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おっさん冒険者のキャラクターシート  作者: 愛自 好吾


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第52話 妖精との出会い





 俺は奴隷商を出て公園の様な場所までやって来た。


ここなら良いだろう、奴隷商から買った妖精の入った鳥かごを地面に置いて妖精に話しかけた。


「なあ君、危ないからちょっとそこの隅にいてくれないか」


「・・・わかった」


妖精は元気がないみたいだけど一応返事をしてくれた。鳥かごの隅に移動してくれた。俺はショートアックスを使って鳥かごを壊した。


「きゃあっ」


「ごめんごめん、ビックリさせちゃったね、でももういいよ、早く籠から出て」


「えっ」


「だから、鳥かごから出てきなよ」


「・・・いいの」


「ああ、いいよ」


「・・・逃げちゃうよ」


「いいよ」


「・・・なんで?」


「妖精ってのは本来自由だからね、隷属の指輪も使わないから安心して」


妖精は鳥かごからゆっくりと出てきた。そして俺の前まで飛んできた。


「・・・ありがと」


「いいえ、どういたしまして」


あ~あ、金貨3枚か・・・散財しちまったな~。


「なまえ・・・」


「え?」


「あなたの・・・」


「ああ、ジローって言うんだ」


「ジロー・・・」


「君の名前は、何て言うの」


「・・・ピピ・・・」


「ピピか、いい名前だね、さあ、もうお行き、ピピはもう自由だよ」


しかし、妖精のピピは首を横に振る、どうしたんだろうか。


「どうしたの、ピピはもう自由だよ、どこでも好きなところへ行ってもいいんだよ」


それでも妖精のピピは首を横に振る、なんだろうか。


「いく・・・」


「え? 何処へ」


「いっしょに・・・」


「一緒に?」


「ぼうけんしゃがいるところ・・・」


「ああ、冒険者ギルドへ行きたいのかい」


ピピは首を縦に振る、どうやら冒険者ギルドへ行きたいらしい。何か用事でもあるのかな、まあ行けばわかるか、何かはわからんけど。妖精のピピは俺の肩にちょこんと乗ってきた、なんか軽くて柔らかい感触だな。


