が、どうしましょうみなさん」


「今回の件はジローさんが決めとくれ、あたい等は従うよ」


「ジローが決めればいいんじゃない」


「どうしますか、ジローさん」


う~む、そう言われてもな。


「僕は剣が使えます、自分の身は自分で守れますから、お願いします」


「・・・わかりました、ランディウスさんも一緒に行きましょう」


「ありがとうございます、ジローさん」


「そういう事なら私も行くわ」


「え、エミリーさんも? さっき盗賊は辞めるって」


「勘違いしないで、盗賊ギルドへ入るのはもう辞めるって事、盗賊自体は続けるつもりよ」


「・・・そ、そうですか」


「冒険者として付いて行ってあげるって事よ」


「それは、ありがたいのですが、あまり無理はさせませんからね」


「わかってるわよ」


話が纏まり、ルビーさんがみんなに声を掛けた。


「それじゃあ、今日はもう日も落ちてきたから、明日の朝、冒険者ギルドへ集合だよ、いいね」


「「 はい 」」


「それじゃあ、一旦解散して明日に備えようかねえ」


「わかりました、それではこれで」


エミリーとランディウスはそれぞれ帰って行った。俺達も明日に備えて早めに休むとするか、明日から冒険だ、気を引き締めないと。




おじさん、お酒はほどほどにするよ









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