31 教祖
〇慈愛の母。本殿。
畳敷きの大広間。
大勢の女性信者が正座している。
そこへ育人と絵里香が乱入する。
千晶「あ、あなた方は!?」
一段高い玉座に座る白装束の美少女、千晶(14)が怯える。
育人「あんたが千晶様か?」
千晶の傍らに立つ神主姿の千晶の父親が怒って怒鳴る。
千晶の父親「ええぃ!誰か!この狼藉物を取り押さえろ!」
女性信者達が一斉に立ち上がって、育人たちにつかみかかっていく。
育人に触れた女性信者たちはたちまち衝撃を受け、大人しくなる。
絵里香はエアガンで残りの信者たちを撃ち、次々と育人のガーディアンに変えてゆく。
千晶の父親「どうした?なぜ、そいつらを捕まえない?」
信者「私達にはできません」
千晶の父親「なにを言っとるんだ!?」
信者「私達にはできません!」
千晶の父親、育人たちを指さし怒鳴る。
千晶の父親「お、お前たち、一体何者だ!?」
育人「喜べ!この教団、俺が貰ってやるぜ!」
千晶の父親「ふ、ふざけるな!」
絵里香「動かないで!」
エアガンの銃口を千晶の父親に突き付ける絵里香。
千晶の父親「そんなモデルガンなんか出してどうした!馬鹿者が!」
絵里香「おっと!男はこっちの銃だったわ!」
絵里香、拳銃を取り出すと千晶の父親を撃ち殺す。
倒れる千晶の父親。
千晶「キャーッ!!」
悲痛な叫び声をあげる千晶。
千晶「お父様!お父様!」
父親の死体にすがりつき泣き叫ぶ千晶。
育人「絵里香。拳銃を使っても大丈夫なのか?」
絵里香「何がですか?」
育人「刑事でも保持してる銃弾の数はチェックされるんだろう?」
絵里香「この銃弾は三好巡査の物ですから大丈夫です。ピストル自殺に見せかけて殺した時に、ちょろまかしておきました」
育人「三好巡査って誰だっけ?」
絵里香「育人はそんな細かいことを気にしなくてもいいのですよ」
千晶「あなたたち、何て酷いことをするのですか!?」
育人「安心しろ!お前は今まで通り教祖をしていればいい。お前の父親に代わって俺がこの『慈愛の母』を運営してやる。今までも何百倍も大きな教団にしてやるから、お前の父親を草葉の陰で喜んでくれるぜ」
千晶「この悪魔!!」
千晶が育人の頬を平手で叩く。
育人に触れた瞬間、千晶の全身に衝撃が走る。
たちまち、腑抜けのように大人しくなる千晶。
千晶「………あなた、お名前は……?」
育人「俺の名は育人だ。よろしくな!」
千晶「育人様………」
手を差し出す育人。
千晶がその手を取り、手の甲に口づけをする。