俺と妖精のピピはそのまま冒険者ギルドへ向けて歩く、妖精を肩に乗せているからだろうか、妙に人の注目を集めている、ちょっと恥ずかしい。


「なあ、ピピは何処から来たんだい?」


「・・・妖精の森」


「そうか」


妖精の森? はて、ゲーム、「ラングサーガ」にそんなの出てきたかな? 覚えがない。そんなこんなで、冒険者ギルドまでやって来た。ピピは肩から飛んで俺に話かけてきた。


「ぼうけんしゃにおねがいしたい・・・」


「お願い・・・ああ、依頼したいのかい」


ピピは首を縦に振る、どうやら冒険者ギルドに依頼を出したいらしい。


「それならまずは受付カウンターに行かないとね」


「・・・わかった」


俺とピピは冒険者ギルドの受付カウンターで受付のお姉さんに声を掛けた。


「すいませ~ん、冒険者に依頼を出したいんですけど」


「は~い、どの様なご依頼でしょうか?」


「ピピ、どんな事を頼みたいんだい」


ピピは瞳を潤ませながら両手を祈る様な握り方で、受付のおねえさんにお願いした。


「ようせいのもり・・・」


「・・・妖精の森、が如何しましたか」


「・・・たすけて・・・」


「はあ、妖精の森を助けてほしい、という事ですか、具体的にはどの様に助けて欲しいのですか」


「・・・もんすたー・・・いっぱい・・・」


「モンスター、つまり魔物討伐ですね」


ピピは首を縦に振る、どうやらモンスター被害に会っているらしいな、その妖精の森って所は。


「冒険者に依頼を出す場合は報酬が必要なのですが」


ピピは服の中からコインを一枚出した。


「・・・これ、・・・おかね・・・」


「これは、・・・鉄貨、ですね・・・う~ん、1ゴルドですか・・・」


「・・・いっしょうけんめい・・・さがして・・・みつけた・・・」


どうやらピピはこのお金で冒険者に依頼をするつもりらしい。


「う~ん、・・・分かりました、これで依頼表を出してみます、だけどあまり期待しないで下さいね」


「・・・わかった」


どうやら無事に依頼を出せた様だ、・・・妖精の森を助けて・・・か。俺一人では判断のしようもないな、まずはルビーさん達と相談だな。




 しばらくして、誰もピピの出した依頼を見向きもしなくなった。


「ピピ、元気出して。きっと誰かが依頼を引き受けてくれるよ」


「・・・うん」


ルビーさん達はまだかな、もうそろそろ帰って来てもいい頃なんだが。


そこへ、元気な女性陣の声がギルド内に響き渡った。


「いや~、今回の買い物はいい買い物だったよ」


「ほんとよね~、まさかあんな物を売ってるなんて思わなかったわよ~」


「私、買い物が楽しくてつい色々買ってしまいましたよ~」


お、ルビーさん達が戻ってきたようだぞ。なんか色々荷物を抱えているようだけど。


「皆さん、お帰りなさい、どうでした、買い物は」


「ああ、ジローさん、早いねぇ、もう帰ってたのかい」


「お待たせしちゃいましたか、ジローさん」


「あ、ジロー、何、その妖精、どうしたの」


「ええ、実は、俺も色々ありまして」


まずはルビーさん達は買った荷物を宿屋の部屋に置いてから、皆で相談する。


俺はこれまでの経緯いきさつを皆に話し、理解を得ようとした。


「ええ? 妖精を買った?」


「はい、奴隷商まで行って来て金貨3枚で買ってきましたよ、ルビーさん」


「ジロー、何してんの、そんな買い物しちゃって・・・」


「す、すいません、サーシャ、つい・・・」


「つい、じゃありませんよ、どうするんですかジローさん、奴隷を手に入れるという事は奴隷を養うという事ですよ、わかってますか」


「す、すいません、ファンナ、あまり深く考えてませんでした」


「まったく、ジローさんってば、ちょいとウエイトレスのお姉さん、フルーツの盛り合わせをおくれ」


「はい、ただいま」


ルビーさんはフルーツの盛り合わせを注文した、お酒じゃないのは珍しいな。少ししてフルーツの盛り合わせが来た。


「え~と、あんた、名前は」


「・・・ピピ」


「ピピかい、ピピ、この果物を好きなだけ食べな」


「・・・いいの」


「ああ、いいよ」


ピピはさくらんぼの様な果物にかじりついた、自分の顔の大きさ位のヤツだ。ピピはうまそうにさくらんぼの様な果物を食べている、そういやあピピに何も食べさせてなかったっけ。いかんな、ご主人様失格じゃないか、次からは気を付けよう。


ピピが果実に夢中になっている間、ルビーさんが俺に問い掛けてきた。


「それで、ジローさん、妖精を買ったのはわかったけど、何かあたい等に話があるのかい、ずっと待ってたみたいだけど」


「ああ、そうでした、実は妖精の森でモンスターを討伐して欲しいっていう依頼があるんですが」


「妖精の森かい、結構面倒だねえ」


話を聞いて、サーシャは物思いにふけっていた。


「妖精の森か~、昔一度行ったことがあるくらいね」


ファンナも答える。


「私は妖精の森すら知りません」


「どうでしょう皆さん、ピピの依頼を受けてみませんか?」


「報酬は?」


「・・・1G・・・です」


「・・・・・・そうかい」


まあ、普通に考えればありえない報酬の低さだよな、だけど、ピピの力になってやりたいと思うのは我侭だろうか。


「わかったよ、1Gで引き受けてあげるよ」


「え、いいんですか」


「ああ、いいよ、あたいはね、サーシャはどうする」


「私もいいわよ、別に」


「ありがとうございます、お二人が引き受けてくれるだけでも嬉しいです」


「ジローさん、どうせ一人でも行くつもりだったろ、水臭いじゃないか、あたい等は仲間だろ」


「私も、お役に立てればいいのですが、一緒に行きます」


「ファンナ、ありがとう、恩に着るよ」


「そうと決まれば早速明日から行動開始だよ、今日は酒はあまり飲まない様にしないとねえ」


「そうね、まずは準備よね、道具屋に行って色々買わないと」


皆の気前のよさに、俺もピピも頭を下げる。


「皆さん、ありがとうございます」


「・・・ありがとう」


こうして俺達は明日の朝から妖精の森のモンスター退治へと向けていくのであった。


そういやあ俺、妖精の森の場所も解らないぞ、大丈夫かなあ。




おじさん、ついていけないかも









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