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おっさん冒険者のキャラクターシート  作者: 愛自 好吾


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第55話 ランディウスを探して





 俺達は一般街にある酒場がたくさんある繁華街までやって来た。


「へ~、妖精なんてめずらしいわね、どうしたの」


「奴隷商から買ったんですよ、昨日なんですけど」


「買った? ふ~ん、酔狂なおっさんね、妖精なんて何の役に立つの?」


「妖精は役に立ちますよ、危険を知らせてくれますし、小さいからモンスターに見つかりにくいですし、それに体がほんのりと明るいんですよ、洞窟などのダンジョンで松明が必要ないんですよ」


「・・・えっへん」


ピピは小さい胸を張った。


「ふ~ん、まあいいわ、さあ、ランディウスを探すわよ、まずは情報収集よね」


エミリーが行動開始を宣言すると、ルビーさんが相槌を打って、質問した。


「まあそうだけど、エミリーお嬢ちゃん、あんたそのランディウスって人の事知ってるのかい?」


エミリーは目を瞑り、人差し指を一本立てて、得意げに語った。


「前に一度だけ会った事があるわ、その時に名前を聞いたのよ」


そこへファンナがエミリーに聞いた。


「どんな人なんですか?」


「ランディウスはとっても強いの、それでいてとっても紳士なの」


サーシャもエミリーに聞く。


「何か特徴はないの?」


「そうね、いつもかどうかわからないけど、顔の口元を布で隠していたわ」


ルビーさんが腕を組み、聞いた顔を思い浮かべているようだ。


「うーん、口元を隠していた、ねえ、それって顔を隠しているって事かい?」


サーシャも思い浮かべて、口を漏らした。


「そういう人を探すのって結構大変なのよね」


「なにはともあれ、まずは酒場だねえ」


俺達は蒼水晶の指輪の時にも来た酒場へとやって来た。まずは店のマスターに聞いてみよう。


「すいません、マスターに聞きたい事があるのですが」


「いらっしゃい、ああ、あんたらか、飲みに来てくれたのかい」


これにルビーさんが答える。


「いや、また仕事だよ、なあマスター、ランディウスって男の事知らないかい」


「ランディウスだって、おいおい、この街の規模を考えてくれよ、この街に何人の人がいると思ってるんだ、ランディウスなんて名はごろごろいるぜ」


「やっぱりそうなるよねえ、エミリーお嬢ちゃん、何か特徴は他にないのかい」


「そうねえ、15、6歳ぐらいの若い男性で足がスラッとしてて、いい男なのよ」


「あ、あと顔の口元を布で隠しています」


「おいおい、顔を隠しているって、犯罪者じゃないだろうな」


「ちがうわ! ランディウスはそんな人じゃないわ!」


エミリーは声を上げた。まるで自分の事を言われているかのように。


「わかった、わかったから落ち着いてくれよ、それにしてもそういった人物ってのは大抵の場合盗賊がらみじゃないのかい」


「盗賊ですか、また盗賊ギルドに聞きに行かないといけませんかねえ」


「そうだねえ、マスター、邪魔したね」


「次こそは飲んでいってくれよな」


「ああ、仕事がうまくいったらね」


俺達は酒場を出た、次はスラム街にある酒場のサムソンで聞き込みだ。


何か情報が手に入るといいんだけど、盗賊ギルドってのは色んな情報が入ってくるからな。俺達はそのままスラム街の酒場サムソンまでやって来た。見張りの男に声を掛ける。


「すいません、ちょっと用があるので入りますね」


「ん、ああ、あんたらか、好きにしな」


俺達はサムソンの店に入る、相変わらずアウトローな雰囲気だ、店のマスターに声を掛ける。


「おやっさん、ちょっといいかい」


「ん、なんだ」


「ランディウスって銘柄の酒を探しているんだけど」


「年代物か」


「いや、15,6といったところだ」


「どんな色をしている」


「男っぽい感じで顔の口元を布で隠しているっぽいやつだ」


「う~ん・・・・・・そんな酒あったかな・・・」


「知らないかい」


「・・・悪いがそんな酒は無かったと思う」


「そうかい、邪魔したね」


「力になれなくてすまんな」


「いいって事よ」


そうか、ここでも情報が手に入らないって事はいよいよ厳しい感じになってきたな。


「どうしましょう、ルビーさん」


「エミリーお嬢ちゃん、ランディウスとは何処で出会ったんだい?」


