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終焉の鐘【リメイク版】(A1-3)  作者: 闕恆遠


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第1章:2.4 慌乱の蔓延:地下室から地上へ引き裂かれて

ヒュォォッ――!


SUVのノーズがスロープの出口を突き抜けた瞬間、横殴りの小雨を孕んだ刺すような寒風が、まるで氷水を浴びせかけるようにフロントガラスを激しく叩きつけた!


外の世界が、ついに何一つ遮るものなく五人の眼前に剥き出しとなった。


だが、タイヤが福林路のアスファルトを重々しく踏みしめたその刹那、フロントガラスの向こうに広がった光景に、車内の全員が息を呑み、言葉を失った。


地上の世界は、彼らが一時間前に足を踏み入れた時の、肌寒くとも秩序の保たれていたあの台中市街ではもはやなかった。


大肚山から吹き下ろす突風は骨身に染みる湿気を孕み、福林路のアスファルト全体が降りしきる雨に濡れて鈍い光を放っている。


台糖量販店の巨大な建物や通り沿いの雑居ビルに視界を完全に遮られ、数百メートル先の台湾大通りや澄清病院の正確な状況までは窺い知ることはできない。しかし、左斜め後方から響いてくるその地響きのような異変だけで、総毛立つような恐怖を覚えるには十分だった。


重苦しく凄まじい多重衝突の轟音が「ズドン、ズシン」と響き渡り、引き裂かれる金属音や鼓膜を刺す長いスキール音、さらには狂乱状態に陥ったパトカーや救急車のサイレンが、台湾大通りの方向から路地裏へと津波のように押し寄せていた。


遠くそびえるビルの屋上の向こうからは、何本もの濁った黒煙の柱が立ち上り、灰色に沈む雨霧の中で激しく渦を巻いている。風に乗って運ばれてくる空気の中には、ツンと鼻を突く焦げたゴムの臭気と火災の匂いが混じり始めていた。


そして眼前の福林路すらも、すでに恐慌によって切り裂かれつつあった。


路肩に停まっていた数台の車が狂ったように強引に車道へと割り込み、クラクションを激しく鳴らし散らしている。そのうちの一台のダークカラーのセダンが焦ってUターンを試み、黄色い合羽を着た原付バイクの若者を危うく跳ね飛ばしかけた。原付は濡れた路面で激しくテールを振ってスリップし、ライダーは生きた心地もせぬまま車の窓を猛烈に叩いて罵声を浴びせ、路上は収拾のつかない混乱に陥っていた。


台湾大通りの具体的な惨状こそ直接目視できないものの、立ち上る濃煙、狂ったように鳴り響くサイレン、そして街頭に満ちる焦燥のすべてが、あの大動脈がすでに完全に麻痺している事実を物語っていた。




「凝雪」


「どっちへ抜ける?」


闕恆遠はステアリングを両手で力強く握りしめ、両腕の筋肉を鋼のように引き絞った。


古いSUVは福林路と福順路の交差点の手前をゆっくりと徐行していた。フロントガラスの上をワイパーが忙しなく往復し、水滴に覆われたガラスにぼやけた光の筋を幾重にも引き裂いていく。


後部座席では三人の少女たちが身を寄せ合い、悦清禾は千慕羽のトレンチコートの袖口を両手で握りしめたまま、遠くから絶え間なく届く激突音とサイレンの音に耳を傾け、心臓を早鐘のように打たせて言葉を失っていた。


千慕羽は腕を伸ばして悦清禾の微かに震える肩を抱き寄せ、その瞳には強い警戒を宿しながら、車窓の両脇で加速度的に混迷を深めていく街の景色をじっと見つめていた。


目の前に突きつけられた選択は、まさに生と死を分かつ十字路そのものだった。




「台湾大通りは絶対に使っちゃ駄目!」


助手席の伊凝雪は一秒たりとも躊躇しなかった。真っ赤に染まりきったスマートフォンのナビアプリを見ることすらなく、自らの脳裏に刻まれた極めて鮮明な台中の地図だけを頼りに、鋭く言い放った。


「この音を聞きなさい!」


「台湾大通りのほうは絶対に大玉突き事故で壊滅してるわ!」


「大通りの交差点には澄清病院があるのよ」


「逃げようとする人間は全員あの幹線道路へ殺到するに決まってる」


「この先の福順路の交差点を左折して台湾大通りの上り坂へ合流なんてしたら」


「澄清病院から雪崩を打って逃げ出してきた第一波の避難車両と真っ正面から衝突するわ!」


「それに、あちこちで人に噛みついてるあの狂人たちともね!」


「しかも台湾大通りをそのまま一キロも登らないうちに」


「右手には台中栄民総医院(台中栄総)があるのよ!」


「澄清の救急外来が壊滅したとなれば」


「すべての救急車と噛まれた負傷者は確実に栄総へ送り込まれる」


「栄総のほうだって今まさにパンデミックの真っ只中のはずよ」


「いつ軍や警察の完全封鎖線が敷かれてもおかしくないわ!」


「もし私たちが澄清と栄総の間に挟まれたあの長い大斜面で立ち往生したら」


「前には制御不能になった栄総」


「後ろからは澄清側からの追突と狂人の群れ」


「前も後ろも塞がれて身動きが取れなくなれば」


「この車はそのまま鉄の棺桶に早変わりよ」


「車を捨てて逃げる隙すら失うわ!」




「西屯路を行くのよ!」


伊凝雪の細くしなやかな指先が、前方に真っ直ぐ伸びる福林路を力強く指し示した。


「福林路をそのまま止まらずに!」


「突き当たりまで直進よ!」


「福科路を越えて」


「西屯路のほうへ切り込むの!」


「西屯路は道幅が狭くて店も多いけれど」


「あそこは主に住宅街よ」


「今の時間帯なら、住民たちはまだ家の中で様子を伺っている可能性が高いわ」


「路上もまだ事故車で完全に塞がれてはいないはずよ!」


「西屯路に沿って坂を登っていけば」


「こっちのほうが遥かに安全よ!」


伊凝雪の言葉は極めて迅速かつ的確で、その一言ひとことが最悪の絶望的な袋小路を力づくでこじ開け、一本の活路を切り開いていた。




「よし!」


「西屯路へ抜ける!」


闕恆遠の瞳に、迷いを断ち切った鋭い光が宿った。


彼は少しの躊躇も見せず、右足でアクセルペダルを床の底まで踏み抜いた!


ヴオオオオオン――!


旧式の直列六気筒エンジンが耳を聾するほどの咆哮を上げ、黒いSUVの四輪が水浸しのアスファルトを蹴り立てて、高さ半メートルにも及ぶ濁った水煙を跳ね上げた。


後方斜め先の台湾大通りで立ち上り続ける不吉な黒煙と、響き渡る断末魔の地獄絵図など、もはや完全に置き去りにするようにして。

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