「スラムよ、タチの悪い連中に言い寄られていた所を助けてもらったの」


「スラム街かい、参ったねえ、スラムと言っても広いからねえ」


「もし盗賊ギルドのメンバーだったらスカーレットさんに聞いてみましょうか」


「色町かい、それじゃあジローさんはあの女に聞いてきてくれるかい」


「わかりました」


「それじゃああたい達は手分けして聞き込みだねえ、ピピ、ジローさんに付いて行っておやり」


「・・・わかった」


・・・別に一人でも良かったんだが・・・まあ、いいか・・・


そんな訳でやって来ました色町に、いや~華があるねえ、店前で女の人が煙草を吹かして立っている。


「・・・ジロー・・・きょろきょろしない」


「・・・はい」


え~と、目的の店は確か愛の巣だったよな。ピピと二人で愛の巣という店を探す、それにしてもさすが大きな街だ、いろんな店がある、煙草をふかしている女性が俺に向けてウインクしてきた。こっちも手を振る、ピピに耳を引っ張られた、ただちょっと挨拶しただけだってば。


え~と、どこかな~、あ、あった、愛の巣だ。店は、やっている様だ。お客さんが出入りしている、繁盛しているのかな。


ピピと二人で店の中へ入る、うむ、いい感じの店だ。


「いらっしゃいませ、おや、珍しいですねお客様、妖精連れとは」


「すいません、客じゃないんです、人を探していて、スカーレットさんはいますか」


「はい、スカーレットさんはウチに在籍していますが」


「話だけしたいんですが」


「はあ、話だけなら・・・スカーレットさ~ん、お客様で~す」


「は~い」


上の階から女の人が降りてきた。間違いない、スカーレットさんだ。


「わたしにお客さん、誰?」


「こちらの方です」


「どうも、冒険者のジローです」


「ああ、この前の、何、わたしに気があるの」


「いえ、すいません、そういった話じゃないんです」


「あら、何かしら」


「実は人を探していまして、ランディウスという15,6ぐらいの男なんですが」


「う~ん、ランディウスねえ、・・・」


「・・・ギルドの・・・メンバーにいませんか」


「・・・う~ん・・・心当たりないわね」


「そうですか、どうもありがとうございました」


「え、もう行くの、遊んで行きなさいよ」


ピピがものすごく睨んできた。だから遊ばないって。


「いえ、これで失礼します、それではこれで」


「そお、残念、また今度遊びに来てよね」


「はい、できれば・・・」


「・・・ジロー・・・こっち」


ピピが袖を引っ張る。


「はいはい、それじゃあまた」


俺とピピは愛の巣を出た。こっちもハズレか、どうしようかな。


「ピピ、とりあえず冒険者ギルドへ戻ろうか」


「・・・うん」


歓楽街を抜けて俺とピピは一般街まで戻ってきた。と、そこで意外な人物とばったり出会った。


「あら、ジローさんじゃありませんか」


「あれ、シスターマリーですか、女神教会の用事というのはもうお済で?」


「はい、これからサラミスの街へ帰る所です」


「そうですか」


「ジローさんはまだお仕事ですか」


「いえ、依頼の方は片付いたのですが、別件で」


「そうなのですか」


一応シスターマリーにも聞いてみようかな。


「シスターマリー、実は人を探していて、ランディウスと言う男性を知りませんか」


「ランディウスさんですか、ええ、知っていますよ」


「・・・え? 知ってるんですか」


「はい、この街の女神教会によく来る御用聞きの方が確かランディウスさんと言う名前だったと思いますけど」


まさか、意外なところで情報を入手できた。女神教会に来る御用聞きの人か。


「ちなみに口元を布で隠していますか」


「ええ、風邪を引きやすい体質らしくて、口元を布で覆っていますよ」


間違いない、探していたランディウスかもしれない。


「シスターマリー、ありがとうございます」


「ランディウスさんでしたら今は女神教会の壁の補修作業を手伝ってくれていると思いますよ」


「わかりました、早速行ってみます、シスターマリーも気を付けてお帰り下さい」


「はい、それではこれで失礼致します」


なんてこった、まさかシスターマリーから有益な情報が得られるとは思ってもみなかった。


この街の女神教会か、よし、行ってみよう。




おじさんちょっと歩き疲れたよ










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